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第2章
01 春
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「本当に歩くんすか?」
「あら、そんなに変かしら?」
「ご令嬢は、街中を歩かないもんなんすよ」
「まぁ、ご令嬢って大変なのね。私は、明日からにするわね、今日はお休み」
「何言ってんすか、しっかりフードを被ってて下さいよ」
ジャルドがこんな風に言い返しているなら危険は無いと言う事だ。
王都の南側にある茶葉を扱うお店に入りマテの白茶の売れゆきを確認し、ついでに最近売れている物を調べる。
古都とは違いこの辺りのお店は、貴族の使用人や比較的裕福な商人達が利用しているので、人も多くて色々な情報が入ってきて面白い。
しばらく街を歩いて帰る事にし、脱輪した荷車に手を貸す為に離れたジャルドを待っていた一瞬の間だった。
ぐっと腕を引っ張られたかと思うと、引っ張った相手が大きな声で叫ぶ。
「きゃぁぁ、助けて、殺される!」
何が起こったのか分からない間に、自分の周りに人垣ができ、その中心に自分達ともう一人の男の人が残されていた。
「なぁに? どうしたの?」
自分にしがみつく女性に聞いてみるが、叫ぶばかりで要領を得ない。
「違う、話を、、、」
男の人が話をしようとしている。
目の前の大柄な人の髪が結えてあるので獣人だと分かるが、その為か女性が叫ぶ度に驚いてしまい会話が成り立たなくなる。
「獣人の方ね? 殿下はお元気?」
「殿下」
「そう、ザィード様」
「うん、、、」
どうにか話が出来るかと思うと、また大きな声がして台無しになる。
これがアルフレッドなら思い切り耳を引っ張ってやる所だが、流石に成人の女性にそれは出来ない。
ジャルドに女性を黙らせて貰おうと合図した時、目の前の獣人が後ろに吹き飛ばされ、近づいて来た人が女性の意識を奪ってくれる。
「彼は?」
「吹き飛ばしただけだ、気を失ってくれれば良いのだが」
「怪我は?」
「大丈夫みたいっすよ」
獣人の様子を見に行っていたジャルドが答えるが、獣人が吹き飛ばされて怪我をするとは思えない。
「あなたの事よ」
「平気っすよ」
ジャルドが言いながら側に戻ってくると、今度は知らない相手を警戒するが、状況を理解して手を貸してくれたなら悪い人には思えない。
「ありがとうございます。どうすれば良いか分からなかったので、とても助かりました」
目の前の人にお礼を伝えていると、衛兵達が獣人に鎖をかけ、連れて行こうとしている。
「待って、そんな事をしなくても大丈夫よ」
「しかし、、、、、、」
「お願い、話がしたいだけだと言っていたの。大きな声に驚いてしまったのは、彼の方だから」
彼は女性と話をしたいと思っていただけで、それを騒いで大事にしたのは女性の方だったのに、鎖をかけて連れて行くのは酷すぎる。
衛兵たちが戸惑うのは分かるが、罪人でもない人にと思っていると、銀色の髪が目に入る。
「殿下!」
「怪我は?」
「大丈夫です、風で吹き飛ばされただけで、怪我もしていないと」
「あなたも?」
「えぇ、もちろん」
安心した顔の殿下が、王都の衛兵たちと話し始めたので、助けてくれた人を探すがどこかに行ってしまったのか姿が見えない。
殿下に後を任せてその場を離れる。
そう言えば、見たことのある赤毛の人だった。
彼の事は知らないが、王宮に同じ髪色の人がいる。
彼が思い当たる人の身内なら、いずれどこかで会うことになるだろう。
「あら、そんなに変かしら?」
「ご令嬢は、街中を歩かないもんなんすよ」
「まぁ、ご令嬢って大変なのね。私は、明日からにするわね、今日はお休み」
「何言ってんすか、しっかりフードを被ってて下さいよ」
ジャルドがこんな風に言い返しているなら危険は無いと言う事だ。
王都の南側にある茶葉を扱うお店に入りマテの白茶の売れゆきを確認し、ついでに最近売れている物を調べる。
古都とは違いこの辺りのお店は、貴族の使用人や比較的裕福な商人達が利用しているので、人も多くて色々な情報が入ってきて面白い。
しばらく街を歩いて帰る事にし、脱輪した荷車に手を貸す為に離れたジャルドを待っていた一瞬の間だった。
ぐっと腕を引っ張られたかと思うと、引っ張った相手が大きな声で叫ぶ。
「きゃぁぁ、助けて、殺される!」
何が起こったのか分からない間に、自分の周りに人垣ができ、その中心に自分達ともう一人の男の人が残されていた。
「なぁに? どうしたの?」
自分にしがみつく女性に聞いてみるが、叫ぶばかりで要領を得ない。
「違う、話を、、、」
男の人が話をしようとしている。
目の前の大柄な人の髪が結えてあるので獣人だと分かるが、その為か女性が叫ぶ度に驚いてしまい会話が成り立たなくなる。
「獣人の方ね? 殿下はお元気?」
「殿下」
「そう、ザィード様」
「うん、、、」
どうにか話が出来るかと思うと、また大きな声がして台無しになる。
これがアルフレッドなら思い切り耳を引っ張ってやる所だが、流石に成人の女性にそれは出来ない。
ジャルドに女性を黙らせて貰おうと合図した時、目の前の獣人が後ろに吹き飛ばされ、近づいて来た人が女性の意識を奪ってくれる。
「彼は?」
「吹き飛ばしただけだ、気を失ってくれれば良いのだが」
「怪我は?」
「大丈夫みたいっすよ」
獣人の様子を見に行っていたジャルドが答えるが、獣人が吹き飛ばされて怪我をするとは思えない。
「あなたの事よ」
「平気っすよ」
ジャルドが言いながら側に戻ってくると、今度は知らない相手を警戒するが、状況を理解して手を貸してくれたなら悪い人には思えない。
「ありがとうございます。どうすれば良いか分からなかったので、とても助かりました」
目の前の人にお礼を伝えていると、衛兵達が獣人に鎖をかけ、連れて行こうとしている。
「待って、そんな事をしなくても大丈夫よ」
「しかし、、、、、、」
「お願い、話がしたいだけだと言っていたの。大きな声に驚いてしまったのは、彼の方だから」
彼は女性と話をしたいと思っていただけで、それを騒いで大事にしたのは女性の方だったのに、鎖をかけて連れて行くのは酷すぎる。
衛兵たちが戸惑うのは分かるが、罪人でもない人にと思っていると、銀色の髪が目に入る。
「殿下!」
「怪我は?」
「大丈夫です、風で吹き飛ばされただけで、怪我もしていないと」
「あなたも?」
「えぇ、もちろん」
安心した顔の殿下が、王都の衛兵たちと話し始めたので、助けてくれた人を探すがどこかに行ってしまったのか姿が見えない。
殿下に後を任せてその場を離れる。
そう言えば、見たことのある赤毛の人だった。
彼の事は知らないが、王宮に同じ髪色の人がいる。
彼が思い当たる人の身内なら、いずれどこかで会うことになるだろう。
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