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第二幕 道化王子の三文芝居
穏やかな日々の終わり
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よく晴れた初夏の昼下がりだった。
いよいよ第二王子が社交界に加わるお披露目パーティー前日。
庭も広間も飾り立てられ、宮廷楽団の音合わせや厨房からの香りもいつもより気合が入って、みんな浮き足立っていた。
ルナールがデビューということは、ドロシーも社交界入りだ。
クロッドは自室でドロシー宛に、お祝いの手紙を書いていた。その日、ドロフォノス侯爵とドロシーが父王に事前挨拶をするため、王宮を訪れたことなど知らなかった。
顔合わせから、実に2度目の来訪。すっかり成長したドロシーを見て、恋に落ちた。クロッドではなく、ルナールが。
「お願い、兄上。彼女を――ドロシーを僕に譲って」
ドロシーが王宮に来たことを後から聞いたクロッドに、ルナールはそう懇願した。どういった話し合いをしたかよく覚えていないが、結局クロッドはその願いを受け入れ、不安そうな弟に請われるまま、自分から父に婚約者の変更を願い出た。
しかし信じられないことに、父は首を縦に振らなかった。
父王は、愛する側妃との間にできたルナールを溺愛している。王家に受け継がれる金髪に、シェリー酒を彷彿とさせるハシバミ色の瞳。小さい時分は病弱だったこともあり、真綿でくるむように育て、なんでも買い与え、ルナールが「王様になりたい」と言い出したときも、まだ少年のクロッドが同じ場にいたにも関わらず「もちろんそのつもりだ」と笑っていたほどだ。
なのに、ドロシーはルナールに与えられなかった。
ルナールが何故か問うても「婚約者などまだ早い」の一点張り。
ルナールは消沈し、部屋に閉じこもった。シーツを被って、食事も口にせず、使用人は全員締め出した。おかげでクロッドは「お前のせいだ」と義母に罵倒され、「余計なことを言うな」と父に殴られ、散々だった。
翌日。せっかくの記念すべき日だったのに、ルナールはお披露目パーティーには出席せず、王も側妃も挨拶を済ませると、さっさと退出したという。その年、十五歳だった子どもたちにも、ルナールにも、かわいそうなことをしてしまった。自分がもっと上手く父に話をできていれば、とクロッドは悔やんだ。
間の悪いことに、その直後、夏の大議会が始まった。
当然議題に上がるのは、王太子選定について。十五歳になったルナールはまだ叙任はできないが、内定なら可能だ。父と義母はもちろん賛成だったが、父の弟である北領公セルペンス・イグルーシカが強く反発し、採決は先送りとなった。
まだ判断するにはルナールが若すぎる。ただそれだけの話だ。いずれ必ずルナールが王太子になる。だからなにも気に病む必要などないのに、「王太子選定も上手くいかなかった」とルナールはさらに落ち込んだ。
たったひとりの弟で、たったひとり王宮でクロッドとまともに話してくれる相手。父王と義母がルナールを大事なように、クロッドにだってルナールは大事だった。
なにかできることがないかと考えているとき。
たまたま侍女の立ち話を聞いた。もう王宮を出入りできる年齢になったので、側妃がドロシーに王太子妃教育を受けさせるらしい、という話だった。「もしや」と思った。王太子にならないクロッドの婚約者に王太子妃教育。ドロシーは、もしかして。
――本当は、ルナールの婚約者なんだ。
きっとドロシーはそれを知らない。ドロフォノスと父王の間だけの密約。ルナール自身にさえ明かしていない。クラウィスや第一王子派という名目の王弟派を欺くため、まずはクロッドの婚約者にしておいて、クロッドが失脚した後、ルナールの相手にする手筈。
ドロシーが婚約者になってくれてからの三年間。ドロフォノス家と会う機会もなければ、父と将来の話をしたこともない。それどころか、ドロシーが王宮に来ても自分には知らせてさえくれない。婚約していると信じられる唯一のつながりは、ドロシーが送ってきてくれる手紙や贈り物だけ。本当に婚約者なのかと不安になるくらい何もなかったのはそういうことだったのか。
「……なーんだ」
浮かれていたのが恥ずかしい。これじゃあ道化だ。バカだなあ。
父は心底クロッドのことはどうでもいいんだろう。それは別にいい。
ただ、巻き込まれたドロシーやルナールに申し訳ない。自分がいるせいで、ふたりの仲を引き裂いてしまった。ドロシーが一生懸命書いてくれている手紙や、心のこもった贈り物は、本来ルナールが受け取るべきものだったのだ。
「全部、兄上のせいだから」
ルナールの言葉に、なにも返せない。その通りだから。
「……なにもかもうまくいかない。兄上がいるせいで、僕はすんなり王太子になれないし、好きな人と結婚もできない」
二時間、扉の前で謝り続けたクロッドにやっとかけられた声は、ひどく掠れていた。小さい頃の咳の病気が再発しないかと心配になる。今は真夜中で、明かりも落とされ、侍医も休んでいる。ルナールに会うなと義母に命じられ、こんな時間にこっそり来ることしかできなかった。
「あの、本当にごめん……でも、ひょっとしたらドロシーは、ルナールの婚約者にいつか変更されるかも……」
父らが秘密にしていることをバラすわけにもいかない。しどろもどろに言えば。
「ウソつき!」
扉に何か叩き付けられる音。
「ウソばっかり!全部僕に押し付けてどっか行っちゃうくせに!平民になって好き勝手するくせに!せっかく僕が王太子になったら側近になってもらおうと思ってたのに……ドロシーと一緒にいなくなっちゃうんでしょ!本当は王太子になりたくないっていうのもウソなんでしょ!」
次いで、激しく咳き込む気配がして、クロッドは扉に縋りつく。
「落ち着けよ、ルナール……!とりあえず出てきてくれ。また具合が悪くなったら、みんな悲しむだろう。私に出来ることなら、なんでもするから――」
「だったら」
返ってきた声は思ったよりも近かった。
「ドロシーに嫌われて」
クロッドは息をのむ。
「僕に悪いと思うなら――みんなに嫌われてよ」
傲慢で、尊大で、下品で。
王太子になんか選ばれっこない嫌われもの。
影でみんなに笑われる『道化の王子』。
自分にぴったりだと、クロッドは思った。
ドロシーに出せなかったお祝いの手紙は、私室を荒らす使用人たちに見つからないよう、クロッドだけが知る秘密の場所へ隠した。彼女への淡い想いと一緒に。
いよいよ第二王子が社交界に加わるお披露目パーティー前日。
庭も広間も飾り立てられ、宮廷楽団の音合わせや厨房からの香りもいつもより気合が入って、みんな浮き足立っていた。
ルナールがデビューということは、ドロシーも社交界入りだ。
クロッドは自室でドロシー宛に、お祝いの手紙を書いていた。その日、ドロフォノス侯爵とドロシーが父王に事前挨拶をするため、王宮を訪れたことなど知らなかった。
顔合わせから、実に2度目の来訪。すっかり成長したドロシーを見て、恋に落ちた。クロッドではなく、ルナールが。
「お願い、兄上。彼女を――ドロシーを僕に譲って」
ドロシーが王宮に来たことを後から聞いたクロッドに、ルナールはそう懇願した。どういった話し合いをしたかよく覚えていないが、結局クロッドはその願いを受け入れ、不安そうな弟に請われるまま、自分から父に婚約者の変更を願い出た。
しかし信じられないことに、父は首を縦に振らなかった。
父王は、愛する側妃との間にできたルナールを溺愛している。王家に受け継がれる金髪に、シェリー酒を彷彿とさせるハシバミ色の瞳。小さい時分は病弱だったこともあり、真綿でくるむように育て、なんでも買い与え、ルナールが「王様になりたい」と言い出したときも、まだ少年のクロッドが同じ場にいたにも関わらず「もちろんそのつもりだ」と笑っていたほどだ。
なのに、ドロシーはルナールに与えられなかった。
ルナールが何故か問うても「婚約者などまだ早い」の一点張り。
ルナールは消沈し、部屋に閉じこもった。シーツを被って、食事も口にせず、使用人は全員締め出した。おかげでクロッドは「お前のせいだ」と義母に罵倒され、「余計なことを言うな」と父に殴られ、散々だった。
翌日。せっかくの記念すべき日だったのに、ルナールはお披露目パーティーには出席せず、王も側妃も挨拶を済ませると、さっさと退出したという。その年、十五歳だった子どもたちにも、ルナールにも、かわいそうなことをしてしまった。自分がもっと上手く父に話をできていれば、とクロッドは悔やんだ。
間の悪いことに、その直後、夏の大議会が始まった。
当然議題に上がるのは、王太子選定について。十五歳になったルナールはまだ叙任はできないが、内定なら可能だ。父と義母はもちろん賛成だったが、父の弟である北領公セルペンス・イグルーシカが強く反発し、採決は先送りとなった。
まだ判断するにはルナールが若すぎる。ただそれだけの話だ。いずれ必ずルナールが王太子になる。だからなにも気に病む必要などないのに、「王太子選定も上手くいかなかった」とルナールはさらに落ち込んだ。
たったひとりの弟で、たったひとり王宮でクロッドとまともに話してくれる相手。父王と義母がルナールを大事なように、クロッドにだってルナールは大事だった。
なにかできることがないかと考えているとき。
たまたま侍女の立ち話を聞いた。もう王宮を出入りできる年齢になったので、側妃がドロシーに王太子妃教育を受けさせるらしい、という話だった。「もしや」と思った。王太子にならないクロッドの婚約者に王太子妃教育。ドロシーは、もしかして。
――本当は、ルナールの婚約者なんだ。
きっとドロシーはそれを知らない。ドロフォノスと父王の間だけの密約。ルナール自身にさえ明かしていない。クラウィスや第一王子派という名目の王弟派を欺くため、まずはクロッドの婚約者にしておいて、クロッドが失脚した後、ルナールの相手にする手筈。
ドロシーが婚約者になってくれてからの三年間。ドロフォノス家と会う機会もなければ、父と将来の話をしたこともない。それどころか、ドロシーが王宮に来ても自分には知らせてさえくれない。婚約していると信じられる唯一のつながりは、ドロシーが送ってきてくれる手紙や贈り物だけ。本当に婚約者なのかと不安になるくらい何もなかったのはそういうことだったのか。
「……なーんだ」
浮かれていたのが恥ずかしい。これじゃあ道化だ。バカだなあ。
父は心底クロッドのことはどうでもいいんだろう。それは別にいい。
ただ、巻き込まれたドロシーやルナールに申し訳ない。自分がいるせいで、ふたりの仲を引き裂いてしまった。ドロシーが一生懸命書いてくれている手紙や、心のこもった贈り物は、本来ルナールが受け取るべきものだったのだ。
「全部、兄上のせいだから」
ルナールの言葉に、なにも返せない。その通りだから。
「……なにもかもうまくいかない。兄上がいるせいで、僕はすんなり王太子になれないし、好きな人と結婚もできない」
二時間、扉の前で謝り続けたクロッドにやっとかけられた声は、ひどく掠れていた。小さい頃の咳の病気が再発しないかと心配になる。今は真夜中で、明かりも落とされ、侍医も休んでいる。ルナールに会うなと義母に命じられ、こんな時間にこっそり来ることしかできなかった。
「あの、本当にごめん……でも、ひょっとしたらドロシーは、ルナールの婚約者にいつか変更されるかも……」
父らが秘密にしていることをバラすわけにもいかない。しどろもどろに言えば。
「ウソつき!」
扉に何か叩き付けられる音。
「ウソばっかり!全部僕に押し付けてどっか行っちゃうくせに!平民になって好き勝手するくせに!せっかく僕が王太子になったら側近になってもらおうと思ってたのに……ドロシーと一緒にいなくなっちゃうんでしょ!本当は王太子になりたくないっていうのもウソなんでしょ!」
次いで、激しく咳き込む気配がして、クロッドは扉に縋りつく。
「落ち着けよ、ルナール……!とりあえず出てきてくれ。また具合が悪くなったら、みんな悲しむだろう。私に出来ることなら、なんでもするから――」
「だったら」
返ってきた声は思ったよりも近かった。
「ドロシーに嫌われて」
クロッドは息をのむ。
「僕に悪いと思うなら――みんなに嫌われてよ」
傲慢で、尊大で、下品で。
王太子になんか選ばれっこない嫌われもの。
影でみんなに笑われる『道化の王子』。
自分にぴったりだと、クロッドは思った。
ドロシーに出せなかったお祝いの手紙は、私室を荒らす使用人たちに見つからないよう、クロッドだけが知る秘密の場所へ隠した。彼女への淡い想いと一緒に。
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