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ようやく、ヒートが落ち着いてきた。
熱に浮かされていた頭が、少しずつ冷えていく。身体の奥に残る火照りも、じわじわと引いていくのがわかる。
アパートの空気は静かで、カーテンの隙間から差し込む夕暮れの光が、部屋の中をやわらかく染めていた。
晴臣は、ずっと壮士のそばにいてくれた。
水分をこまめに補給させてくれて、おかゆを温めてくれて、冷えたタオルを取り替えてくれて――まるで介護のようだった。
時折、ふらつく身体を支えるように、逞しい腕で抱きとめられた。熱に浮かされて泣きそうになったときは、そっと頭を撫でてくれた。
けれど、それ以上を求められることはなかった。
触れられることも、求められることもなくて。
それが、なんだか――肩透かしのようだった。
ヒートの最中、何度も名前を呼んだ。雅人の名前を。自分でも止められなかった。
「雅人…まさと…っ!
晴臣はただ、静かに受け止めてくれた。
「雅人……ヤダ……!」
「おい、朝永、どうした?」
「お願い……やめて……っ」
壮士の目から涙がポロポロとこぼれる。頬を伝い、枕を濡らす。壮士は苦しそうに眉を寄せ、震える手で首元を覆った。
「噛んじゃダメェ……!」
首には、Ω専用のカラーがしっかりと巻かれている。それでも、壮士はその上から項を守るように手を重ねる。まるで、過去の痛みが蘇っているかのように。
晴臣は、そっとベッドの縁に腰を下ろし、壮士の頭を優しく撫でた。
「朝永……大丈夫。大丈夫だ」
宥めるように、静かに言葉を重ねる。
「ひっ……」
壮士の身体がびくりと震える。けれど、逃げようとはしなかった。
「噛まないから……。安心しろ……」
晴臣の声は、低く、穏やかだった。
壮士の髪を撫でながら、熱に浮かされた彼の呼吸を感じる。その胸の上下が、少しずつ落ち着いていくのを待つ。
晴臣は、壮士の手をそっと握りながら、ただ静かに寄り添っていた。
*
熱が引いて、ようやくまともに会話ができるようになった頃。晴臣は、ぽつりと口を開いた。
「……雅人ってやつとは、どういう関係なんだ?」
壮士は、少しだけ目を伏せて、枕に顔を埋めた。
「……別に、なんでもねえ……」
そう答えるのが精一杯だった。
嘘じゃない。でも、全部でもない。
好きだった。今も。でも、それはもう、どうにもならないことだ。
晴臣は、それ以上何も言わずに、ただそっと壮士の髪を撫でた。
その手のひらの温もりが、じんわりと心に染みていく。
部屋の灯りは落とされていて、カーテンの隙間から漏れる街灯の光が、ベッドの縁をぼんやり照らしていた。
しばらく沈黙が続く。もう眠ったのかと思い、晴臣も目を閉じかけたそのとき――
「……雅人とは、何もない……」
壮士の声が、ベッドの中から小さく漏れた。
「……」
言葉を待つと、壮士はぽつりと続けた。
「……俺が、悪いんだ……」
「……どうしてだ?」
晴臣が問い返すと、壮士は唇を噛みながら、震える声で言った。
「俺のヒートにあてられて……雅人を、強制的に発情させちまった……俺が悪いんだ……」
その言葉は、まるで自分を罰するようだった。
壮士の瞳に涙が滲む。過去の記憶が、フラッシュバックしそうだ。
晴臣は、壮士を抱きしめた。
「お前は何も悪くない……」
晴臣の声は、静かで、優しかった。
発情期はΩの身体の特性だ。特に若い頃は、周期がずれたり、抑制剤が効きにくくなったりすることもある。壮士が悪いわけではない。雅人も、何も悪くない。
それでも、壮士はずっと自分を責めていた。
「……朝永は、雅人ってやつが、好きなんじゃないのか……?」
問いかけると、壮士は思いのほか素直に答えた。
「好きだよ……」
その言葉は、まっすぐだった。けれど、すぐに続いた言葉は、痛みを含んでいた。
「でもオレじゃダメだ」
「どうしてだ……?」
晴臣が静かに尋ねると、壮士は唇を噛んで、目を伏せた。
「こんな男のΩなんかが、番になれるわけないだろ……」
「Ωなら番になれるだろう……?」
晴臣の言葉に、壮士は首を振った。
「……男のΩは妊娠率が低いんだ。……Ωの役目は子どもを産むことなのに、それすらも満足にできねぇ、役立たずだ……」
声は、消え入りそうに小さい。
「俺は、雅人の傍にいない方がいい……。もし間違って番ってしまったら、雅人の将来の、ジャマになる……」
その言葉は、壮士の胸の奥から絞り出されたものだった。
「だから……拒んだのか……?」
壮士は、枕に顔を半分埋めたまま、目を逸らして答えた。
「……さあ」
曖昧な返事。けれど、その声には、どこか苦いものが滲んでいた。
「俺も、好きな人がいるんだ…」
そういった晴臣に、壮士は少し目を見開いた。
「……関谷さんという先輩が、俺の憧れだった」
晴臣は、ぽつりとそう言った。壮士は、黙って聞いている。
「中学の頃……まだ、自分がαだってことも、関谷さんがΩだってことも知らなかった。ただ、いつもいい匂いがするなって思ってた」
晴臣の声は、淡々としていた。
「ある日、関谷さんの匂いが、いつもと違ってた。今思えば……あれは、他のαの匂いだったんだと思う。誰かが、マーキングしたんだ…」
壮士は、息を呑んだ。
「その匂いを感じた瞬間……バチンって、頭の中でスイッチが入ったみたいに、身体が、勝手に動いた」
晴臣は、拳を握りしめた。
「関谷さんは苦しそうに、辛そうにしていたのに……でも、俺は止まれなかった」
壮士は、言葉を失った。
「本能が叫んでたんだ。『このΩは俺のものだ』って。『誰にも渡さない』って。関谷さんの首にはカラーがついてたから番にはならなかった。でも、俺は……首の周りや肩に、何度も噛みついた」
晴臣の声は、震えていた。
「関谷さんは、ただ必死に耐えてた。俺が正気に戻ったとき……目の前にあったのは、ひどい光景だった」
晴臣は、思い出すように、ゆっくりと語った。
「とにかく謝るしかなかった。でも、関谷さんは少し笑って『大丈夫だから』と言ってくれた。辛いのは、痛いのは、関谷さんなのに……俺が動揺してるのに、関谷さんの方が落ち着いてて……優しくて……」
「うん…」
壮士は、胸が締めつけられるような思いで、晴臣の言葉を聞いていた。
「その後も、関谷さんは変わらず接してくれた。でも……俺の方が、怖くて近づけなかった。また、傷つけてしまうんじゃないかって。酷いことをしてしまうんじゃないかって。大切で尊敬する人なのに……本能が抑えられるかわからなかった」
「……」
「検査でαだと診断されてから……毎日、α用の抑制剤を飲んでる。もう、誰も傷つけないように」
壮士は、何も言えず、ただ、晴臣の横顔を見つめていた。
「あの人からとにかく離れなきゃと思って、進学を機に離れた。でも、離れてから、気づいたんだ。……俺、あの人のことが好きだったんだって」
その言葉は、淡々としていた。でも、どこか切なさが滲んでいた。
「でも、それでよかったんだ。今、その人には番がいる。……まあ、気づいたところで告白する気なんてなかったけどな」
晴臣は、はは、と笑った。
その笑いは、どこか空っぽだった。
「俺は、とても臆病だ。今もそうだ……」
泣いてはいない。けれど、泣いているように見えた。
壮士は、心臓がぎゅうっと締め付けられるような感覚に襲われた。
「あの人が幸せでいてくれれば、それでいい。ずっと、幸せでいてほしい……」
晴臣の声が、静かに、深く響く。
その言葉の裏にあるものを、壮士は痛いほど理解していた。
この胸のうちにあるものを、さらけ出すことはできない。
絶対に、悟られてはいけない。
いっそ全部ぶちまけられたら、楽になれるかもしれない。
でも、そのあとにはきっと地獄が待っている。
壮士は、晴臣の横顔を見つめながら、ふと思った。
――だから、こいつは俺に話したのかもしれない。
同じように、叶わない想いを抱えて。
同じように、誰かを守るために、自分を引き下がらせて。
同じように、誰にも言えない痛みを抱えて。
そして、晴臣がぽつりと呟いた。
「朝永が、もし嫌じゃなかったら……これからも、ヒートのとき一緒にいさせてほしい」
その言葉に、壮士はゆっくりと顔を向けた。
晴臣の表情は、真剣だった。冗談でも、気まぐれでもない。静かに、でも確かに、壮士に向けられた願いだった。
「……」
すぐには返事ができなかった。
ヒートのとき、晴臣は何も求めなかった。ただそばにいて、水を飲ませてくれて、髪を撫でてくれて、抱きしめてくれた。
それだけだった。
「傷つけるようなことは、何もしないから……」
晴臣の声は、少しだけ震えていた。
壮士は、目を伏せて、布団の端を握った。
「……いいけど……」
それが、精一杯だった。
晴臣は、ふっと息を吐いて、微笑んだ。
「お前は優しいな…」
その言葉が、妙に胸に響いた。
この関係が、壮士にとってどうなるのかは、よくわからなかった。
ただ、今は、彼のぬくもりに安心していた。
熱に浮かされていた頭が、少しずつ冷えていく。身体の奥に残る火照りも、じわじわと引いていくのがわかる。
アパートの空気は静かで、カーテンの隙間から差し込む夕暮れの光が、部屋の中をやわらかく染めていた。
晴臣は、ずっと壮士のそばにいてくれた。
水分をこまめに補給させてくれて、おかゆを温めてくれて、冷えたタオルを取り替えてくれて――まるで介護のようだった。
時折、ふらつく身体を支えるように、逞しい腕で抱きとめられた。熱に浮かされて泣きそうになったときは、そっと頭を撫でてくれた。
けれど、それ以上を求められることはなかった。
触れられることも、求められることもなくて。
それが、なんだか――肩透かしのようだった。
ヒートの最中、何度も名前を呼んだ。雅人の名前を。自分でも止められなかった。
「雅人…まさと…っ!
晴臣はただ、静かに受け止めてくれた。
「雅人……ヤダ……!」
「おい、朝永、どうした?」
「お願い……やめて……っ」
壮士の目から涙がポロポロとこぼれる。頬を伝い、枕を濡らす。壮士は苦しそうに眉を寄せ、震える手で首元を覆った。
「噛んじゃダメェ……!」
首には、Ω専用のカラーがしっかりと巻かれている。それでも、壮士はその上から項を守るように手を重ねる。まるで、過去の痛みが蘇っているかのように。
晴臣は、そっとベッドの縁に腰を下ろし、壮士の頭を優しく撫でた。
「朝永……大丈夫。大丈夫だ」
宥めるように、静かに言葉を重ねる。
「ひっ……」
壮士の身体がびくりと震える。けれど、逃げようとはしなかった。
「噛まないから……。安心しろ……」
晴臣の声は、低く、穏やかだった。
壮士の髪を撫でながら、熱に浮かされた彼の呼吸を感じる。その胸の上下が、少しずつ落ち着いていくのを待つ。
晴臣は、壮士の手をそっと握りながら、ただ静かに寄り添っていた。
*
熱が引いて、ようやくまともに会話ができるようになった頃。晴臣は、ぽつりと口を開いた。
「……雅人ってやつとは、どういう関係なんだ?」
壮士は、少しだけ目を伏せて、枕に顔を埋めた。
「……別に、なんでもねえ……」
そう答えるのが精一杯だった。
嘘じゃない。でも、全部でもない。
好きだった。今も。でも、それはもう、どうにもならないことだ。
晴臣は、それ以上何も言わずに、ただそっと壮士の髪を撫でた。
その手のひらの温もりが、じんわりと心に染みていく。
部屋の灯りは落とされていて、カーテンの隙間から漏れる街灯の光が、ベッドの縁をぼんやり照らしていた。
しばらく沈黙が続く。もう眠ったのかと思い、晴臣も目を閉じかけたそのとき――
「……雅人とは、何もない……」
壮士の声が、ベッドの中から小さく漏れた。
「……」
言葉を待つと、壮士はぽつりと続けた。
「……俺が、悪いんだ……」
「……どうしてだ?」
晴臣が問い返すと、壮士は唇を噛みながら、震える声で言った。
「俺のヒートにあてられて……雅人を、強制的に発情させちまった……俺が悪いんだ……」
その言葉は、まるで自分を罰するようだった。
壮士の瞳に涙が滲む。過去の記憶が、フラッシュバックしそうだ。
晴臣は、壮士を抱きしめた。
「お前は何も悪くない……」
晴臣の声は、静かで、優しかった。
発情期はΩの身体の特性だ。特に若い頃は、周期がずれたり、抑制剤が効きにくくなったりすることもある。壮士が悪いわけではない。雅人も、何も悪くない。
それでも、壮士はずっと自分を責めていた。
「……朝永は、雅人ってやつが、好きなんじゃないのか……?」
問いかけると、壮士は思いのほか素直に答えた。
「好きだよ……」
その言葉は、まっすぐだった。けれど、すぐに続いた言葉は、痛みを含んでいた。
「でもオレじゃダメだ」
「どうしてだ……?」
晴臣が静かに尋ねると、壮士は唇を噛んで、目を伏せた。
「こんな男のΩなんかが、番になれるわけないだろ……」
「Ωなら番になれるだろう……?」
晴臣の言葉に、壮士は首を振った。
「……男のΩは妊娠率が低いんだ。……Ωの役目は子どもを産むことなのに、それすらも満足にできねぇ、役立たずだ……」
声は、消え入りそうに小さい。
「俺は、雅人の傍にいない方がいい……。もし間違って番ってしまったら、雅人の将来の、ジャマになる……」
その言葉は、壮士の胸の奥から絞り出されたものだった。
「だから……拒んだのか……?」
壮士は、枕に顔を半分埋めたまま、目を逸らして答えた。
「……さあ」
曖昧な返事。けれど、その声には、どこか苦いものが滲んでいた。
「俺も、好きな人がいるんだ…」
そういった晴臣に、壮士は少し目を見開いた。
「……関谷さんという先輩が、俺の憧れだった」
晴臣は、ぽつりとそう言った。壮士は、黙って聞いている。
「中学の頃……まだ、自分がαだってことも、関谷さんがΩだってことも知らなかった。ただ、いつもいい匂いがするなって思ってた」
晴臣の声は、淡々としていた。
「ある日、関谷さんの匂いが、いつもと違ってた。今思えば……あれは、他のαの匂いだったんだと思う。誰かが、マーキングしたんだ…」
壮士は、息を呑んだ。
「その匂いを感じた瞬間……バチンって、頭の中でスイッチが入ったみたいに、身体が、勝手に動いた」
晴臣は、拳を握りしめた。
「関谷さんは苦しそうに、辛そうにしていたのに……でも、俺は止まれなかった」
壮士は、言葉を失った。
「本能が叫んでたんだ。『このΩは俺のものだ』って。『誰にも渡さない』って。関谷さんの首にはカラーがついてたから番にはならなかった。でも、俺は……首の周りや肩に、何度も噛みついた」
晴臣の声は、震えていた。
「関谷さんは、ただ必死に耐えてた。俺が正気に戻ったとき……目の前にあったのは、ひどい光景だった」
晴臣は、思い出すように、ゆっくりと語った。
「とにかく謝るしかなかった。でも、関谷さんは少し笑って『大丈夫だから』と言ってくれた。辛いのは、痛いのは、関谷さんなのに……俺が動揺してるのに、関谷さんの方が落ち着いてて……優しくて……」
「うん…」
壮士は、胸が締めつけられるような思いで、晴臣の言葉を聞いていた。
「その後も、関谷さんは変わらず接してくれた。でも……俺の方が、怖くて近づけなかった。また、傷つけてしまうんじゃないかって。酷いことをしてしまうんじゃないかって。大切で尊敬する人なのに……本能が抑えられるかわからなかった」
「……」
「検査でαだと診断されてから……毎日、α用の抑制剤を飲んでる。もう、誰も傷つけないように」
壮士は、何も言えず、ただ、晴臣の横顔を見つめていた。
「あの人からとにかく離れなきゃと思って、進学を機に離れた。でも、離れてから、気づいたんだ。……俺、あの人のことが好きだったんだって」
その言葉は、淡々としていた。でも、どこか切なさが滲んでいた。
「でも、それでよかったんだ。今、その人には番がいる。……まあ、気づいたところで告白する気なんてなかったけどな」
晴臣は、はは、と笑った。
その笑いは、どこか空っぽだった。
「俺は、とても臆病だ。今もそうだ……」
泣いてはいない。けれど、泣いているように見えた。
壮士は、心臓がぎゅうっと締め付けられるような感覚に襲われた。
「あの人が幸せでいてくれれば、それでいい。ずっと、幸せでいてほしい……」
晴臣の声が、静かに、深く響く。
その言葉の裏にあるものを、壮士は痛いほど理解していた。
この胸のうちにあるものを、さらけ出すことはできない。
絶対に、悟られてはいけない。
いっそ全部ぶちまけられたら、楽になれるかもしれない。
でも、そのあとにはきっと地獄が待っている。
壮士は、晴臣の横顔を見つめながら、ふと思った。
――だから、こいつは俺に話したのかもしれない。
同じように、叶わない想いを抱えて。
同じように、誰かを守るために、自分を引き下がらせて。
同じように、誰にも言えない痛みを抱えて。
そして、晴臣がぽつりと呟いた。
「朝永が、もし嫌じゃなかったら……これからも、ヒートのとき一緒にいさせてほしい」
その言葉に、壮士はゆっくりと顔を向けた。
晴臣の表情は、真剣だった。冗談でも、気まぐれでもない。静かに、でも確かに、壮士に向けられた願いだった。
「……」
すぐには返事ができなかった。
ヒートのとき、晴臣は何も求めなかった。ただそばにいて、水を飲ませてくれて、髪を撫でてくれて、抱きしめてくれた。
それだけだった。
「傷つけるようなことは、何もしないから……」
晴臣の声は、少しだけ震えていた。
壮士は、目を伏せて、布団の端を握った。
「……いいけど……」
それが、精一杯だった。
晴臣は、ふっと息を吐いて、微笑んだ。
「お前は優しいな…」
その言葉が、妙に胸に響いた。
この関係が、壮士にとってどうなるのかは、よくわからなかった。
ただ、今は、彼のぬくもりに安心していた。
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