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引っ越し業者の営業スキルが凄すぎた
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最近引っ越す機会がありまして、見積もりをしてもらったのですが、その営業の口がとてもうまかったので、ここに書きたいと思います。
というのも、その営業がそういう研修を受けたのか、それとも自然と身に付けた能力なのかわかりませんが、様々な心理学テクニックを駆使していたからです。
①返報性の原理
まず、最初にお米を貰いました。
お米は一人暮らしとしてはありがたいプレゼントです。
たかがプレゼント、されどプレゼント、プレゼントにはとても大きなリターンが貰える可能性を秘めています。
例えば、心理学者デニス・リーガンが行った実験では、まず被験者の大学生に絵画を評価してもらいます。
評価の途中の休憩時間に、被験者に紛れたサクラが被験者に「君のためにコーラを買ってきたよ」と、自分用と被験者用の二本持ってきたパターンと、手ぶらのパターンを用意します。
その後、そのサクラが「実はチケットを買ってほしくて」と、個人的な話を持ち出してきます。
これは実は実験の一環なのですが、そのことは被験者には知らされていません。
被験者が購入したチケットの枚数は、コーラを貰った場合の方が、手ぶらで帰ってきた場合よりも二倍多く買っていました。
このことから、小さな親切は自分に返って来ることが分かります。
これは返報性の原理と言われています。
そして、今回僕はお米を貰いました。
僕は正直「やったー、お米貰ったー、ラッキー」程度にしか思っていませんでしたが、無意識に恩を返そうとしていたのかもしれません。
凄腕営業マンが使ったテクニックはもちろんこれだけではありませんでした。
②コントラスト効果
例えば、ある動画広告で以下のようなものがありました。
「この美容クリームは何と10万円!でも、この広告を見てくれたあなたにだけ特別に98%OFF!5000円でお買いいただけます!」
最初見た時は「すごく得じゃん!」と思うかもしれません。
しかし、ここで考えてみて下さい。
もし、元々5000円で売るつもりだとしたら?
最初に高い値段を見せつけ、後から値下げしてお得感を出し、購入しやすくするという手法はよく見られます。
これをコントラスト効果と言います。
動画広告の98%OFFは流石にやり過ぎだとは思いますが、洋服の半額セールなどもこのコントラスト効果が使われている可能性はあります。
今回営業マンが使っていたのは、最初に高めの値段を出しておき、次に値引きした場合の値段を提示します。
さらにもう一段階値引きした値段も提示してくれました。
上司に電話してペコペコしていましたが、どこまでが演技かわかりません。
そういうテクニックがありますが、自分は騙されたという感覚はありません。
他の業者と比べても安かったというのが理由の一つですが、他にもう一つあります。
投資です。
まだ見積もり段階なので実際の値段は変動する、ということを考慮に入れたとしても、優秀な人材がいるということが分かったので、投資という意味でもこの業者に頼んで後悔はありませんでした。
どうか僕のお金で優秀な人を育ててください。
③一貫性の法則
人間は自分の行動を一貫させたいと思っています。
例えば、1966年にジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーの実験があります。
カリフォルニアの住宅地に、ボランティアと称して家の前に交通安全を呼びかける看板を設置する、というものです。
一般のグループが「看板を置いていいですよ」と、頼み事を承諾したのは17%でしたが、あることをしたグループの承諾率は76%に跳ね上がりました。
それは、二週間前に交通安全を呼びかける小さなシールを配っていた、ということです。
「小さなシールを貼るだけ」と軽い頼みごとを承諾することで、看板の設置を許可しやすくなったのです。
驚くべきは、二週間経っても一貫性を保とうとしていたことです。
このように小さな頼み事を承諾させてから大きな頼みごとをすることをフットインザドアといいます。
今回僕は「帰る前に引っ越し用の段ボールを置いてもいいですか?」と聞かれ、それを許可しました。
先ほどの一貫性の原理から、段ボールを置く、ということは、契約成立に一歩近づいた、と言っても過言ではないのです。
元々頼むつもりではいましたが「一貫性のテクニックも使ってるのか」と感動しました。
以上が凄腕営業マンが使っていた心理学テクニックです。
他にも「シャンパンを立てる職人がいる」とか「日雇いを使う引っ越し業者は物を壊すことが多い」とか、面白いお話も聞けて満足でした。
以上の心理学テクニックを知ればビジネスの戦略も広がりますし、変な営業に騙されることもありません。
ぜひ参考にしていただければと思います。
参考文献:
『影響力の武器』著:ロバート・B・チャルディーニ 訳:社会行動研究会 出版:誠信書房
『限りなく黒に近いグレーな心理術』著:メンタリストDaiGo 出版:青春出版社
というのも、その営業がそういう研修を受けたのか、それとも自然と身に付けた能力なのかわかりませんが、様々な心理学テクニックを駆使していたからです。
①返報性の原理
まず、最初にお米を貰いました。
お米は一人暮らしとしてはありがたいプレゼントです。
たかがプレゼント、されどプレゼント、プレゼントにはとても大きなリターンが貰える可能性を秘めています。
例えば、心理学者デニス・リーガンが行った実験では、まず被験者の大学生に絵画を評価してもらいます。
評価の途中の休憩時間に、被験者に紛れたサクラが被験者に「君のためにコーラを買ってきたよ」と、自分用と被験者用の二本持ってきたパターンと、手ぶらのパターンを用意します。
その後、そのサクラが「実はチケットを買ってほしくて」と、個人的な話を持ち出してきます。
これは実は実験の一環なのですが、そのことは被験者には知らされていません。
被験者が購入したチケットの枚数は、コーラを貰った場合の方が、手ぶらで帰ってきた場合よりも二倍多く買っていました。
このことから、小さな親切は自分に返って来ることが分かります。
これは返報性の原理と言われています。
そして、今回僕はお米を貰いました。
僕は正直「やったー、お米貰ったー、ラッキー」程度にしか思っていませんでしたが、無意識に恩を返そうとしていたのかもしれません。
凄腕営業マンが使ったテクニックはもちろんこれだけではありませんでした。
②コントラスト効果
例えば、ある動画広告で以下のようなものがありました。
「この美容クリームは何と10万円!でも、この広告を見てくれたあなたにだけ特別に98%OFF!5000円でお買いいただけます!」
最初見た時は「すごく得じゃん!」と思うかもしれません。
しかし、ここで考えてみて下さい。
もし、元々5000円で売るつもりだとしたら?
最初に高い値段を見せつけ、後から値下げしてお得感を出し、購入しやすくするという手法はよく見られます。
これをコントラスト効果と言います。
動画広告の98%OFFは流石にやり過ぎだとは思いますが、洋服の半額セールなどもこのコントラスト効果が使われている可能性はあります。
今回営業マンが使っていたのは、最初に高めの値段を出しておき、次に値引きした場合の値段を提示します。
さらにもう一段階値引きした値段も提示してくれました。
上司に電話してペコペコしていましたが、どこまでが演技かわかりません。
そういうテクニックがありますが、自分は騙されたという感覚はありません。
他の業者と比べても安かったというのが理由の一つですが、他にもう一つあります。
投資です。
まだ見積もり段階なので実際の値段は変動する、ということを考慮に入れたとしても、優秀な人材がいるということが分かったので、投資という意味でもこの業者に頼んで後悔はありませんでした。
どうか僕のお金で優秀な人を育ててください。
③一貫性の法則
人間は自分の行動を一貫させたいと思っています。
例えば、1966年にジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーの実験があります。
カリフォルニアの住宅地に、ボランティアと称して家の前に交通安全を呼びかける看板を設置する、というものです。
一般のグループが「看板を置いていいですよ」と、頼み事を承諾したのは17%でしたが、あることをしたグループの承諾率は76%に跳ね上がりました。
それは、二週間前に交通安全を呼びかける小さなシールを配っていた、ということです。
「小さなシールを貼るだけ」と軽い頼みごとを承諾することで、看板の設置を許可しやすくなったのです。
驚くべきは、二週間経っても一貫性を保とうとしていたことです。
このように小さな頼み事を承諾させてから大きな頼みごとをすることをフットインザドアといいます。
今回僕は「帰る前に引っ越し用の段ボールを置いてもいいですか?」と聞かれ、それを許可しました。
先ほどの一貫性の原理から、段ボールを置く、ということは、契約成立に一歩近づいた、と言っても過言ではないのです。
元々頼むつもりではいましたが「一貫性のテクニックも使ってるのか」と感動しました。
以上が凄腕営業マンが使っていた心理学テクニックです。
他にも「シャンパンを立てる職人がいる」とか「日雇いを使う引っ越し業者は物を壊すことが多い」とか、面白いお話も聞けて満足でした。
以上の心理学テクニックを知ればビジネスの戦略も広がりますし、変な営業に騙されることもありません。
ぜひ参考にしていただければと思います。
参考文献:
『影響力の武器』著:ロバート・B・チャルディーニ 訳:社会行動研究会 出版:誠信書房
『限りなく黒に近いグレーな心理術』著:メンタリストDaiGo 出版:青春出版社
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