ヨコハマ・イン・コード――心旅の果てに、港は語る――

しらかわからし

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第5章:港に刻まれた記憶と未来への証言――心旅は、希望を運ぶ闘いへ

第4話:逃走の夜と、告白の契約書

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恵子は躊躇いながらも、USBをポケットの上から握りしめて部屋を飛び出した。廊下の先には、達川が待っていた。
「乗れ! 早く!」

達川の車は、雨の中を疾走した。後部座席で恵子は震える手でポケットの中のUSBを握っていた。
和聖は、恵子がUSBを握りしめ、逃げ切ってくれることを信じた。

◇◆◇

一方、和聖は部屋の中で男たちと対峙していた。田代は壁際に追い詰められ、顔面蒼白だった。

「お前ら、俺を殺しても意味ないぞ! USBはもう手元にない!」

男たちは一瞬動きを止めた。その隙を突いて、和聖は椅子を蹴り倒し、傍にあった傘で蛍光灯を割った。

暗闇の中、混乱が広がる。和聖は田代の腕を掴み、非常口へと走った。

「お前を逃がすわけじゃない。だが、今は情報が先だ」
二人は裏路地へと抜け、息を切らしながら壁にもたれかかった。

「白川……お前、何者だよ」
「ただの商売人だよ。だが、守るべきものがある」

田代は黙ったまま、雨に濡れた顔を上げた。

「……俺も、昔はそうだったんだ。守りたい人がいた」
その言葉に、和聖は一瞬だけ、田代の人間らしさを垣間見た。

◇◆◇

その夜、村瀬から和聖のスマートフォンに電話がかかってきた。

低い声で村瀬は言った。

「USBは届いた。俺は無言でそれを受け取り、パソコンに差し込んだよ」

和聖は村瀬の口調から、そのUSBに決定的な何か、それも叔父にとって非常に重い事実が含まれていることを察した。

「……画面に映ったのは、かつて俺が見逃した『ある契約書』だった。そこには、俺の署名が確かに残っていた」

村瀬は静かに、自らが行った過去の過ちを和聖に告白した。

「和聖、すまない。俺が償う。だが、その前に……田代を守れ。彼はまだ、何かを抱えてる」

和聖は電話の向こうで頷いた。

「分かりました。俺が、最後までやります」
物語は、さらに深い闇へと踏み込んでいく。
だがその先に、光があると信じて──。

◇◆◇

達川の出版社から記事が出た翌日、村瀬の自宅には警察の刑事が訪れた。和聖は、村瀬から連絡を受け、捜査が入ったことを知った。
村瀬は静かに応じた。
「来ると思っていたよ。だが、俺は逃げないから」

その頃、和聖のスマートフォンには見知らぬ番号からの着信が相次いでいた。
「白川さんですね。あなたが提供した情報に虚偽があるとの指摘が出ています。名誉毀損の可能性もあります」

さらに、恵子の実家には地元議員の秘書を名乗る男が訪れた。
恵子からその報告を受けた和聖は、危機感を覚えた。
「お父様の治療費、今後も必要でしょう? 我々と協力すれば、支援も可能です」
恵子は和聖に、その言葉に怒りを覚えたと伝えた。
「父を盾に脅すなんて、最低です」
男は冷笑した。
「あなた方が暴いた『真実』は、あくまで一方的な見方です。政治家の名前を出したことで、あなた方は『敵』になった」
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