サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第5章

4話-5 勤務10日目 夕食の準備と夕食の賄い

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この日はライメンズクラブの定例会が終わり、片付けをし夕食の準備の時間になっていた。

私は女子高生の指導でディナーのセッティングをしていた。

「このバットに氷を一段敷き詰めて来て下さい」と女子高生。

「は~い」と私。

「『は~い』って伸ばさないで『はい』にして下さい」

「はい!」と言って厨房に行き「シェフ失礼します!」と言い、製氷機の所に行き氷をもらった。

私は帝王ホテルでは高校生のバイトは居なかったので、若い子と話が出来て楽しかった。

「外からバットを出して下されば入れましたのに」と良太が言った。

私は女子高生に指差し、「先生が行って来いって言うもんだからさ」と言って笑うと、「高校生ですよね」と言った。

「久留実野さんは高校生にでも使われるのを嫌がらないんですね」

「自分より仕事ができる人は皆、先生だからさ。それに可愛いしね」

「そうですね」と良太は納得していた。

私はバットに氷を敷き詰めて持って行くと女子高生は、「今度は調理場の裏の冷蔵庫からサラダを持ってきてください」

「はい」

「良く~ん、先生がサラダを持って来いって言うんだけど、どれかな?」と訊くと手を休めて教えてくれたので「ありがとうございます」と言った。

「久留実野さん、勘弁して下さいよ」

「何を?」

「あっ、いいです」と良太は言い持ち場に帰った。

私がサラダを持って行くと、今度は「お刺身の盛り合わせが裏の冷蔵庫にあるので持ってきて下さい」と言われまた、「はい」と返事をして裏の冷蔵庫に行き持ってきた。

このホテルは和食の板前がいるのに、刺身の盛り合わせは近所の魚屋から仕入れていた。

私は何て効率の悪い事をしているんだろうと思っていた。

その後、準備が済み夕食が開始され、何の問題もなく終わった。片付けをして夕食の賄いを食べた。

山形と愛美と私だった。

「山形さん家の裏が久留実野さんの寮ですよね?」と愛美。

山形は大塚さんの旧宅の惨状を良く知っていたので、「愛美さん、貴方のお父さんは久留実野さんに凄く失礼だと思うんですけど」と余計な事を言った。

「はい、昨日、久留実野さんに惨状を見せて頂いたので」と愛美。

「久留実野さんを呼んでおいて、それであんなゴミ屋敷に住まわせて整理整頓からゴミ集めでその後は捨てに行っているんだって知らないでしょ?」と山形。

「捨てに行くのも久留実野さんなんですか?」と愛美。

「はい、まぁ……」と私。

「本当にうちのパパと言ったら」と愛美が絶句した。

「山形さんは私の事を思って言って下さって有難いですが、愛美さんが悪い訳ではないので、ご飯時ですからその話しはもう止めませんか?」と私。

「あまりにも久留実野さんが可愛そうだと思ったし、パート全員が私と同じ気持ちだし、久留実野さんの寮の同じ自治会の人も、『あれは幾ら何でも酷いよな』って皆、言ってるのよ」と山形。

「私、穴が有ったら入りたいほど恥ずかしいです」と愛美。

「本当にもう、この話しは止めましょう」と言って私は黙々と食事し先に食べ終わって、二人を待たずに、「お疲れ様でした!」と言って帰った。

つづく
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