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第6章
04 その後(4)
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「お嬢様、聞いてもよろしいですか?」
「なあに?」
「お嬢様は、殿下と初夜を迎えるのは怖くないのですか?」
「まぁ、怖いものなの?」
「そうではありませんが、、、知らない事を怖いと感じる女性もおりますから」
「全く知らない訳では無いもの」
「それは、、、知りませんでした」
「ほら、牧場には馬や牛もいるし、乱暴な雄もいるけど、ザィード様が私にそんな事をするとは思えないから」
「まぁ、お嬢様」
「どうしたの?」
どうするべきだろう。
彼女の知識は、何か肝心な所がスッポリ抜けていて、このままでは大切な日に、驚いて逃げ出してしまう可能性がある。
「お嬢様が思っているものと、実際は全く違うものですよ」
お嬢様と少し話をする。
今日は、朝からリディアが変だ。
顔は赤いし、何時もならこちらが困るくらい甘えてくるのに、ふれようとすると飛び上がるように逃げて行く。
昨日、食事の話をした時も頬を染めていてが、離れて行く事はなかった。
何か考えているようなので、様子を見ていたが、日課の散歩も、午後の読書にも現れないようでは、何かあったのかと心配になり、居間をウロウロしていると彼女の侍女が教えてくれる。
「申し訳ありません、殿下。昨夜、お嬢様に少し男女の事をお話し致しました」
そう言う事かと納得する。
今まであれだけ甘えてきた意味も、それなら理解できる。
彼女は何も知らないのだ、だから自分がふれる事にもそれほど抵抗を感じていなかったのだろう。
おそらく夜の事も牧場で見たものの延長くらいにしか考えておらず、その位なら私が彼女に乱暴な事をするとは思っていないのだ。
彼女を自分のものにしたい気持ちはあっても、急がせるつもりは無いし、嫌な思いもさせたく無い。
それでもあまり離れているのは嬉しくないので、どうするかと屋敷の中庭で考えていると、近づいてくる足音が聞こえる。
「リディア」
彼女が抱きしめて欲しい時にする様に、両手を広げると、しばらく戸惑っていた人がやっと腕の中に入ってくる。
そっと抱きしめ、いつものように髪を撫ぜる。
「私の事が怖くなったか?」
「ザィード様を怖いと思ったのは、一度だけです」
「一度?」
「はい、最初に会った時」
「すまない」
「ふふっ、それからは怖いと思った事はありませんよ」
「話を聞いて、怖くなったのでは無いのか?」
「そうではありません。ロニの話を聞いて、ちょっと楽しみになったので、恥ずかしかっただけ」
楽しみ?
自分を恐れているなら我慢もするが、楽しみだと言われて放っておける訳がない。
彼女を抱き上げて寝室に運ぶ。
腕の中の人が楽しそうに笑うのか聞こえるので、口を塞いでしまいたいが、そんな事をすればその場から動けなくなるのは分かっている。
寝台の上にそっと横たえる。
「しばらく食事は出来ないぞ」
「後でロニが運んでくれるわ」
「怖くはないか?」
「ザィードを怖いと思ったのは一度だけよ、今は、とってもドキドキしてる」
全くこの人には敵わない。
淡い金色の髪が広がり、その中で緑色の瞳がキラキラと輝く。
何が起こるのだろうと好奇心に満ちた瞳、あの日、この瞳に自分は捕らえられた、そしてその瞳が自分を見つめているのはとても気分がいい。
「なあに?」
「お嬢様は、殿下と初夜を迎えるのは怖くないのですか?」
「まぁ、怖いものなの?」
「そうではありませんが、、、知らない事を怖いと感じる女性もおりますから」
「全く知らない訳では無いもの」
「それは、、、知りませんでした」
「ほら、牧場には馬や牛もいるし、乱暴な雄もいるけど、ザィード様が私にそんな事をするとは思えないから」
「まぁ、お嬢様」
「どうしたの?」
どうするべきだろう。
彼女の知識は、何か肝心な所がスッポリ抜けていて、このままでは大切な日に、驚いて逃げ出してしまう可能性がある。
「お嬢様が思っているものと、実際は全く違うものですよ」
お嬢様と少し話をする。
今日は、朝からリディアが変だ。
顔は赤いし、何時もならこちらが困るくらい甘えてくるのに、ふれようとすると飛び上がるように逃げて行く。
昨日、食事の話をした時も頬を染めていてが、離れて行く事はなかった。
何か考えているようなので、様子を見ていたが、日課の散歩も、午後の読書にも現れないようでは、何かあったのかと心配になり、居間をウロウロしていると彼女の侍女が教えてくれる。
「申し訳ありません、殿下。昨夜、お嬢様に少し男女の事をお話し致しました」
そう言う事かと納得する。
今まであれだけ甘えてきた意味も、それなら理解できる。
彼女は何も知らないのだ、だから自分がふれる事にもそれほど抵抗を感じていなかったのだろう。
おそらく夜の事も牧場で見たものの延長くらいにしか考えておらず、その位なら私が彼女に乱暴な事をするとは思っていないのだ。
彼女を自分のものにしたい気持ちはあっても、急がせるつもりは無いし、嫌な思いもさせたく無い。
それでもあまり離れているのは嬉しくないので、どうするかと屋敷の中庭で考えていると、近づいてくる足音が聞こえる。
「リディア」
彼女が抱きしめて欲しい時にする様に、両手を広げると、しばらく戸惑っていた人がやっと腕の中に入ってくる。
そっと抱きしめ、いつものように髪を撫ぜる。
「私の事が怖くなったか?」
「ザィード様を怖いと思ったのは、一度だけです」
「一度?」
「はい、最初に会った時」
「すまない」
「ふふっ、それからは怖いと思った事はありませんよ」
「話を聞いて、怖くなったのでは無いのか?」
「そうではありません。ロニの話を聞いて、ちょっと楽しみになったので、恥ずかしかっただけ」
楽しみ?
自分を恐れているなら我慢もするが、楽しみだと言われて放っておける訳がない。
彼女を抱き上げて寝室に運ぶ。
腕の中の人が楽しそうに笑うのか聞こえるので、口を塞いでしまいたいが、そんな事をすればその場から動けなくなるのは分かっている。
寝台の上にそっと横たえる。
「しばらく食事は出来ないぞ」
「後でロニが運んでくれるわ」
「怖くはないか?」
「ザィードを怖いと思ったのは一度だけよ、今は、とってもドキドキしてる」
全くこの人には敵わない。
淡い金色の髪が広がり、その中で緑色の瞳がキラキラと輝く。
何が起こるのだろうと好奇心に満ちた瞳、あの日、この瞳に自分は捕らえられた、そしてその瞳が自分を見つめているのはとても気分がいい。
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