25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第2章 初恋と離別:ベルリンへの旅立ち

2-1話 ミリヤムが去った後のグレッグの小学生活

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ミリヤムが引っ越してから、グレッグの心にはぽっかりと穴が空いた。
毎日の帰り道にいた彼女の姿が消え、乗り合い馬車の座席は空虚だった。
彼女に手紙を出しても、返事はなかった。

ポストを開けるたびに期待し、そして落胆する日々が続いた。
そんな中、先日の引っ越しで顔を合わせた一学年上の先輩たちが、グレッグに目をつけていた。

学校に行くと、彼らの視線は異様なほど鋭く、敵意に満ちていた。
廊下を歩いているだけで、足を出されて転ばされ、唾を吐きかけられる。
教室では筆箱を隠され、机の中にゴミを詰められた。
異常な苛めが続いた。

だが、グレッグはここで負けるわけにはいかなかった。
彼は、効率的な喧嘩の仕方を知っていた。

幼い頃から両親に理不尽な扱いを受けてきたことで、どうすれば相手に勝てるかを常に考えていた。

ある日、授業が始まる金の音が鳴った瞬間、グレッグは動いた。
先輩の中で一番体格が大きく、威張っていた男の胸倉を掴み、床に倒して押さえ込んだ。

「ふざけるなよ。俺はお前らの玩具オモチャじゃない!」

怒りに満ちた声で、強く抗議した。
先生が廊下を通りかかり、「お前、何をしているんだ! 授業が始まるぞ!」と叫んだが、グレッグは構わず、後ろの空いたスペースまで引きずっていき、馬乗りになって殴った。

「グレッグ、止めろ!」

先生が止めに入るまで、感情は抑えきれなかった。
殴られていた先輩は呆気に取られ、無抵抗のまま泣いていた。
周囲の先輩たちは顔色を青ざめさせ、ただ呆然とその光景を見ていた。

当然、グレッグは職員室行きだった。
だが、それも覚悟の上だった。
あそこでやっておかなければ、苛めは延々と続く。
グレッグはそれを知っていた。

翌日から、誰も彼にちょっかいを出す者はいなくなった。
教室の空気は一変し、グレッグの席は静寂に包まれた。

そしてその翌日、一学年上の番長と呼ばれる先輩が近寄ってきた。

「おい、お前、中々やるなぁ」

その言葉は、敵意ではなく、興味と敬意だった。

それからは、彼のおかげでグレッグの学校生活は穏やかになった。
苛められることもなくなり、昼休みには一緒に話す仲間もできた。

ミリヤムが去った寂しさは、まだ胸の奥に残っていた。

だが、グレッグは少しずつ前を向き始めていた。
彼女の言葉――「絶対に手紙頂戴よ! 私も書くから!」――は、今も心の中で響いていた。

つづく
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