「月下の約束 - 柚希と葵の物語」

第1章: 不思議な出会い

第7話: 二人の決意

学校の朝はいつもと変わらず始まったが、柚希の心は穏やかではなかった。昨日の葵の悩みが彼女の心を重くしていた。授業中も、葵のことが頭から離れなかった。

放課後、柚希は葵を探し、二人はいつもの公園に向かった。ベンチに座ると、柚希は葵に真剣な表情で話し始めた。

「葵さん、私、あなたの力になりたいんです。何かできることはないでしょうか？」

葵は柚希の言葉に少し驚いた後、深くため息をついた。「本当はね、俺もこのままじゃいけないって分かってるんだ。でも、どうしたらいいか…」

「一緒に考えましょう」と柚希が提案した。「葵さんが抱えている問題、私に話してください」

葵は少し躊躇ったが、彼女の誠実な眼差しに心を打たれ、自分が直面している困難について話し始めた。不良たちとの関係、家庭の状況、そして自分自身に対する不安。

柚希は静かに聞き、葵の言葉に耳を傾けた。話が終わると、彼女は葵の手を握り、「葵さん、一緒に乗り越えましょう。私たちなら、きっとできます」と言った。

葵は柚希の手をしっかりと握り返し、「ありがとう、柚希。君がそばにいてくれるだけで、もう勇気が出るよ」と答えた。

夕暮れが公園を柔らかな光で包み込む中、二人はこれからの計画について話し合った。葵は自分の状況を変えるための第一歩を踏み出すことを決意し、柚希は彼女を全力でサポートすることを約束した。

日が沈むと、柚希と葵は新たな決意を胸に別れを告げた。柚希は帰宅しながら、これからの二人の道のりに思いを馳せた。彼女たちの前には困難が待ち受けているかもしれないが、その困難を一緒に乗り越えることで、より強い絆が生まれることを柚希は信じていた。