「桜の下の禁じられたメロディ」

第5章: 卒業への軌跡 - それぞれの道へ

話２０：未来をつかむため

翌日、椎名と香奈、美雪は突然職員室に呼び出された。不安そうな表情を浮かべながら、3人は教師の前に立った。

教師は真剣な表情で3人に向かって話し始めた。「3人って奏さんと仲良かったよね」と尋ねた。

3人は戸惑いながらも、困惑した表情で「はい」と答えた。

その後、教師は続けて言った。「親御さんから、このまま奏さんを休ませることになった。卒業までの必要な課題を、教材やテストなど、何か提出してほしいとの要望があったんだ」。

椎名たちは驚きの表情を浮かべ、その突然の告知に戸惑っていた。奏の休学の理由やその後の状況について心配しながら、今後の対応策を考え始めた。

教師は続けて言った。「出席日数は問題ないから、課題をやってくれれば、卒業はできるんだけど、この先の進路のことを確認すると、それはこっちでやると…なんだかよくわからないのよね」

椎名たちは教師の言葉を聞きながら、不安と混乱が募る中、突然椎名のスマートフォンが振動し、1件のメッセージが届いた。

そのメッセージは奏からのものであり、内容はたった一言だった。「ごめんね」

椎名はそのメッセージを読みながら、心の底から落ち込んだ。奏からの謝罪の言葉が、彼女の心にさらなる混乱と不安をもたらした。

3人は無言のまま職員室を後にし、教室に戻った。香奈が椎名に問いかける。「どうするの？」

椎名は落ち込んだ表情で答えた。「どうにもならないよ。どこにいるのかもわからないし…」

その言葉を聞いて、美雪が心配そうに言葉を続けた。「それでいいの？」

椎名は我慢できなくなり、大きな声で叫んだ。「だって！どうすればいいのかわからない！」

そのまま椎名は泣き崩れ、周囲の友人たちは彼女の悲しみを共にした。未知の状況に立ち向かう彼女たちの心は、混乱と不安に包まれていた。

椎名は一人で自宅に戻り、勉強を始めた。現状何もできないままでも、自分の思いをしっかり伝えるために、大学に合格し卒業するためにも、しっかりと受験に向けて勉強する必要があると思った。

勉強をしながらも、椎名の心は奏と過ごしたクリスマスや正月の思い出がよみがえる。「去年も一昨年も、奏と一緒にクリスマスや正月を過ごしたな…」と懐かしく思い出す。

しかし、椎名の心の中には常に奏の存在があり、その不在が心を揺さぶっていた。「奏がいないと、何もかもがつまらない…」彼女の心は、奏との日々の思い出や絆で満たされていた。

年が明けても、椎名は一心不乱に受験勉強を続けた。机に向かい、教科書やノートに集中し、模擬試験を解いたり、問題集を解いたりする日々が続いた。

彼女の心には常に奏への思いがあり、それが彼女の受験勉強を支える力となっていた。「受験が終わったら、なんとしても奏に会いたい…」彼女は心の中でそうつぶやいた。

そのためには、恥ずかしい結果を出したくないという気持ちもあった。自分の力を証明し、誇りを持って奏に会いに行きたいという思いが、椎名の受験勉強をさらに力強くさせていた。

そして、ついにセンター試験の日がやってきた。椎名は緊張しながらも、自信を持って試験会場に向かった。試験が始まると、彼女は自分の力を存分に発揮しようと集中した。

問題に取り組みながらも、心の中には奏への思いがあり、それが彼女をさらに力強くさせた。椎名は過去数ヶ月にわたる努力の成果を試すかのように、一つ一つの問題に真剣に取り組んだ。

試験が終わると、彼女はほっと一息ついた。そして、結果が出るまでの間、再び勉強に励むことを決意した。

やがて結果が発表され、椎名は無事にセンター試験をクリアしたことを知った。その瞬間、彼女の胸には大きな安堵と喜びが満ちた。これからも彼女は、次なる試練に向けて努力を惜しまず、夢に向かって進んでいくことを決意したのだった。

椎名は最後の追い込みで勉強を続けた。辛抱強く、一つ一つの問題に真剣に向き合いながら、最後の試験に向けて準備を進めていった。

受験日が迫るにつれて、彼女の心は高まりを増していった。この試験が、彼女の未来を大きく左右するものであることを彼女はよく理解していた。そのため、彼女は絶えず自分に厳しく、努力を惜しまなかった。

そして、ついに受験日がやってきた。椎名は心を落ち着け、最後の力を振り絞って試験に臨んだ。過去数ヶ月の努力と準備の成果を試すかのように、彼女は問題に取り組み、自分の実力を証明しようとした。

試験が終わると、彼女はひとまずほっと一息ついた。そして、結果が出るまでの間、気持ちを落ち着かせて待つことにした。

彼女の心には、この先の未来への期待と不安が入り混じっていた。しかし、彼女は自分の力を信じ、これまでの努力を讃えながら、次なるステージに向かって進んでいく決意を固めていた。