和菓子屋「桔平」と恋するインフルエンサー

しらかわからし

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第44話:誠実の灯、広島にともす

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水島康彦が広島市議会議員に当選してからの数年間、彼は誠実な姿勢と行動力で市民の信頼を着実に築いていった。議会では常に市民目線を忘れず、地域の声を丁寧に拾い上げ、政策に反映させる姿勢が評価されていた。

康彦が最初に取り組んだのは、老朽化した市内の公園整備だった。子どもたちが安心して遊べる環境を整えるため、遊具の更新やバリアフリー化を推進し、心平の保育所兼子ども食堂とも連携して、地域の子育て支援を強化した。公園のリニューアル後には、親子連れが増え、地域の交流の場としても活気を取り戻した。

また、地元商店街の活性化にも力を注ぎ、空き店舗を活用した若手起業家支援制度を創設。桔平の成功事例をモデルに、地域の商業振興を図った。心平もこの取り組みに協力し、講演会や職人育成のワークショップを開催した。若者たちが「自分も地元で何かを始めたい」と語る姿に、康彦は手応えを感じていた。

康彦は議会での発言も的確で、無駄な言葉を排し、必要な改革を粘り強く訴えた。とくに、広島市の観光資源を活かした地域振興策では、原爆饅頭を「平和の象徴」として全国に発信するプロジェクトを立ち上げ、心平と麗奈が協力して広報活動を担った。観光ポスターには「広島の記憶を、甘さで包む」というキャッチコピーが添えられ、話題を呼んだ。

議員としての康彦は、決して派手ではなかったが、地道な努力と誠実な姿勢が市民の心を打ち、再選時には圧倒的な得票数で勝利を収めた。心平はその結果を聞いて、「康彦は、ほんまに広島の宝じゃのう」と笑顔で語った。桔平の店内でも、従業員たちが「康彦さん、やっぱりすごいですね」と誇らしげに話していた。

任期中、康彦は寅之助との関係も修復し、顧問として市政に助言を求める場面もあった。かつての葛藤を乗り越え、今では桔平の社員として地域に貢献する姿に、心平も胸を熱くした。寅之助は「康彦は、心平に育てられた男じゃけぇ、信用できる」と語り、地域の人々にも安心感を与えていた。

康彦の市議としての活躍は、広島市の未来に確かな光をあてていた。その灯は、静かに、しかし力強く街の隅々に広がり、人々の心に希望をともしていた。

康彦は、議会外でも地域の声に耳を傾けることを忘れなかった。休日には地元の商店街を歩き、店主たちと雑談を交わしながら現場の課題を吸い上げた。子育て世代の母親たちからは「ベビーカーでも通れる道がもっと欲しい」といった声が寄せられ、康彦は即座に市の担当部署と連携を取り、改善に向けた動きを始めた。

その姿勢に、心平は「康彦は、ほんまに市民の味方じゃ」と改めて信頼を深めた。康彦の誠実な灯は、広島の街に静かに、しかし確かにともされ続けていた。

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