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第1幕 桜と紫苑
第12話 窓は出入口じゃありません
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23時58分。約束の時間まで後2分…。紫苑は、落ち着かず、部屋の中をグルグルと右に左にとウロウロしていた。
「……あと2分…。はぁ……本当に逢えるのかな…。噂は1人歩きするものって言うし…騙されてたらどうしよう。。はぁ……。騙されてるかもしれないっていうのに、お化粧までして…私、ばかみたい…。でも、もし…もしも優人に逢えたら……。」
不安と期待がごちゃ混ぜになっていて、どうにも落ち着かない…。
ふと、視界の端の窓に何かが映った気がした。
「こんばんはー!今日のお客様は、お姉さん?」
窓から勢いよく現れたのは、
紫苑「きゃぁっ!何!誰っ!?」
妖精(ラ):むぅ…。こーんなに可愛い私(僕)をみて、叫ぶだなんて、し・つ・れ・いー。お客様じゃなかったら、お姉さんの糸、モルタにお願いして切ってもらうのに!
紫苑「急に目の前に、未確認生物が現れたら誰だって叫ぶでしょ!ていうか貴方、可愛い顔して随分物騒なこと言うのね…」
妖精(ラ):私(僕)が可愛いのは当然でしょっ!さぁ、お姉さん、準備はいーい?私(僕)が合図したら、そこの窓から外に出るよー?あ、ちゃーんと、そのお花は持っててね?
紫苑「ここ、3階よ?窓から出たら死ぬわよ………」
妖精(ラ):窓が入口だからだいじょーぶ!それじゃぁ、3、2、1、行くよっ!
紫苑「え、ちょっ、まっ、窓は出入口じゃな…………あれ?」
妖精(ラ):ね?大丈夫だったでしょ?ここは、お店の前だよー。さぁ、中に入ろー?
紫苑「お、落ちるかと思った……もうちょっと、ちゃんとした説明と心の準備をする時間をとったほうがいいわよ………」
妖精(ラ):えー、面倒くさいー。それに、私(僕)は早く主様に会いたいし。
紫苑「私に説明した人?も言ってたけど…主様って?」
妖精(ラ):私(僕)達の主様が楓の店主だよー。
私(僕)達は、ウィルムンク。んーっと、絆の妖精だよー。クロートが運命の糸を紡ぐもの、私(僕)が運命を割り当てるもの、モルタが運命の糸を断つもの。つまり、クロートがきっかけをつくって、私(僕)が2人を出逢わせて、モルタがそれを切る役割ー。3人で1つなんだよー。
紫苑「…へぇ。じゃあ、その…主様?っていう人は何をするの?」
そう言った瞬間、ラケシスさんの雰囲気が変わった。
冷たいというかなんというか、少しの苛立ちと寂しさを纏わせた雰囲気…。
「………主様は、トクベツなの。さぁ、主様が待ってるから、中に入るよー?」
主様は、トクベツなお人。ずっとずっと、1人で耐えてる…。何も知らないくせに何もしてないみたいに言わないで………。早く主様のお顔がみたい…。主様にくっつきたい…撫でて欲しい……。
「え?ちょっと!前半聞き取れなかったし、その…心の準備ってものがっ」
ラケシスさんは、私のことなどお構い無しに、「ただいまー!」と、勢いよく扉を開けた。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
お久しぶです。
本日より、投稿を再開致します。
ただ私生活が忙しいため、毎日投稿とはいかず、ゆっくりの投稿になります。
気長にお待ちいただけると幸いです。
「……あと2分…。はぁ……本当に逢えるのかな…。噂は1人歩きするものって言うし…騙されてたらどうしよう。。はぁ……。騙されてるかもしれないっていうのに、お化粧までして…私、ばかみたい…。でも、もし…もしも優人に逢えたら……。」
不安と期待がごちゃ混ぜになっていて、どうにも落ち着かない…。
ふと、視界の端の窓に何かが映った気がした。
「こんばんはー!今日のお客様は、お姉さん?」
窓から勢いよく現れたのは、
紫苑「きゃぁっ!何!誰っ!?」
妖精(ラ):むぅ…。こーんなに可愛い私(僕)をみて、叫ぶだなんて、し・つ・れ・いー。お客様じゃなかったら、お姉さんの糸、モルタにお願いして切ってもらうのに!
紫苑「急に目の前に、未確認生物が現れたら誰だって叫ぶでしょ!ていうか貴方、可愛い顔して随分物騒なこと言うのね…」
妖精(ラ):私(僕)が可愛いのは当然でしょっ!さぁ、お姉さん、準備はいーい?私(僕)が合図したら、そこの窓から外に出るよー?あ、ちゃーんと、そのお花は持っててね?
紫苑「ここ、3階よ?窓から出たら死ぬわよ………」
妖精(ラ):窓が入口だからだいじょーぶ!それじゃぁ、3、2、1、行くよっ!
紫苑「え、ちょっ、まっ、窓は出入口じゃな…………あれ?」
妖精(ラ):ね?大丈夫だったでしょ?ここは、お店の前だよー。さぁ、中に入ろー?
紫苑「お、落ちるかと思った……もうちょっと、ちゃんとした説明と心の準備をする時間をとったほうがいいわよ………」
妖精(ラ):えー、面倒くさいー。それに、私(僕)は早く主様に会いたいし。
紫苑「私に説明した人?も言ってたけど…主様って?」
妖精(ラ):私(僕)達の主様が楓の店主だよー。
私(僕)達は、ウィルムンク。んーっと、絆の妖精だよー。クロートが運命の糸を紡ぐもの、私(僕)が運命を割り当てるもの、モルタが運命の糸を断つもの。つまり、クロートがきっかけをつくって、私(僕)が2人を出逢わせて、モルタがそれを切る役割ー。3人で1つなんだよー。
紫苑「…へぇ。じゃあ、その…主様?っていう人は何をするの?」
そう言った瞬間、ラケシスさんの雰囲気が変わった。
冷たいというかなんというか、少しの苛立ちと寂しさを纏わせた雰囲気…。
「………主様は、トクベツなの。さぁ、主様が待ってるから、中に入るよー?」
主様は、トクベツなお人。ずっとずっと、1人で耐えてる…。何も知らないくせに何もしてないみたいに言わないで………。早く主様のお顔がみたい…。主様にくっつきたい…撫でて欲しい……。
「え?ちょっと!前半聞き取れなかったし、その…心の準備ってものがっ」
ラケシスさんは、私のことなどお構い無しに、「ただいまー!」と、勢いよく扉を開けた。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
お久しぶです。
本日より、投稿を再開致します。
ただ私生活が忙しいため、毎日投稿とはいかず、ゆっくりの投稿になります。
気長にお待ちいただけると幸いです。
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