外面だけは!

豆餅

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二章

優美(ニ)

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 優美、とりあえず手洗ってくるから待ってて部屋で姫の小説読んでても良いよ。
だけど、ちゃんと所定の位置に戻してよね。

 僕も手洗ってくる、だから大人しくしててね

二人はまるで嵐のような双子である。
常に走り回っているイメージしかない、まぁ職業病的なものだから仕方ないのだろう。

とりあえず姫ちゃんの部屋に行き本を物色する、すると、ものの数秒で双子が駆け上がってくる。
慌て坊さんだ。

 で?どうしたの優美、突然その大きな荷物。

 実は…
たっぷり1分はたっただろうか、ポツリポツリと優美は喋り出した。

そういうことなら、一緒に住もう、

え?良いの…?

あ、でも一応パパに許可取るけどね、食費とかあるし、後光熱費も上がるし

えぇ!!優美が来るの~やかましい

コラ、陽太ダメだってほんとのこと言っちゃ

姫ちゃんそれ、フォローになってないからな?

いつ見てもこの3兄弟はコメディーみたいな人たちである。

 そうこうしてる内に、姫ちゃんたちのパパ 岡 静さんが帰って来た。

ただ今ー わっ突然飛びついてくるな驚くだろ陽太

良いじゃん簡単に退けられるんだから

ま、まあそうだけどな 姫乃何か余裕余裕 ん?てか優美ちゃんどうした?

あ、その…実は

ほぅ成る程な ん、良いよ

 静さんは二つ返事でまさかの許可を出した。
普通じゃきっとありえないだろう。
そうだ!この人たちに普通は通用しないんだきっと。
でも、この優しさをわたしはまた、求めたいと思ったのだった。

じゃあ、俺は優美ちゃんの戸籍、区役所で預かってくんな。

うん!行ってらっしゃーいと3人の子どもの元気な声が聞こえる中一人だけ浮かない表情の少女が居た。

言うまでも無く、その少女は優美だ。

あの…ホントにわたしここに居て良いの?

当たり前だ、何を今更

で、でもわたし、静さんのメンバーの亮平さんを傷つけた。

でも、それは亮平のためなんだろ?

わたしは涙が溢れて止められなかった。
優しい、この人たちは優しすぎるよ

静さんは、柔らかいタオルで優しくわたしの涙を拭き取ってくれたのだった。

おいで、優美ちゃん、

う、うん 

そして優しく抱っこしてくれた。 
ありがとう、静さんわたし今日からお世話になります。

わたしは直ぐ、この温かな家族が好きになった。

少しずつ前を向いて歩いていこうと思う

姫ちゃん、陽太、奏さん、静さんと。
こんなわたしでも良いって言ってくれたから、きっとわたしが信じる最後の人たちだと思うから、今度こそコレに賭けてみようと思った。
この人たちは絶対傷つけたくないから。
いつか、この人たちが手を離すまでは片時も離れないと…
でも、嫌われたら離そうと、苦しめたくないから
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