【完結】なんと!悪役令嬢はいなかったのです!

ねねこ

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終わったならこっちのもの

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「…よって、次男のオリバーを皇太子とす」

「父上!どういうことですか!?この悪女に騙されてはいけません!!」

回想から早速戻ってきたわたくしの耳に入ってきたのは王の沙汰とレオナルド殿下の悲鳴に近い叫び声でした。

「どうもこうもないだろう。お前はそこの平民と散々浮気をしたところをアンジェリカ嬢に証拠として撮られておる。王家とエトナディット家の契約を壊したのはお前だ」

「しかし…!!」

「それに悪女に騙されているというのはお前だろう?その平民の女はお前以外にも関係を持っている様だぞ」

「なっ…そんなはずは…アリエッタ、俺だけだよな?愛していると言ったのは俺だけだよな!?」

「れ…レオナルド殿下…」

「…信じられぬというなら見るがいい」

そして件の映し絵は会場にばら撒かれました。それはまさにアリエッタがハーレムルートを駆け抜けた際に発生する色んなキャラとの濡れ場スチルでした。
おそらくわたくしが映し絵を提出した後、アリエッタがどんな女性か調べる為に、王家はアリエッタを張ったのでしょう。

「きゃあああ!?やめて!やめてちょうだい!!こんなの…こんなの嘘よ!!合成よ!!」

これにはさすがに皆さんドン引きでしたわね。こればっかりは言い訳できないでしょう。

「アリエッタさん。映し絵は真実しか写せないのをご存知なかったかしら?法廷での証拠としては十分なのですよ」

そして耳元でこっそりと告げてあげました。

「ご存じかしら?ゲーム最終日は3年目3月の31日までですわ。さて、今は何日かしら?」

「何日って…3月31日…っまさか!?」

「今は4年目の4月1日…12時の鐘はもう鳴ってらしてよ、?」

そう、今は4月1日。妖精が生まれてちょうど3年。ゲーム期間は終わり、妖精はすでにこの世にはいない。だからこの決定的な証拠を前に【不思議な魅力】クソチートがない主人公なんて赤子も同然ということです。

「あんた…ゲームだって知って…!?」

「……その女を牢に繋げ」

目を見開いた彼女に王は慈悲もなくその言葉を告げました。呆然となっていたアリエッタはハッとして、群衆に振り返ります。

「うそよ…これは嘘!!みんなは許してくれるわ!!いままでだってそうだった!!そうよね!レオナルド!」

レオナルド殿下はアリエッタを見ようとはしませんでした。と、いいますか…この場にいる人間のほとんどが冷たい視線を向けています。
それでもアリエッタは諦めようとせず、攻略相手に助けを求めながら退場していきました。まあ誰も助けようとしなかったのですけど。

「アンジェリカ、遅くなってすまない」

「オリバー殿下」

入れ違いで新しい婚約者で、たった今皇太子となったオリバー殿下がやってきました。
オリバー殿下はわたくしより2つ下です。レオナルド殿下のような華のあるタイプではありませんが、見た目も言動も知的でメガネがよく似合うお方です。

「オリバー…お前!皇太子の座をずっと狙って…!!アンジェリカと驕傲して俺を嵌めるとは!!」

彼は大変ご立腹のレオナルド殿下から、わたくしをかばうように立ちました。
ま!紳士ですのね…思わず好きになってしまいそうです。

「兄上、オレは別に王位は狙ってませんよ?」

「でもお前らの所為で俺は」

「全部兄上の所為です。自業自得じゃないですか。アンジェリカとの婚約を無碍にしたのは間違いなく兄上です。その責任を取らされるのは当然では?」

的確な反論に何も言い返せないレオナルド殿下は思わず言葉が詰まりました。

「し、しかし…」

賢くて美人な女性アンジェリカがオレのお嫁さんになってくれるのは嬉しいですが、別に皇太子の座は狙ってた訳ではないですよ。…逆にいい迷惑なんですよほんと。オレはどちらかというと適当な領地でももらってのんびりしたかったんですけどね。
まあこれは王家に生まれた故の王位継承者第二位スペアという義務でもありますからね。仕方がない」

オリバー殿下はわたくしの手に恭しくキスをし、わたくしを優しく見つめます。
それにしても…オリバー殿下ったらわたくしのこと美しくて賢いだなんて…どっかのアホ殿下とは大違いですわね!

(…そういえばわたくしこの男に褒められたことなんて1回もなかったですわ)

そう思うとますます腹が立ってきたのですが、その心情を知ってか知らずか、レオナルド王子はこんな寝言のようなことを言い出したのです。

「あ…アンジェリカ!お前は…お前はまだなんだろう?お前のことをから、どうか父上に執りなしてくれないか?」

「は?」

思わずお嬢様らしくない返事が出てしまいました。でもそれも仕方がないことです。
こんな世迷い事を言われたら誰だってこうなるでしょう?

「誰が誰を好きで…誰が誰を許すと?」

「だから、お前が俺のことを…」

「黙らっしゃい!!!」

余りの勘違いっぷりにイラっと来てしまった為、つい声を荒げてしまいました。
でも殴り掛からなかっただけでも褒めてくださいまし。

こういうクソ男にはきちんと言わないといけないですもの。

「本当に解ってないようですね。わたくしがいつあなたのことが好きであったと?」

「そうじゃなきゃアリエッタにヤキモチを焼いたりしないだろ?」

「そもそも貴方との婚約だって、親同士が決めたことです。わたくしは貴方のその自分にだけ都合のいい考え方が大嫌いですが、婚約は公爵令嬢…国のために義務として我慢しておりました」

「そんな素直になるんだ!今からでも遅くはないぞ」

そしてわたくしは一呼吸し、はっきりと大声で言って差し上げました。

「…もう通じないようですからはっきりと言いますね。わたくしは貴方のことが大嫌いで、出来れば顔も見たくありません!そもそも人との大事な約束を守れないような男に国王が務まるわけがないでしょう!!」

その怒鳴り声に会場が一瞬シーンとなり、誰もが顔を見合わせます。そして、まばらに拍手が始まったかと思うと、それは大きな拍手へと変わっていきます。つまりこの会場の殆どは私の意見に賛成ということです。

「…そんな…俺は…俺…は…」

愕然とし、膝から崩れ落ちたレオナルド殿下は兵士たちに支えられて退場していきました。こうして逆断罪は無事に終焉を迎えたのです。

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