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目覚めと、自覚と、狙う者
現れし者
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梨壺のあたりまでやってくると、さすがに人影は見当たらない。
代わりに、人ならざるものが沢山いる。
多くは外のないもの達のものだが、梨壺の殿舎の周りの空気は確かにおかしい。
渡殿に足を踏み入れ、そして祝詞を紡ぐ。
私が歩くたび、小さく光が当たりを包む。そしてふわりふわりと風が舞う。
殿舎の中に入るとそのおかしな空気の濃さは増す。
印を結び、空気を中から外へと押し出す。
朱桜が言っていた通り、物理的な何かがあるわけではない。
「・・・・我、守護は光とならん。」
そう呟けば、私を中心にいる殿舎全体に光が包まれていく。
これで息苦しさは解決しただろう。
“・・・見つけた・・・・・。“
そう、声が頭に響いた。
「菊華!!!!」
声が聞こえると同時に私の体が風を切り、ガタンと大きな音が響き気がついたら庭に出ていた。
そして、体を抱え込むのは、長髪に花のかんざしを挿した美丈夫。
しかし、浮かべる笑みは暗く、ぞわりと鳥肌立つ。
「見つけた。我の花嫁。尊き血を引く姫君。神と上の血を引く稀なる娘。」
グッと抱き寄せられた腰は離れるはずもなくしっかりと固定されている。
「ひぃさま!!」
私の異常事態に気がついた、青龍と朱雀が一気に間合いを詰め男に攻撃を仕掛けると同時に、男から私の体を引き離し、青龍の腕に抱き止められた。
「お前は誰だ?」
「護衛は相変わらず、姫の周りには多くいる。多くの守護神達が・・・・・。まぁ良い。我が名は絢音。また会おうぞ、我が花嫁。」
冷たい笑みを浮かべた男は、その場から一瞬にして姿を消した。
一瞬朱雀達の攻撃を避けるために放たれた力は霊力。
それも相当強いと思う。
ぎゅっと青龍の衣を握り締め、すり寄るようにその体温を求める。
生理的に受け付けないとは、まさにあの男のようなモノをいう。
浅くなった呼吸をゆっくりと落ち着かせると、梨壺の中に戻った。
殿舎内は調度品が倒れ、鎌鼬でも起きたような惨状で春宮さまがその中心に倒れていた。
「宮さま!!春仁さま!!」
慌てて駆け寄り状況を確認する。
幸いにも気を失っているだけで、頭は動かさないように、倒れた調度品などは式に片付けてもらう。
再度、場を清める。
茵に春宮さまを移動させてもらって、袿をかけ春宮さまの傍で見守る。
雪華に医師を呼びに行ってもらい一応診察もしてもらった。
〈青にぃ。あの男、黒ずくめ影たちと同じ力を感じたのだけれど〉
〈あの男が黒ずくめの影を使役しているのだろう〉
〈花嫁っていうのが気になる。〉
〈その辺りは我らも分からぬ。だが、ひぃさまの力、血筋について見抜いていた。〉
〈しばらくは警戒が必要ってことね。〉
春宮さまの顔を見ながら嘆息する。
主上へは、先ほど雪華に再度お使いに行ってもらって現状を伝えている。
今夜は私も傍に控えることに。
あの絢音と名乗った男。
とりあえずあの男はいない。そしてあの力。
まだ均衡は保っているが、いつ闇の力が増すかわからない。
そして、花嫁とハッキリ呼んだのだ。私の事を。
この時代では、異物でしかない私の事を。
その辺りも踏まえて色々と考えなくてはならない。
あの男は危険でしかないと、私の本能が訴えている。
ならばそれに従うまでだ。
目を閉じ春宮さまの頬をなで、ふっと息を吐く。
呪いをして、主上への報告と共に晴明さまに出した式の返事を待つことにした。
もちろん、朱桜にはあの男について探るように命じた。
私の傍には、青にぃと雪華が控えてくれている。
今はまだ、大丈夫だ。
そう、自分に言い聞かせながら。
代わりに、人ならざるものが沢山いる。
多くは外のないもの達のものだが、梨壺の殿舎の周りの空気は確かにおかしい。
渡殿に足を踏み入れ、そして祝詞を紡ぐ。
私が歩くたび、小さく光が当たりを包む。そしてふわりふわりと風が舞う。
殿舎の中に入るとそのおかしな空気の濃さは増す。
印を結び、空気を中から外へと押し出す。
朱桜が言っていた通り、物理的な何かがあるわけではない。
「・・・・我、守護は光とならん。」
そう呟けば、私を中心にいる殿舎全体に光が包まれていく。
これで息苦しさは解決しただろう。
“・・・見つけた・・・・・。“
そう、声が頭に響いた。
「菊華!!!!」
声が聞こえると同時に私の体が風を切り、ガタンと大きな音が響き気がついたら庭に出ていた。
そして、体を抱え込むのは、長髪に花のかんざしを挿した美丈夫。
しかし、浮かべる笑みは暗く、ぞわりと鳥肌立つ。
「見つけた。我の花嫁。尊き血を引く姫君。神と上の血を引く稀なる娘。」
グッと抱き寄せられた腰は離れるはずもなくしっかりと固定されている。
「ひぃさま!!」
私の異常事態に気がついた、青龍と朱雀が一気に間合いを詰め男に攻撃を仕掛けると同時に、男から私の体を引き離し、青龍の腕に抱き止められた。
「お前は誰だ?」
「護衛は相変わらず、姫の周りには多くいる。多くの守護神達が・・・・・。まぁ良い。我が名は絢音。また会おうぞ、我が花嫁。」
冷たい笑みを浮かべた男は、その場から一瞬にして姿を消した。
一瞬朱雀達の攻撃を避けるために放たれた力は霊力。
それも相当強いと思う。
ぎゅっと青龍の衣を握り締め、すり寄るようにその体温を求める。
生理的に受け付けないとは、まさにあの男のようなモノをいう。
浅くなった呼吸をゆっくりと落ち着かせると、梨壺の中に戻った。
殿舎内は調度品が倒れ、鎌鼬でも起きたような惨状で春宮さまがその中心に倒れていた。
「宮さま!!春仁さま!!」
慌てて駆け寄り状況を確認する。
幸いにも気を失っているだけで、頭は動かさないように、倒れた調度品などは式に片付けてもらう。
再度、場を清める。
茵に春宮さまを移動させてもらって、袿をかけ春宮さまの傍で見守る。
雪華に医師を呼びに行ってもらい一応診察もしてもらった。
〈青にぃ。あの男、黒ずくめ影たちと同じ力を感じたのだけれど〉
〈あの男が黒ずくめの影を使役しているのだろう〉
〈花嫁っていうのが気になる。〉
〈その辺りは我らも分からぬ。だが、ひぃさまの力、血筋について見抜いていた。〉
〈しばらくは警戒が必要ってことね。〉
春宮さまの顔を見ながら嘆息する。
主上へは、先ほど雪華に再度お使いに行ってもらって現状を伝えている。
今夜は私も傍に控えることに。
あの絢音と名乗った男。
とりあえずあの男はいない。そしてあの力。
まだ均衡は保っているが、いつ闇の力が増すかわからない。
そして、花嫁とハッキリ呼んだのだ。私の事を。
この時代では、異物でしかない私の事を。
その辺りも踏まえて色々と考えなくてはならない。
あの男は危険でしかないと、私の本能が訴えている。
ならばそれに従うまでだ。
目を閉じ春宮さまの頬をなで、ふっと息を吐く。
呪いをして、主上への報告と共に晴明さまに出した式の返事を待つことにした。
もちろん、朱桜にはあの男について探るように命じた。
私の傍には、青にぃと雪華が控えてくれている。
今はまだ、大丈夫だ。
そう、自分に言い聞かせながら。
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