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第4章
12話-3 勤務4日目 朝食の賄い
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今日の賄い時は山中と一緒に食べた。
大崎は一人が好きなのか遠くのテーブルで、いつも同じカレーライスを食べていた。
この四日間中三日間に私は大崎の賄いを見ていたが、ご飯の量もカレーソースの量もいつも同じで黙々と食べている姿を見ていた。
私は野菜不足に陥っていたので野菜を多めに取るようにして適量を持ってきた。
山中は食べきれないだろうと思えるほどの菓子パンを山のように、そしておかずも沢山皿に盛りご飯一膳に納豆を五パックお盆に載せてテーブルに着いた。
「そんなに一人で食べるの?」と私が訊くと、山中は「どうせ全部捨てちゃうんだから勿体ないでしょ?」と言った。
私はその意味が分からなくて「捨てるのは衛生上仕方ない事なんだよ」
「それは分かっているよ」と言いながら持ってきた皺くちゃで使い回しをしているような二枚のビニール袋の中に手際良く菓子パンと揚げ物等を入れ出した。
「えっ!持って帰るの?」
「そう、何が悪いのかな?」と平然と。
私は(この事で食中毒になったらホテルの責任になるので、あってはならない事だ)と思って見ていた。
私は帝王ホテルに在籍していながら他のホテルにヘルプで行った事もあったが、このようなパートを見た事がなかったので驚きを隠せなかった。
「うちの父ちゃんはこの菓子パンが大好きで、息子はこの揚げ物が大好きなの」
家族の為に賄いを多く取って持ち帰るのを日常としている山中だった。
「ねぇ、山中さん、気になっていたんだけど朝、会った時はそのバッグはペシャンコなのに、今はまだそのパンを入れてないのにパンパンなのは何で?俺だけに見せてよ」と私。
「ダメよ、何で見せなくてはいけないのよ?」と山中。
「分かったよ。今日、社長に会うからその時に山中さんがホテルの食材を持ち帰っていると報告しておくから」と私。
「ふ~」と山中はため息を付き、「誰にも内緒にしてくれる?」と言った
「うん」言うと山中はバッグの中を開いた。
私はデジカメをいつも持っていたのでバッグを取り上げて、「写真を撮らせてもらうから」と言って「後で返しておいてね」と言うと「は~い」と不服そうに返事した。
中抜き休憩時に良太にその件を訊くと、「山中さんは料理長に毎朝、栄養ドリンクやたまに酒などの付け届けをしているので料理長は彼女の行為を見て見ぬ振りをしているんですよ」と。
兎に角、上から下まで滅茶苦茶なホテル経営だと思い、このような事も追々改善していかなくてはいけないと思っていた。
それは私が総料理長を務める最高級ホテルで、このような事をされては困るからだ。
つづく
大崎は一人が好きなのか遠くのテーブルで、いつも同じカレーライスを食べていた。
この四日間中三日間に私は大崎の賄いを見ていたが、ご飯の量もカレーソースの量もいつも同じで黙々と食べている姿を見ていた。
私は野菜不足に陥っていたので野菜を多めに取るようにして適量を持ってきた。
山中は食べきれないだろうと思えるほどの菓子パンを山のように、そしておかずも沢山皿に盛りご飯一膳に納豆を五パックお盆に載せてテーブルに着いた。
「そんなに一人で食べるの?」と私が訊くと、山中は「どうせ全部捨てちゃうんだから勿体ないでしょ?」と言った。
私はその意味が分からなくて「捨てるのは衛生上仕方ない事なんだよ」
「それは分かっているよ」と言いながら持ってきた皺くちゃで使い回しをしているような二枚のビニール袋の中に手際良く菓子パンと揚げ物等を入れ出した。
「えっ!持って帰るの?」
「そう、何が悪いのかな?」と平然と。
私は(この事で食中毒になったらホテルの責任になるので、あってはならない事だ)と思って見ていた。
私は帝王ホテルに在籍していながら他のホテルにヘルプで行った事もあったが、このようなパートを見た事がなかったので驚きを隠せなかった。
「うちの父ちゃんはこの菓子パンが大好きで、息子はこの揚げ物が大好きなの」
家族の為に賄いを多く取って持ち帰るのを日常としている山中だった。
「ねぇ、山中さん、気になっていたんだけど朝、会った時はそのバッグはペシャンコなのに、今はまだそのパンを入れてないのにパンパンなのは何で?俺だけに見せてよ」と私。
「ダメよ、何で見せなくてはいけないのよ?」と山中。
「分かったよ。今日、社長に会うからその時に山中さんがホテルの食材を持ち帰っていると報告しておくから」と私。
「ふ~」と山中はため息を付き、「誰にも内緒にしてくれる?」と言った
「うん」言うと山中はバッグの中を開いた。
私はデジカメをいつも持っていたのでバッグを取り上げて、「写真を撮らせてもらうから」と言って「後で返しておいてね」と言うと「は~い」と不服そうに返事した。
中抜き休憩時に良太にその件を訊くと、「山中さんは料理長に毎朝、栄養ドリンクやたまに酒などの付け届けをしているので料理長は彼女の行為を見て見ぬ振りをしているんですよ」と。
兎に角、上から下まで滅茶苦茶なホテル経営だと思い、このような事も追々改善していかなくてはいけないと思っていた。
それは私が総料理長を務める最高級ホテルで、このような事をされては困るからだ。
つづく
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