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第1章 夏の始まりと塀の向こうの少年
第6-3話 初恋の予感と夏の午後
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龍児がこう言った時は、真剣に『もうちょっと一緒にいて!』と思い、麗の泣きそうな表情を見た龍児は彼女の深層心理まで見抜けてしまう魔術を持っていたので、ニコッと微笑むと麗の肩に手を置き笑顔が近付いた。
(えっ…?)と心の中で叫んだ麗だった。
麗にとってはファーストキスで、心の準備が出来てなかったのもあり、頭の中はプチパニックになった。 唇を重ねたのは十五秒ほどだったが、麗は完全に魂を抜かれたように、暫く呆然とした。
その場で息を荒げ、更には麗にとって初めての経験だったのが頭のてっぺんから爪先まで電流が走り抜けて、今まで経験した事のない絶頂に達してしまった。
自慰をしていないのにだった。麗は早熟で自慰を覚えたのは小三の時で、それ以来週に二回ほどしていたが、そんなのは比にならない程だった。それで「じゃあ、また明日、寺子屋でね!」という龍児の声がいつまでも耳の中に残っていた。
二人が出会ってたった二日で麗は完全に、「恋の病」を患っていた。それまでも気になる男子はいたが、今回はもう次元が違うという感じだった。 寝ても覚めても龍児の笑顔を思い浮かべ、柔らかな唇の感触を思い出してはニヤニヤしていた。
そして翌日も麗はやっぱり開館時刻から寺子屋で龍児を待った。彼が来たのは前日と同様で昼過ぎで、前の日とは違う方面を散歩した。 二人並んで歩きながらずっと手を繋ぎ、麗は夢の中の雲の上を歩いている気分だった。
この日、帰りに寄ったのは麗が良く知っている自宅の近所にある小さな寺の境内だった。 もう随分前から住職はおらず、麗の遊び場にしていた所だった。無人の集会所には一ヶ所だけ鍵の掛からない扉があり、奥は倉庫のような部屋があった。忍び込んだのは三年振りくらいだったが、麗たち子供にとっては秘密の隠れ家だった。
畳敷きの埃に塗れた汚い部屋に、葬儀に使うであろう一式が並べられていた。 麗は親から怒られた時などは、ここに隠れて怒りが収まるのを待った。 もっとも、暗くなると気味悪くて、怒られるのを覚悟で家に戻っていた、そんな思い出の場所だ。
「へえ! こんな所があるんだね?」と龍児は知っていたが初めてだという風な態度を取った。龍児は村の全てを把握していた。それは千里眼の魔術を持っていたからだ。
龍児はわざと珍しそうに、葬儀の道具などを見て回り、彼女がココに自分を連れてきたという事は、「抱いて欲しい」と言わんばかりなのも理解していたが閉ざされた空間に二人きりと言う事でその事実だけで胸は高鳴っていた。
何故なら魔術が使えると言っても彼は人間の体を借りているのでチェリーボーイだからだ。行為が始まってしまえば彼の魔術で独壇場になった。
(えっ…?)と心の中で叫んだ麗だった。
麗にとってはファーストキスで、心の準備が出来てなかったのもあり、頭の中はプチパニックになった。 唇を重ねたのは十五秒ほどだったが、麗は完全に魂を抜かれたように、暫く呆然とした。
その場で息を荒げ、更には麗にとって初めての経験だったのが頭のてっぺんから爪先まで電流が走り抜けて、今まで経験した事のない絶頂に達してしまった。
自慰をしていないのにだった。麗は早熟で自慰を覚えたのは小三の時で、それ以来週に二回ほどしていたが、そんなのは比にならない程だった。それで「じゃあ、また明日、寺子屋でね!」という龍児の声がいつまでも耳の中に残っていた。
二人が出会ってたった二日で麗は完全に、「恋の病」を患っていた。それまでも気になる男子はいたが、今回はもう次元が違うという感じだった。 寝ても覚めても龍児の笑顔を思い浮かべ、柔らかな唇の感触を思い出してはニヤニヤしていた。
そして翌日も麗はやっぱり開館時刻から寺子屋で龍児を待った。彼が来たのは前日と同様で昼過ぎで、前の日とは違う方面を散歩した。 二人並んで歩きながらずっと手を繋ぎ、麗は夢の中の雲の上を歩いている気分だった。
この日、帰りに寄ったのは麗が良く知っている自宅の近所にある小さな寺の境内だった。 もう随分前から住職はおらず、麗の遊び場にしていた所だった。無人の集会所には一ヶ所だけ鍵の掛からない扉があり、奥は倉庫のような部屋があった。忍び込んだのは三年振りくらいだったが、麗たち子供にとっては秘密の隠れ家だった。
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「へえ! こんな所があるんだね?」と龍児は知っていたが初めてだという風な態度を取った。龍児は村の全てを把握していた。それは千里眼の魔術を持っていたからだ。
龍児はわざと珍しそうに、葬儀の道具などを見て回り、彼女がココに自分を連れてきたという事は、「抱いて欲しい」と言わんばかりなのも理解していたが閉ざされた空間に二人きりと言う事でその事実だけで胸は高鳴っていた。
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