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第3章
09 サウストリア(9) -ダナーside
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ダナーは自分より年上の男の子達と一緒に育てられた。
レオーナは確かに女性だったが、小さい頃は彼女の方が上背もあり、力も強く、一番年下だったダナーは彼等に負けないよう付いて行くのにいつも必死だった。
9歳の時、その中に自分より弱く小さな可愛らしい生き物が入って来た。
真っ白な肌を持つ、栗色の髪に空灰色の瞳の女の子にじっと見つめられた時から、ダナーはこの少女に夢中になった。
彼女といつも一緒にいて、怪我をしない様に守り、彼女の望みなら何でも叶えてあげたかった。
この小さな少女は、ちょこまかと彼方此方に動き回り、すぐに何処かに消えてしまう事がよくあった。
自分より背の高い花畑の中で迷子になり、屋敷の庭で転び、時々、一人で泣いていたりする。
その度に彼女を探し回り、見つけ、彼女が笑顔になるまで側にいた。
いつも綺麗な服を着ていて欲しかったし、いつも自分の側で笑っていて欲しかったのに、それから二年後、大嫌いな男がやって来て彼女を連れて行ってしまった。
彼女を奪われると思ったとき、自分に出来る限りの攻撃を彼に向けたが、あっと言う間に全てを無かった事にされ、おまけにその行動のおかげで、出発するカリーナに会う事も許されず、その嫌な男から、大きな釘を一つ残された。
『この程度の男では、カリーナの側に置いておく訳にはいかないね。彼女に逢いたいなら、せめてドロテアの祭りで勝てる様になってからおいで』
ドロテアの祭りで行われる剣術試合は、王都で開催される試合と違い、賞金もあるような乱暴な試合なので、20歳にならないと参加すら許されない。
おかげで、ダナーは未だに彼女に会いに行く事さえ出来ずにいた。
その彼女が、すぐ近くにいる!
八年ぶりに会った彼女は、思っていたとおり可愛らしく、想像していた以上に綺麗になり、変わらずダナーを真っ直ぐに見つめてくる。
カリーナを庭の散歩に誘ったのは、どうやら事情のある状況の確認と、花の中で、彼女の指や頬そして唇にキスするつもりだったからだ。
それ以上の事をしないように彼を連れて来たが、どうやら後半は難しいみたいだ。
彼女は全くそちらの方面の知識が無く、ちょっと時間がかかりそうだが気にすることは無い。
彼女に会うために、相応しいと言われるためにずっと努力して来た。
サウストリアの家は、男女の区別なく、その家の当主として相応しい者が後を継ぐ。
もちろん魔力も必要だが、強い夫を迎えればいいだけの話で、どちらかと言えば土地を守っている女性の方が選ばれる可能性が高い。
ダナーには二人の姉がいて、彼女達より優秀であるために、カリーナに選んで貰うために、八年と言う時間をかけたのだから、これから少しくらい時間が必要でも全然問題ない。
まずは近くにいる事だ。
カリーナが使用人として働いているなら、僕は下働きにでも雇って貰おう。
そうすればロートアに行くまでも彼女の側にいる事ができる。
レオーナは確かに女性だったが、小さい頃は彼女の方が上背もあり、力も強く、一番年下だったダナーは彼等に負けないよう付いて行くのにいつも必死だった。
9歳の時、その中に自分より弱く小さな可愛らしい生き物が入って来た。
真っ白な肌を持つ、栗色の髪に空灰色の瞳の女の子にじっと見つめられた時から、ダナーはこの少女に夢中になった。
彼女といつも一緒にいて、怪我をしない様に守り、彼女の望みなら何でも叶えてあげたかった。
この小さな少女は、ちょこまかと彼方此方に動き回り、すぐに何処かに消えてしまう事がよくあった。
自分より背の高い花畑の中で迷子になり、屋敷の庭で転び、時々、一人で泣いていたりする。
その度に彼女を探し回り、見つけ、彼女が笑顔になるまで側にいた。
いつも綺麗な服を着ていて欲しかったし、いつも自分の側で笑っていて欲しかったのに、それから二年後、大嫌いな男がやって来て彼女を連れて行ってしまった。
彼女を奪われると思ったとき、自分に出来る限りの攻撃を彼に向けたが、あっと言う間に全てを無かった事にされ、おまけにその行動のおかげで、出発するカリーナに会う事も許されず、その嫌な男から、大きな釘を一つ残された。
『この程度の男では、カリーナの側に置いておく訳にはいかないね。彼女に逢いたいなら、せめてドロテアの祭りで勝てる様になってからおいで』
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おかげで、ダナーは未だに彼女に会いに行く事さえ出来ずにいた。
その彼女が、すぐ近くにいる!
八年ぶりに会った彼女は、思っていたとおり可愛らしく、想像していた以上に綺麗になり、変わらずダナーを真っ直ぐに見つめてくる。
カリーナを庭の散歩に誘ったのは、どうやら事情のある状況の確認と、花の中で、彼女の指や頬そして唇にキスするつもりだったからだ。
それ以上の事をしないように彼を連れて来たが、どうやら後半は難しいみたいだ。
彼女は全くそちらの方面の知識が無く、ちょっと時間がかかりそうだが気にすることは無い。
彼女に会うために、相応しいと言われるためにずっと努力して来た。
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もちろん魔力も必要だが、強い夫を迎えればいいだけの話で、どちらかと言えば土地を守っている女性の方が選ばれる可能性が高い。
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そうすればロートアに行くまでも彼女の側にいる事ができる。
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