サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第2章

51話 妻の疑惑

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私と真凛は結婚してから既に一年が経っていた。

義父も退院してきてはいたが、会社は専務に任せて義祖母同様に自宅で療養していて、最近では認知症も入っていて元気がなく、義祖母と同様に私が介助することも多くなっていた。

私は相変わらずホテルに電車通勤していて毎日、満員電車に揺られていた。

真凛の帰宅時間が遅いのは変わらなかったある日のこと。

心配してくれていた従姉の美津子が来た時に、「真凛は相変わらずに遅いの?」と訊いた。

義母が「平日では十二時過ぎで、金曜、いや土曜だけど朝方の三時頃で、土曜日は殆ど一日寝ていて、日曜日はバレーボールの練習に出掛けて帰りは十二時過ぎかな」と言った。

「おかしいわよね?」と美津子。

「私は真凛の体が心配なんですよ」と。

「いつもミキトさんは真凛を心配してくれているんだけど」

「私の同級生に叔父さんの顧問弁護士事務所の職員が居るから真凛の事を訊いてみるね?」と美津子が言った。

「本当に真凛の体が心配なのでお義姉さん、お願いします」

この頃の私は美津子をお義姉さんと呼んでいた。

「『もう事務所を退職したら?』と話をしているのですが、妻は『重要なポジションにいるから辞める事が出来ない』と言っているんですよ」と。

「それでは私に任せて!」と美津子。

「お義姉さん、調べて下さるのは有難いのですが、真凛には調べた事は内密にしてもらいたいのですが?」

「この三人だけの話にするから」

「ありがとうございます」

明くる日。

真凛が早朝に出勤して行った。

その後、従姉の美津子が真凛と入れ違いで実家に来た。

私も出勤するのでスーツに着替えていると、美津子が、「弁護士事務所に勤務している友人から話しを聞いたの」と切り出した。

「それで?」と私。

「何か分かったの?」と義母。

「真凛と一緒に勤務しているんだけど、真凛は十七時の定時にいつも帰っているみたいで、その彼女が以前、近くのスーパーで買物をした時に真凛の姿を見て、自宅に帰るのかと思っていたらしいの」

「それで」と私。

「スーパーの駐車場に車を停めて、その近所の高級マンションにレジ袋を持って入って行ったのを見て、明くる日に『スーパー近くの高層マンションに入って行くところを見たわよ』と言ったら顔色を変えていたと言っていたの」と美津子。

私は愕然とし顔色を変えた。

義母も「おかしいわね」と小声で言っただけで、その後は私を気遣って黙ってしまった。

美津子も私が黙ったので、「私、パートがあるから帰るね」と言ってそそくさと出て行った。

私は義母に、「今の話は真凛が帰って来ても内緒でお願いしますね」と言って私も出掛けた。

つづく
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