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第2章 初恋と離別:ベルリンへの旅立ち
1-2話 グレッグの初恋の人 ミリヤムとの楽しい日々
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店を出たグレッグは、自分の頬を摘まんでみた。
「イテッ!」
夢じゃなかった。
彼は小躍りしながらスキップで本屋へ戻り、仕事に取りかかった。
心は軽く、空気までも甘く感じられた。
その日から、毎日帰りはミリヤムと一緒だった。
待ち合わせは馬車乗り場。
彼女はいつも少し遅れてやってきた。
「遅れてごめんなさい、片付けが遅くなっちゃって」
「全然、待ってないから気にしないでください」
グレッグは笑顔で答えた。
彼女の第一声は、意外なものだった。
「何でモツ炒めを頼んで、一口も食べないで帰ったの?」
グレッグは少し照れながら言った。
「夏バテかなぁ? いや、何故だか分からないけど、君の顔を見たら急に食欲が無くなってしまったんだよ」
ミリヤムは笑いながら言った。
「店の人が言うには、彼は私に恋をしたからだろってからかうのよ」
グレッグは真顔で答えた。
「うん、本当にそうかもしれない。今まで君のような美しい人に出会ったことがなかったから衝撃的で……多分、一目惚れしたんだと思う」
すると、彼女は少し照れながら言った。
「私もあなたのことが好きよ」
「え……嘘でしょ?」
グレッグは自分に自信がなかった。
「こんな僕に君が?」
「嘘じゃないわよ、ホントよ」
彼女は真っ直ぐにグレッグを見つめた。
グレッグが通う小学校は男子校で、ミリヤムは女子校だった。
「ところで君の名前は?」
「私はミリヤム。十二歳。よろしくね」
「俺はグレッグ。十一歳。よろしく!」
「私よりも一歳年下なんだね? 年上かと思ったわ」
「老けてるんだよね。たまに中学生の高学年に間違われることもあるから」
「苦労してるんだね」
「どうなんだろう……こんなものは普通なんじゃないの?」
グレッグは努めて明るく振る舞っていた。
両親の厳しい家庭環境で育ち、眠りが浅く、薬に頼ることもあった。
心は疲れていたが、ミリヤムにはそれを見せたくなかった。
彼女はとても魅力的で美人だった。
後に、中学の先輩たちの憧れの的だったことを知る。
そんなミリヤムと、毎日同じ乗り合い馬車で帰れる。
それは、夢のような手伝いの日々だった。
馬車の中では、学校の話や好きな食べ物、将来の夢など、たわいもない会話が続いた。
グレッグは、彼女と話すだけで心が軽くなった。
ある日、ミリヤムが言った。
「グレッグって、何か悲しそうな目をしてるときがあるよ」
「そうかな……でも、君といるときは楽しいよ」
それは、彼の本心だった。
ミリヤムの笑顔は、グレッグの心の闇を照らす光だった。
彼女と過ごす時間が、彼にとっての救いだった。
つづく
「イテッ!」
夢じゃなかった。
彼は小躍りしながらスキップで本屋へ戻り、仕事に取りかかった。
心は軽く、空気までも甘く感じられた。
その日から、毎日帰りはミリヤムと一緒だった。
待ち合わせは馬車乗り場。
彼女はいつも少し遅れてやってきた。
「遅れてごめんなさい、片付けが遅くなっちゃって」
「全然、待ってないから気にしないでください」
グレッグは笑顔で答えた。
彼女の第一声は、意外なものだった。
「何でモツ炒めを頼んで、一口も食べないで帰ったの?」
グレッグは少し照れながら言った。
「夏バテかなぁ? いや、何故だか分からないけど、君の顔を見たら急に食欲が無くなってしまったんだよ」
ミリヤムは笑いながら言った。
「店の人が言うには、彼は私に恋をしたからだろってからかうのよ」
グレッグは真顔で答えた。
「うん、本当にそうかもしれない。今まで君のような美しい人に出会ったことがなかったから衝撃的で……多分、一目惚れしたんだと思う」
すると、彼女は少し照れながら言った。
「私もあなたのことが好きよ」
「え……嘘でしょ?」
グレッグは自分に自信がなかった。
「こんな僕に君が?」
「嘘じゃないわよ、ホントよ」
彼女は真っ直ぐにグレッグを見つめた。
グレッグが通う小学校は男子校で、ミリヤムは女子校だった。
「ところで君の名前は?」
「私はミリヤム。十二歳。よろしくね」
「俺はグレッグ。十一歳。よろしく!」
「私よりも一歳年下なんだね? 年上かと思ったわ」
「老けてるんだよね。たまに中学生の高学年に間違われることもあるから」
「苦労してるんだね」
「どうなんだろう……こんなものは普通なんじゃないの?」
グレッグは努めて明るく振る舞っていた。
両親の厳しい家庭環境で育ち、眠りが浅く、薬に頼ることもあった。
心は疲れていたが、ミリヤムにはそれを見せたくなかった。
彼女はとても魅力的で美人だった。
後に、中学の先輩たちの憧れの的だったことを知る。
そんなミリヤムと、毎日同じ乗り合い馬車で帰れる。
それは、夢のような手伝いの日々だった。
馬車の中では、学校の話や好きな食べ物、将来の夢など、たわいもない会話が続いた。
グレッグは、彼女と話すだけで心が軽くなった。
ある日、ミリヤムが言った。
「グレッグって、何か悲しそうな目をしてるときがあるよ」
「そうかな……でも、君といるときは楽しいよ」
それは、彼の本心だった。
ミリヤムの笑顔は、グレッグの心の闇を照らす光だった。
彼女と過ごす時間が、彼にとっての救いだった。
つづく
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