はぐれオーガさん本気だす

KMR

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オーガさん、魔女を付き従える

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「なぜ、私達魔女を保護したのですか?」

6人の魔女の内の一人がグランツに質問する。

「心が壊れている方が同じ人間相手にも冷徹に成れるからな。知っているか、世に存在する拷問官は大体が年をとった婆さんらしいぞ?何でも、もう心が枯れているから狂ったりない上、拷問をしている最中に情や罪悪感が生まれにくい為、冷徹になりきれるからだそうだ」

魔女達は少し安心した。グランツがちゃんとした利用目的を明示してくれたからだ。
『気まぐれで取って食われる訳じゃない。必要だから生かして貰ってるんだ』
そう思える事で、これからグランツの利用目的に添って行動出来るようになった。

「それともう一つ。女は男の懐に入り易いってのがある」

「…それが何故私達の利用目的に?」

「女ってのは怖いもんでなぁ。男が必死になって築き上げた地位にすんなりと入り込める。『女性』という性別。これは最強にして男には防ぐ事の出来ない必殺の武器になる」

グランツは知っていた。ベットの中での女と母親の『お年玉預かっておくね』は信用してはならない事を。

グランツも何度か娼婦に痛い目を見させられている。魔王より強い上、近衛騎士団長という地位を築いたグランツがだ。

「そこでおまえ等には都市部で人間共を管理してもらう。おまえ等をただの道具として扱ってきた男を、汚らわしい。と石を投げつけてきた女を。全てをおまえ等の意のままに操れ」

グランツは続ける

「腐った貴族や王は俺が引きずり落とす。おまえ等は何の心配もしなくていい。国を管理して魔王領の発展に努めるんだ、いいな?」

魔女達は大きく頷く。目に輝きは無い。

「冷徹になれ、人間をゴミのように扱え。親を親と思うな。おまえ等は言うなれば選ばれし者だ」

魔女達はそこで色めき立ちはしなかった。淡々と人間に対する憎悪を深め、煮詰める。

(笑いもしない。泣きもしない。ただ光の失った虚ろな目で轢死した魔女狩りの男の死体を見つめている…。これは使えるぞ。ここまで憎悪が強ければ、もしかするとサキュバスとして転生させれるかもしれない


グランツはニヤリと口角を上げる。

「そんな死体にもう用はないだろ。さぁ都市部へ向かうぞ」

「「はい!」」

二人分の声しか聞こえてこなかった

「二人だけしか賛成しないのか?」

グランツが振り返ると、4人の魔女が口を大きく開けていた

「?」

「この人達はショックで声が出なくなっていると思われます。私の母もそうだったと聞き及んでいましたから」

一人の魔女が4人の前に立ちグランツへ説明する

「そうか。それは悪い事をしたな、今度からは頷くか手を叩いてくれればいい」

魔女達は驚いた。まさか魔物がそんな事をいい、ましては謝罪をするなんて思いもしなかったからだ。そして魔女達は更に人間へ対する憎悪を膨らませた。

グランツに忠誠を誓い、必ずや期待に沿えるよう努力しようと決意した。

(こうやって謝罪の体裁をとるだけで従順になるんだから扱いやすいよなぁ)
「よし、じゃあ都市部への道案内を頼みたい。誰か地図に明るい者はいるか?」

魔女の一人が手を上げる

「じゃあ、先導を頼む。危険は俺が排除するから迷わず最短距離を行ってくれ」

魔女はコクリと頷き街道をショートカットしながら進む。

「グランツ様。この先は盗賊の塒があり商人や兵士の遠征隊も通らない道ですが…」

「俺が負ける訳ない。安心して俺の背中に隠れていろ。死なせない」
(おまえ等が死んだらまた一から魔女を探して都市部へ戻って。を繰り返さないとならないからな)

「おまえ等に代わりは(今のところ)いないんだからな」

グランツはそう答えて、正面へ振り返る瞬間、魔女達の目に涙のようなものが見えた。

  

(……ちょっろ)







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