25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第3章 過ぎゆく温もり:王の側室となった彼女へ

3-3話 カルラの目覚め:静かな夜の約束

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夜の静けさが、部屋の隅々まで染み渡っていた。
布団の中で、カルラはグレッグの腕の中に身を預けていた。
彼女の呼吸は浅く、そして少し震えていた。
「寒くない?」
グレッグが優しく問いかけると、カルラは小さく首を振った。
「大丈夫よ」
そう言って、少しだけ笑ってみせた。
その笑顔には、戸惑いと期待が入り混じっていた。

彼女にとって、誰かとこうして寄り添うのは初めての体験だった。
けれど、グレッグの手のひらが背中に添えられるたびに、彼女の不安は少しずつ溶けていった。

「そばにいるだけで、心が落ち着くの」

その言葉は、彼女自身が驚くほど素直だった。
グレッグは、彼女の表情を見つめながら、そっと髪を撫でた。
カルラの瞳は潤み、唇がわずかに開いた。
彼女の手がグレッグの背中にそっと触れた。

「変な感じになっちゃうから……お願い、動かないで」

その声は、どこか切なく、そして愛おしかった。
グレッグは静かに頷き、彼女の手を握った。
カルラはその優しさに応えるように、目を閉じた。

「ありがとう、安心できた」
彼女はぽつりと呟いた。

その言葉に、グレッグは胸の奥が温かくなるのを感じた。
彼女の初めての夜を、優しさで包み込めたことが、何よりも嬉しかった。

「またそばにいてくれる?」
カルラが囁くと、グレッグは微笑んで答えた。
「毎晩でも」

その夜、二人は静かに布団を抜け出し、肩を並べて夜の街へと歩いた。
カルラが「ご飯でも食べに行かない?」と提案すると、グレッグは笑顔で頷いた。

「実はお腹が空いてたんだ」

それは、ただの食事ではなかった。
二人が初めて、恋人として外の世界に出ていく、小さな冒険の始まりだった。

つづく
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