人間AIの観察記録

あーく

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スピリチュアルな出会い1

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何かとスピリチュアル系の人とトラブルに巻き込まれがちです。

というのも、自分は論理的なので、非論理的な人とは話が通じないのですよ。

それを実感した体験を話そうと思います。

まず体験を話してから、自分の学んだことを話し、最後に所感を話そうと思うので、お好きな順序でお読みください。



【初デート】

彼女とはマッチングアプリで出会いました。

この人を仮にLさんとします。

「マッチングアプリなんて不安」「マッチングアプリはモテないヤツが使うツール」という方もいますが、当時はテストのつもりでやっていました。

聞くところによると、マッチングアプリの方がテキストで性格が見られるから、マッチングアプリで結婚した方が破局率が低い、というデータがあるとか。

対面で会ってしまうと、顔の良さが性格の悪さを覆い隠してしまい、イケメン悪男、あるいは悪女に引っ掛かってしまう可能性があります。

またマッチングアプリは、僕をはじめとしたモテない人や、体目的の人だけでなく、時間がないお金持ちの人も使うという利点もあります。

なので、必ずしもマッチングアプリは悪いとは言い切れません。

話を戻しますが、最初Lさんとは居酒屋で会うことになりました。

これを一般にはデートというのでしょうが、絶対に認めたくないです。

というのも、そこで話していたことが「四柱推命(*1)」「動物占い」などのスピリチュアルの類だったからです。

「過去と未来は変えられないから今を変えるしかない」と、いいことも言っていたのですが台無しです。

「四柱推命」とは簡単に言うと「人は生年月日で性格が決まる」というもので、この「四柱推命」を一般向けにポップにしたものが「動物占い」です。

Lさんはこの「四柱推命」にどっぷりハマっていたわけです。

「生年月日が同じということは太陽の位置と月の引力が同じだから」だとかなんとかで、すっかり信じ切っているわけですね。

話を聞くとどうやらLさんは勉強中とのことで、師匠なる人から教わっているそうです。

その師匠(笑)を仮にRさんとします。

そのRさんは統計に詳しいらしく、僕は話を聞こうと思いました。

その日はRさんに会うという約束をして、食事は終わりました。

帰り際僕はある違和感を感じました。

会計時Lさんはずっとスマホを操作しています。

財布を出す素振りすら見せず、まるで「男が払うのが当然」と言わんばかりの態度です。

「ごめん、お金がないから奢って」と言うのならまだ許されますが、無言です。

別に構いませんが、結局僕が払うことになりました。

しかし、これはまだ序章にすぎませんでした。



【Rさんとの会話】

後日、RさんとLさんと僕でお茶をしました。

Rさんも四柱推命を信じています。

僕は理数系なので、統計に詳しいと聞いて分布とか偏差値とか統計の話を期待していたのですが、全く的外れでした。

統計に詳しいとは何だったのか。

よく考えると、スピリチュアルの人が言う統計は統計でないことに気付きました。

占い師の統計(*2)は統計なのにデータを取らず、感覚でやってるわけです。

そして、そのRさんも少し的外れだった記憶があります。

例えば、「手相は脳細胞に影響されるから、性格が変われば手相は変わる。つまり手相で性格は分かる(*3)」とか「スマホだって中身は分からないけどちゃんと操作できる。動物占いも、理由は分からないけど当たるから使っている(*4)」とか「星を使った占いは昔から使ってきた方法だから当たるはず(*5)」など、理系でない人なら騙されそうな根拠のない話が並びます。

恐ろしくうさん臭い話、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。



【Rさんのコミュニティでの飲み会】

Rさんから、起業している人向けのコミュニティがあるので来たらどうか、というお誘いを受けました。

自分はこのとき、今の仕事で悩んでいたのでしばらくこのコミュニティに参加していたのですが、飲み会を2回ほどしてから縁を切りました。

というのも、この2回の飲み会でいろんなことを言われたからです。

・なんで人と話すときに目を合わせないの?(*6) by Lさん

・短所は直さないの?(*7) by Lさん

・人は鏡。自分の態度は相手の態度に現れる。もし相手が怒っていたら自分は相手を怒らせる態度をとったということ(*8) by Lさん

・YouTube始めるって言ってたけどまだしてないの?(*9) by Lさん

・まず何も考えずリスクを取った方がいい(*10) by コミュニティにいた人

・四柱推命は統計ありますよ(*11) by コミュニティにいた人

Lさんが特に酷く、「常に自分が正しく、あなたが変わるべき」という態度でした。

例えば「なんで人と話すときに目を合わせないの?」という言葉です。

そのとき自分は確かに伏し目がちでした。

理由は、落ち込んでいて目を合わせる余裕がなかったからです。

この状況で「目を合わせろ」というのはサイコパスとしかいいようがありません。

いくら弁解しても「言い訳はよくない」と言って取り合ってもらえません。

その他も「その考え方もあるよね」ではなく「あなたはこうすべき、こう考えるべき」というような態度でした。

そんなLさんの態度に嫌気がさし、LINEのブロックボタンをそっと押したのでした。



【学んだこと】

・「男が払うのが当然」という女性は地雷です。

今は「割り勘でいい」という女性も増えてきましたが、全く払う素振りのない女性はやめた方がいいと思います。

いわゆる「デート代は男性が払うべき」思想ですね。

お礼を言わないのは言語道断です。

「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」ということはありません。

もしこの考え方をする人といると、そのうち「男性が掃除すべき」「男性が料理すべき」など自分勝手な価値観を人に押し付けかねません。

そんな人と一緒にいるのは苦痛でしかありません。

・論理が通じない人がいます。

自分で言うのもなんですが、そこそこ偏差値の高い高校、大学を出てきたので、頭がいい人との会話には慣れていたのですが、頭の悪い人との会話には全く慣れていませんでした。

中学校ではいじめられていましたし。

また、仕事場でも合理性に欠ける人がちらほらいたのもあり、話が通じない人もいるんだな、と実感しました。

・類は友を呼びます。

スピリチュアル系の人が信じるのはスピリチュアル系です。

その人が「統計に詳しい人」といっても理系を想像してはいけません。

また失礼ですが、コミュニティの人たちも話が分かるとは言えませんでした。
 
中には経営者の方もいて、お金を稼いでいる点は尊敬できるのですが、論理的思考を持っていないところは残念だな、とは思います。

得意不得意があるのは仕方ない事ですが。



【知見】

*1 四柱推命

今回出てきた「四柱推命」ですが、もちろん科学的根拠はないと思われます。

というのも、四柱推命は古代エジプトが起源で、東アジアでアレンジされたらしいのですが、統計学が確立されたのはだいぶ後なので、四柱推命にはそもそも統計が使われていないということがわかります。

月に関係する話と言えば、4-8月など早めに生まれた人はスポーツ選手が多いという統計があったりします。

同い年でも、早く生まれた子供は遅く生まれた子供よりも成長が早く、身体的に有利になります。

その結果、他の同世代の子供より運動できることが自信に繋がり、そのままスポーツ選手になる、と考えられています。

この統計がどれだけ有効かは不明ですが、理由は納得できます。

もし「四柱推命」が正しいかどうかを調べるとすると、生年月日が同じ人を集め、性格を分析する必要がありますが、今のところデータがないわけです。

ここで反論するポイントは「四柱推命なんてあるわけないだろ!」と真っ向から反対するのではなく、「実際にデータ取ったけど優位性はないね」と反論するのが正しいです。

「実は地球の方が動いている」と言うと「地球が動くなんてありえない」と否定されていたのが実際は地球が動いていたのが正しかった、という歴史もあるわけですから、言われていることがもしかしたら本当なのかもしれないのです。

つまり、否定するのにも根拠が必要ということですね。



*2 占い師の統計

例えば「あなたは他人と同じでいたい一方、他人より優れていたいと思っている」と言うと「すごい!当たった!」と思ってしまいます。

「同じでいたいけど一歩抜きんでたい」というのは誰にでも当てはまることなので、自分にも当てはまるのは当たり前ですよね。

これをバーナム効果と言います。

また、確証バイアスというのもあります。

例えば「A連打するとポケモンが捕まえられる」という噂がありますが、「A連打して捕まえられなかった」場合はカウントしないわけです。

ラッキーアイテムの傘を持っていて、たくさん不幸な目に遭っているにも関わらず幸運な目に遭った場合のみカウントして「あ、やっぱりラッキーなんだ」となるわけですね。

それと、よく「この先生の言うことは当たる」という人がいますが、性格を当てることと未来が分かることは無関係です。

「性格が分かる=未来が分かる」ではありません。

バーナム効果のせいで「当たる気がする」だけです。

本当に未来が分かるなら株とかギャンブルで大儲けすればいいのでは?



*3 手相で性格は分かる

話では3ヶ月で変わるとのことでしたが、実際に写真に撮って見比べたところ、全然変わってませんでした。

これは僕の性格は変わっていないということなのでしょうか?



*4 スマホだって中身は分からないけどちゃんと操作できる。動物占いも、理由は分からないけど当たるから使っている

スマホと占いを一緒にしないでいただきたい。

その違いは再現性と客観性にあります。

スマホは設計図さえあれば誰が作っても同じ物が作れます。

占いは効果に個人差があり、当たったかどうかは主観で判断するしかありません。

統計学も効果に個人差はありますが、少なくとも当てはまる確率は担保されていますし、主観は極力除かれているはずです。

理由は分からないけどタバコを吸うと気分が上がる、といってタバコを吸っていたら取り返しのつかないことになります。



*5 昔から使ってきた方法だから当たるはず

誰も調べてないだけです。

例えば、タバコが有害と認められたのは1900年以降と割と最近です。

しかし、それまでは当然のように吸っていたわけです。

今まで使ってきたものが正しいとは限らないわけです。

ただ四柱推命に関してはデータがないので、もしかしたら調べたら当たってるかもしれないです。

まあ、馬鹿馬鹿しくて調べないだけだと思いますが。



*6 なんで人と話すときに目を合わせないの?

普通の人が目を合わせるのは3秒が限界と言われています。

それ以上見つめるというのは、恋愛や威嚇の意味を持ったりします。

また、会話中に考え事をするときは何もない壁や天井などを見ることがあります。

人の顔にはたくさんの情報があるのですが、多くの情報を取り入れると考えることに集中できないので、余計な情報を入れないようにしているわけですね。

以上のことから、必ずしも目を合わせるのがよいというわけではないです。



*7 短所は直さないの?

確かこの時「考え過ぎる性格が僕の短所」と言った気がします。

いや、どう見ても長所だろうが。

考え過ぎは良くないと思いますが、全く考えないのも良くないと思います。

ちなみにLさんは考えずに行動するタイプですね。

別に「考えないよりも考える方が絶対によい」ということではなく、短所も使い方によっては長所になります。

例えば、考えずに行動できるというのは、考え過ぎて行動できない人よりも挑戦する回数が増えるといえます。

これはメリットですよね。

包丁も使い方次第で便利な道具になるのと同じです。

それを捨てるなんてとんでもない!



*8 人は鏡

じゃあ僕が勝手に怒ったらあなたの態度が悪いということなんですね?



*9 YouTube始めるって言ってたけどまだしてないの?

これは確か僕がYouTube始めると言ってから3日くらい後に言われた気がします。

いや、仕事とか準備とかあるじゃんよ。

たった3日ではできなかったんですよ。

今は時間的に余裕ができて続けてますけど。



*10 まず何も考えずリスクを取った方がいい

無駄なリスクを取るのはどう考えてもやめた方がいいでしょ。

何の計画もなく「綿菓子店経営したいから今すぐ借金して店立てよう」とか失敗するの目に見えてるじゃないですか。

このコミュニティにはよっぽど考えるより行動派の人が多いようで。



*11 四柱推命は統計ありますよ

ありません。
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