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第3話:揺れた想い
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麻衣子は、義理の娘婿の和聖が訪れる夜を、いつしか心待ちにするようになっていた。
美月の入院をきっかけに、彼が夕食を共にするようになってから、家の中に静かな灯がともったようだった。
彼は礼儀正しく、料理に感謝を述べ、食後にはワインを傾けながら麻衣子と語らう。
その時間は、麻衣子にとって、長く忘れていた「誰かと向き合う」感覚を思い出させるものだった。
食後のソファで麻衣子はふと彼の横顔を見つめた。
和聖は逞しく、背も高く、若さと落ち着きを併せ持つ男性だった。
その存在感に、麻衣子の心は静かに揺れていた。この身体に押し潰さると思うと頭が痺れ、彼のことを考えるだけで身体の芯が火照るのを覚えていた。
「お継母さん、最近……なんだか、心が落ち着くんです」
「そう……それは、嬉しいわ」
麻衣子は微笑みながらも、胸の奥にあるざわめきを隠しきれなかった。
それは、誰かに女として見られたいという思い。心を通わせたいと願っていたからだ。
「お義父さんがいない時、寂しくないですか?」
「……ええ、少しだけ。でも、あなたが来てくれるから、救われているの」
その言葉に、和聖は静かに麻衣子の肩を抱き寄せて口づけをした。
麻衣子は演技の戸惑いを見せながらも、その温もりを拒むことができなかった。
心の奥にしまっていた感情が、少しずつ解けていくのを感じていた。
「お継母さん……僕は、あなたのことをずっと気になっていました」
「……そんなこと、言ってはいけないわ」
麻衣子は言葉では否定しながらも、心の中では揺れていた。
それは、孤独と向き合ってきた年月が、誰かの優しさに触れた瞬間に崩れそうになる感覚だった。
麻衣子は、寝室の扉を静かに開けた。
夫婦だけの神聖な空間に、義理の娘婿である和聖を招き入れたことに、胸の奥がざわついていた。
それでも、今夜だけは――そう思っていた。
ベッドの端に腰を下ろし、麻衣子は和聖の目を見つめた。
彼は少し緊張した面持ちで立っていた。
その姿に、麻衣子は言葉を選びながら静かに言った。
「仰向けに、横になってくれる?」
和聖は頷き、ベッドに身を預けた。
麻衣子は彼の隣にそっと座り、ゆっくりと顔を近づけた。
唇が触れ合う瞬間、二人の間に流れていた沈黙が、静かにほどけていくようだった。
彼の手が麻衣子の肩に伸びたが、彼女はそっと制した。
「まだ……触れないで。今夜は、私があなたに触れたいの」
その言葉に、和聖は目を閉じ、手を頭の下に組んだ。
麻衣子は彼の胸元に顔を寄せ、ゆっくりと唇を滑らせた。
若くて逞しい胸板に触れるたび、彼の鼓動が伝わってきた。
「和聖さん……あなたのことを、ずっと見ていたのよ」
その告白は、麻衣子自身にも驚きだった。
彼の存在が、日々の孤独を埋めてくれていたことに、今さらながら気づいたのだ。
麻衣子は彼の胸に耳を当て、静かに目を閉じた。
その鼓動は、確かに彼がここにいることを教えてくれた。
「私、誰かに触れてほしかった。女としても人としても……」
和聖は何も言わず、ただ麻衣子の髪にそっと手を添えた。
その仕草に、麻衣子は涙がこぼれそうになるのを堪えた。
「あなたは、優しいから」
その夜、二人は体を重ねた。
けれど、それは欲望でもあり孤独を分かち合うような静かな抱擁だった。
そして麻衣子は彼の上に乗り、男の威厳を自身の聖域に入れて騎乗位で激しく動き、二人は同時に絶頂へと昇り詰めた。
その後も体位を変えて結ばれ疲れ果てて、麻衣子は彼の腕の中で眠りについた。
心の奥にあった空白が、少しだけ埋まったような気がした。
つづく
美月の入院をきっかけに、彼が夕食を共にするようになってから、家の中に静かな灯がともったようだった。
彼は礼儀正しく、料理に感謝を述べ、食後にはワインを傾けながら麻衣子と語らう。
その時間は、麻衣子にとって、長く忘れていた「誰かと向き合う」感覚を思い出させるものだった。
食後のソファで麻衣子はふと彼の横顔を見つめた。
和聖は逞しく、背も高く、若さと落ち着きを併せ持つ男性だった。
その存在感に、麻衣子の心は静かに揺れていた。この身体に押し潰さると思うと頭が痺れ、彼のことを考えるだけで身体の芯が火照るのを覚えていた。
「お継母さん、最近……なんだか、心が落ち着くんです」
「そう……それは、嬉しいわ」
麻衣子は微笑みながらも、胸の奥にあるざわめきを隠しきれなかった。
それは、誰かに女として見られたいという思い。心を通わせたいと願っていたからだ。
「お義父さんがいない時、寂しくないですか?」
「……ええ、少しだけ。でも、あなたが来てくれるから、救われているの」
その言葉に、和聖は静かに麻衣子の肩を抱き寄せて口づけをした。
麻衣子は演技の戸惑いを見せながらも、その温もりを拒むことができなかった。
心の奥にしまっていた感情が、少しずつ解けていくのを感じていた。
「お継母さん……僕は、あなたのことをずっと気になっていました」
「……そんなこと、言ってはいけないわ」
麻衣子は言葉では否定しながらも、心の中では揺れていた。
それは、孤独と向き合ってきた年月が、誰かの優しさに触れた瞬間に崩れそうになる感覚だった。
麻衣子は、寝室の扉を静かに開けた。
夫婦だけの神聖な空間に、義理の娘婿である和聖を招き入れたことに、胸の奥がざわついていた。
それでも、今夜だけは――そう思っていた。
ベッドの端に腰を下ろし、麻衣子は和聖の目を見つめた。
彼は少し緊張した面持ちで立っていた。
その姿に、麻衣子は言葉を選びながら静かに言った。
「仰向けに、横になってくれる?」
和聖は頷き、ベッドに身を預けた。
麻衣子は彼の隣にそっと座り、ゆっくりと顔を近づけた。
唇が触れ合う瞬間、二人の間に流れていた沈黙が、静かにほどけていくようだった。
彼の手が麻衣子の肩に伸びたが、彼女はそっと制した。
「まだ……触れないで。今夜は、私があなたに触れたいの」
その言葉に、和聖は目を閉じ、手を頭の下に組んだ。
麻衣子は彼の胸元に顔を寄せ、ゆっくりと唇を滑らせた。
若くて逞しい胸板に触れるたび、彼の鼓動が伝わってきた。
「和聖さん……あなたのことを、ずっと見ていたのよ」
その告白は、麻衣子自身にも驚きだった。
彼の存在が、日々の孤独を埋めてくれていたことに、今さらながら気づいたのだ。
麻衣子は彼の胸に耳を当て、静かに目を閉じた。
その鼓動は、確かに彼がここにいることを教えてくれた。
「私、誰かに触れてほしかった。女としても人としても……」
和聖は何も言わず、ただ麻衣子の髪にそっと手を添えた。
その仕草に、麻衣子は涙がこぼれそうになるのを堪えた。
「あなたは、優しいから」
その夜、二人は体を重ねた。
けれど、それは欲望でもあり孤独を分かち合うような静かな抱擁だった。
そして麻衣子は彼の上に乗り、男の威厳を自身の聖域に入れて騎乗位で激しく動き、二人は同時に絶頂へと昇り詰めた。
その後も体位を変えて結ばれ疲れ果てて、麻衣子は彼の腕の中で眠りについた。
心の奥にあった空白が、少しだけ埋まったような気がした。
つづく
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