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九十九一子は、霊感体質にも関わらず、怪異怪談の類を「どうでもいい」と切り捨てる無関心・無愛想・無気力な女子高生。ある夜ハンバーガーショップで『しゃべる泥団子』に出会い、平穏で退屈な日常は一変する。
「あなたはじきに喰い殺される。私と手を組みませんか、ツクモヒトリコさん」
泥団子(♂)が言うには、死者の国を司る政府機関でマイナンバー制度を取り入れたところ、生者の個人情報が流出・消失したそうな。該当箇所に記帳されていた人間は現在寿命の管理が行われておらず、つまりお咎めなしの『化物まっしぐら!人間無料食べ放題サービス!』がはじまったも同然とのこと。
「あたしの個人情報ブチまけておいて、政府はナニしてんのよ。菓子折り持って、ダンゴ虫のごとく土下座しに来るのが筋ってもんでしょうが」
「政府(セーフ)なのにアウトってね」
「やかましいッ!ってか、アンタほんとにあたしを守ってくれる気あんの?」
「最終的にヒトリコさんの『眼』が欲しいんで、ちゃんと御身お守り致しやすよ。『眼』のとこ重点的に」
「上も下も右も左も守ってッ!!」
生者と死者を分かつものは『寿命』に外ならず、知らぬうちに境界は揺らぎ始めた。
隠里ニュータウンで奇妙な祭囃子が流れ、夕暮れどきの通学路で異形らが駆け回る。人語を話す大百足、時期外れな桜、廃業デパートに明かりが点り、無人レストランで死者のさざめき。
霊感体質女子高生・九十九一子と、二枚舌の幇間・泥妖怪クロガラの現代怪異譚、開幕。
文字数 2,944
最終更新日 2021.01.18
登録日 2020.12.30
義妹リリベルは次期聖女の美少女。対するわたしライラは、容姿も魔力も平凡ないらない子。両親には疎ましがられ、婚約者の王太子には冷たくされ、王立学術院でもひとりぼっち。そんなダメなわたしの、誰にもお祝いされない誕生日に出会ったのは、金髪金眼の煌びやかな青年だったが――
「ナメクジとカタツムリだったらどっちが好きだ?」
……なんだかこの人、変だ。
そして、なんだか分からないけれど、この変な人にとても気に入られてしまったみたい。
王立学術院に留学してきた彼は、やることなすこと常識外れの規格外!おまけに彼に出会ってから変な人がぞくぞく現れて、わたしのひとりぼっちの時間はどんどん減っていく!
本当にただの小国の王子様なの?……え、それはウソ?本当は侵略戦争大好きな軍事大国バベルの王様!?他の変な人たちは、バベルの誇る至上最強の魔導軍団将軍!!??
「そして、君こそ長年探していた最後の怪物『憤怒』の魔女なんだ!ぜひ我がバベル魔導軍団に加わり、世界征服の手助けをしてもらいたい!」
怪物!?世界征服!?いえいえ人違いです!そのかわりになんでもくれるって?お誕生日プレゼントの代わりですか?じゃあ……もしなんでもお願いできるなら、わたしがほしいのは――。
苦労性な「憤怒」の魔女と、ななめ上に「傲慢」な王様、忠実なる最強の魔導軍団より、滅びの運命をたどる愚かな国へ捧ぐロマンティック・ブラックコメディ! ※すみません、あらすじ修正しました!詳細は近況にて!
文字数 65,915
最終更新日 2020.12.31
登録日 2020.11.24
ビアトリスは傲慢な公爵令嬢。ある出会いをキッカケに「前世プレイした乙女ゲームの悪役に転生している」と気付き、破滅の結末を変えるべく、街で知り合った自称発明家(実際はガラクタ解体屋)の青年アークを巻き込み暴走気味に奔走するが、事態は思わぬ方向へ――
「ブロンド・ビス、婚約破棄パーティーのごちそう、持って帰ってきてよ」
「縁起でもないこと言わないでアーク!婚約破棄パーティーじゃなくて舞踏会よ!すてきな舞踏会!」
「でも、そこでアンタ婚約破棄される予定なんだろ。ごちそう、タッパーに詰めてきてよ」
「そんなビンボーくさいマネできるわけないでしょ!こちとら公爵令嬢よ!」
「今度インスタントラーメン開発してあげるから」
「タッパーはどこですの!早くお出しなさい!」
筋書きをブチ壊して猛進する悪役令嬢と、ゆるくてチャラくてうさんくさいモブによる、ノリとハッタリでお送りする極上ピカレスクコメディー!
文字数 23,466
最終更新日 2020.11.06
登録日 2020.10.30
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