サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第2章

28話 両親同士の顔合わせ

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ある日の夕食時。

「先生のお義父様から電話があったの」
 
「そっか、何だって?」
 
「『東京の久留実野ですが』って言われて、焦っちゃったわよ」
 
「そっか」
 
「でね、お義父様が優しくて」
 
「そっか、良かったな」
 
「『先日は緊張したでしょ? こんな家族だけど、真凛さんには安心してうちの長男の嫁として向かい入れたいと思っていますので、とりあえず貴女のご両親に一回ご挨拶しに行きたいのですが?』って言われたの』
 
「そっか、真凛の親父さんの会社名を聞いてビビったんだろうね。余程、真凛とお義父さんの事が気に入ったんだろうな」
 
「と、言う事は私の事、ご両親は気に入って下さったと言う事?」
 
「うん。何度も言うけど物凄く気に入ったんじゃないのか?」
 
「嬉しい!」
 
「真凛の親父さんの会社名を聞いただけでノックアウトされたって感じかもな。テンカウントされても立ち上がれないほどで打ちのめされたって感じじゃないのかな?弟たちも含めてアイツらは、権威主義だからな。俺からしたら、そんな事はどうでも良い事なんだけど、アイツらはそういう事に重きを置くんだよ」
 
「四月に入籍予定って私が言ったから焦ったのかな?」
 
「だろうね。真凛ぐらい素晴らしい女性を我が久留実野家の長男の嫁に貰うんだから少しは焦らせた方が良いって」
 
「ったく、先生はご家族の事になると、他人事だよね?」
 
「あぁ。大嫌いだからだよ。散々、子供の頃から弟たちと差別されたからな。いい気味だよ。真凛の親父さんが経営している会社ほど大きな会社をやっている家族、いや親戚の中には誰もいないから、俺は天下を取ったも同然って感じかな?」と言って爆笑した。
 
「だから、うちの両親が今回の結婚に賛成しているのかと、四月に入籍予定ということを知っているのかの確認をされたんだね」
 
「そうだよ」
 
「で、実家の連絡先も教えて、先生のお母様からうちの実家に連絡が行くことになったみたい」
 
「そっか、勝手にやらせておけばいいよ。そしたらその時に真凛は実家に居なくていいんじゃないのか?」
 
「それだったらそれでいいよね」
 
「うん」
 
「後は叔父夫婦が間に入って、ご両親と会って話を進めてもらえばいいからさ」
 
 ※
 
次の土日に私の両親が叔父夫婦と一緒に真凛の実家に行き、顔合わせをしに行った。
 
真凛の両親から歓待されて意気投合して、昼食も夕食も共にしたとの事で、今後は深い付き合いをするとの事で、次は真凛の両親が東京に招かれるとの事だった。
 
(どうぞ、どうぞ、ご勝手に!)と私は思った。
 
私たちは行かないつもりでいた。
 
私はうちの両親のこの前のめりの態度は一体、何なんだと思うほどだった。

つづく
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