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13話
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遼は、昨夜の出来事を一晩中悔やんでいた。すぐに弁明すればよかった、統のトラウマを考えれば「事故」などという曖昧な言葉を選ぶべきではなかった、と。今すぐ統に会って、全てを話したい。だけど何度連絡したって既読すらつかなくて絶望する。
『少しでいいから。』『電話だけでもいいから。』そう何度も送っても返ってくる事はなかった。電話をかけても繋がることはなく、気づくと『おかけになった電話は、電源が入っていないか、電波の届かない場所にいるためかかりません。』と言われるようになった。
どうしようか悩んでいるとスマホに櫂さんから電話がかかってくる。
「遼、おはよう。今大丈夫?」
「大丈夫ですよ。どうしました?」
そう言うと櫂から出た言葉は驚くものだった。
『統くんヒート来てるらしいけど大丈夫そう?』
寝耳に水過ぎてびっくりした。こんな大変な時になんで電源なんか切ってんだよ!
と思わず怒りそうになるのを抑えながら事情を知らなかった俺にびっくりしながら『早く行ってあげな』と言って電話を切った。
(どうして、どうして言ってくれなかったんだ)
そう責めそうになってやめた。こうなったのも全て他のΩの匂いを落とせなかった俺の過ちなのだから。
早く早くと急いで車を統の家まで走らせる。
慌ててインターホンを押すが出ない。遼は何かあった時のためにと渡されていた合鍵で家に入った。
リビングに入った瞬間、遼は言葉を失う。
強烈なヒートのフェロモンの匂いに驚愕する。それは理性を焼き尽くすほどの甘さと熱量を帯びていた。
「統!?」
統がリビングに居ないのを見て辺りを見回す。ソファで倒れてないか、浴室で寝てないか。だけど寝室側から強いスズランの匂いが漂ってきた。
遼は、寝室前の扉に立つ。ドアを開けようとすると中から話し声が聞こえてきた。
(俺の連絡はガン無視のくせに誰と話してるんだ?櫂さんか…?)
扉を少し開け中を窺う。すると、ベッドの上に座り込み、赤い顔をしてスマホを耳に当てている統を見つける。耳を澄ませると、統が口にした相手の名前が、遼の耳に届いた。
「..でも藤堂さん...」
そこで出た『藤堂』という言葉に思わず全身の血流が早くなる感覚がした。
嫉妬、怒り、絶望、焦燥。なんで俺がいるのに。どうして俺以外と?そんなに俺が嫌なのか。俺はお前のパートナーじゃなかったのか。どうして、どうして…。
一瞬で頭の中がいっぱいになった。
昨夜、自分に裏切られたと絶望した統が今、自分以外のα、しかも自分が最近嫉妬した相手である藤堂に助けを求めている。この事実は、遼の理性の最後の防波堤を一気に決壊させた。
遼は統の発する言葉を聞く前に慌てて寝室に入り、遼は怒りを抑えきれずに叫んだ。
「 統…!!」
遼は、統の手からスマホを奪い取り、通話を代わる。
「藤堂さん。来なくて結構です、俺がいるんで。」
そう言って返事を聞く前に切る。
「統、どういう事か説明してくれるよな?」
遼は光のない瞳でこちらを見つめてくる。
いつもと違う遼の様子に統は思わずずり下がる。遼の裏切りに失望していた自分がいたはずなのに、今は目の前のαに縋りつきたくなる気持ちがたくさんでそれを表に出さないように顔を斜めに逸らす。
そんな統の行動に隠すことなく顔をこわばらせる。
(もう、話さえしてくれないのか……)
統の身体を守る行動だった筈が遼にとってそれは拒絶の反応でしかなかった。
遼の中の失望、絶望、それから生まれたのは怒りだった。
「何故ヒートの事を言わなかったんだ?メッセージも電話も何回もしたはずだけど、俺より藤堂さんのこと好きになったの?俺は昨日からずっと昨夜の誤解を解きたかったのに...」
どろり、とした感情がどんどんと遼の心を蝕む。今まで必死に守ってきたαの矜持が激しく揺れ、『他のαに奪われるぐらいなら番にしたほうがいい。』そんな考えが生まれて来てしまった。
『少しでいいから。』『電話だけでもいいから。』そう何度も送っても返ってくる事はなかった。電話をかけても繋がることはなく、気づくと『おかけになった電話は、電源が入っていないか、電波の届かない場所にいるためかかりません。』と言われるようになった。
どうしようか悩んでいるとスマホに櫂さんから電話がかかってくる。
「遼、おはよう。今大丈夫?」
「大丈夫ですよ。どうしました?」
そう言うと櫂から出た言葉は驚くものだった。
『統くんヒート来てるらしいけど大丈夫そう?』
寝耳に水過ぎてびっくりした。こんな大変な時になんで電源なんか切ってんだよ!
と思わず怒りそうになるのを抑えながら事情を知らなかった俺にびっくりしながら『早く行ってあげな』と言って電話を切った。
(どうして、どうして言ってくれなかったんだ)
そう責めそうになってやめた。こうなったのも全て他のΩの匂いを落とせなかった俺の過ちなのだから。
早く早くと急いで車を統の家まで走らせる。
慌ててインターホンを押すが出ない。遼は何かあった時のためにと渡されていた合鍵で家に入った。
リビングに入った瞬間、遼は言葉を失う。
強烈なヒートのフェロモンの匂いに驚愕する。それは理性を焼き尽くすほどの甘さと熱量を帯びていた。
「統!?」
統がリビングに居ないのを見て辺りを見回す。ソファで倒れてないか、浴室で寝てないか。だけど寝室側から強いスズランの匂いが漂ってきた。
遼は、寝室前の扉に立つ。ドアを開けようとすると中から話し声が聞こえてきた。
(俺の連絡はガン無視のくせに誰と話してるんだ?櫂さんか…?)
扉を少し開け中を窺う。すると、ベッドの上に座り込み、赤い顔をしてスマホを耳に当てている統を見つける。耳を澄ませると、統が口にした相手の名前が、遼の耳に届いた。
「..でも藤堂さん...」
そこで出た『藤堂』という言葉に思わず全身の血流が早くなる感覚がした。
嫉妬、怒り、絶望、焦燥。なんで俺がいるのに。どうして俺以外と?そんなに俺が嫌なのか。俺はお前のパートナーじゃなかったのか。どうして、どうして…。
一瞬で頭の中がいっぱいになった。
昨夜、自分に裏切られたと絶望した統が今、自分以外のα、しかも自分が最近嫉妬した相手である藤堂に助けを求めている。この事実は、遼の理性の最後の防波堤を一気に決壊させた。
遼は統の発する言葉を聞く前に慌てて寝室に入り、遼は怒りを抑えきれずに叫んだ。
「 統…!!」
遼は、統の手からスマホを奪い取り、通話を代わる。
「藤堂さん。来なくて結構です、俺がいるんで。」
そう言って返事を聞く前に切る。
「統、どういう事か説明してくれるよな?」
遼は光のない瞳でこちらを見つめてくる。
いつもと違う遼の様子に統は思わずずり下がる。遼の裏切りに失望していた自分がいたはずなのに、今は目の前のαに縋りつきたくなる気持ちがたくさんでそれを表に出さないように顔を斜めに逸らす。
そんな統の行動に隠すことなく顔をこわばらせる。
(もう、話さえしてくれないのか……)
統の身体を守る行動だった筈が遼にとってそれは拒絶の反応でしかなかった。
遼の中の失望、絶望、それから生まれたのは怒りだった。
「何故ヒートの事を言わなかったんだ?メッセージも電話も何回もしたはずだけど、俺より藤堂さんのこと好きになったの?俺は昨日からずっと昨夜の誤解を解きたかったのに...」
どろり、とした感情がどんどんと遼の心を蝕む。今まで必死に守ってきたαの矜持が激しく揺れ、『他のαに奪われるぐらいなら番にしたほうがいい。』そんな考えが生まれて来てしまった。
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