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第十九話︰手を焼く指導役
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「やァお二人さん、お揃いで。」
午後三時。閉じた扇子を振って稽古場に現れるのは、案内人の時紀である。
彼は紅蓮邸では常連扱いのようで、もはや使用人の案内すら付いていない。
「こんにちは、時紀さん。」
「来たね」
紬は軽く頭を下げて、日暮は腕を組みながら、彼を迎えた。
「お前さんが泣きつくもんで、来てやったよ」
「ハイハイどうも」
からかう時紀とあしらう日暮。二人のいつもの光景のようだ。
日暮が巻物を広げると、時紀はその肩に肘を置き、身をかがめて覗き込む。背丈が頭ひとつ分違う彼らだが、仕草の息がぴったりと合っている。
(聞いていた通り、本当に仲が良いのね)
噂が本当なら千年以上の付き合いだろうに、今でも頻繁に相手の所へ遊びに行くのだから、その仲は相当のものだろう。
感心しながら眺めていると、時紀が「うわァ」と眉を下げて笑った。
「今回の指導役、文音ちゃんか。こりゃ骨が折れる」
「だからお前を呼んだってわけ。俺一人じゃ手に負えない」
「お前、舐められてるからなァ」
二人が揃って手を焼くという文音。彼女がこれから、憧れの人を奪われた怒りを抱えて、自分を指導しに来るのだ。紬は寒気がしてきた体をさすった。
「!?」
その時だった。
目の前でバチッと光が弾けるように、未来が視えた。
「クナイが……!?」
クナイが自分に飛んでくる未来。この危機を感知した直後、視えた映像とまったく同じことが起こった。一本のクナイが、真っ直ぐこちらに向かってくる。
「!」
──ガキン!
すぐに鉄と鉄が激しくぶつかる音がして、クナイは地面に落とされた。
紬の前に出て急襲を防いだのは、時紀だった。
「危ねェなあ。こいつが鉄製で良かったよ」
クナイを弾いた黒扇子を揺らしてから、時紀はすっと目を細めて、咎めた。
「不意打ちの攻撃はやりすぎだろ、文音ちゃん。当たったらシャレになんねーんだから」
「ふんっ。この程度で怪我をするようじゃ、郷守の巫女なんて務まんないわよ。」
時紀の目線の先で姿を現したのは、獣耳を生やした一人の少女。くノ一のような格好をして、橙色の髪を二つに結い、つり上がった目でこちらを睨みつけている。
「そうでしょ?この泥棒猫。」
「……」
本当に泥棒猫と言われた。紬は開いた口が塞がらなくなった。
その頭に生えた耳を見て、どっちが猫だと返すところだったが、飲み込んだのは英断である。文音はすっかりこちらを目の敵にして、今にも噛みついてきそうな勢いだ。
「クナイには真っ先に気がついたようだけど……時紀に守られているんじゃダメダメね。巫女の名が聞いて呆れるわ!」
「いやいや、俺が防げたのは巫女様の予知があったからだって。」
「はあ~?アンタもなっさけない!」
「訓練受けてるお前さんと一緒にしないでほしいねぇ、こちとらただの案内人兼教師だぜ」
キィキィと声を上げる文音、それをあやすように相手する時紀。
入る隙もなく呆然としていると、隣の日暮が、それはそれは大きなため息を吐いた。
「もーー疲れる。相変わらずだなほんとに……」
「げ、元気な子ですね。とても。」
「うん……猫族の文音。あそこの血筋はどうも気が強くてイヤだよ。中でもこの子は飛び抜けて喧嘩っ早い。」
日暮の失礼な紹介を聞き逃さなかった文音が、「なんですって!?」と憤慨している。
面倒くさがりで良くも悪くも思ったことを言う日暮と、激情型で気が強い文音。これでは馬も合わないわけだ。
さて、この子とどう接したものかと思って、紬はおずおずと口を開いた。
「ええと……はじめまして、紬です。今日はご指導よろしくお願いします、文音さん。」
「……」
文音は相変わらずこちらを睨みつけて、不満そうに腕を組む。
「郷守の巫女……アンタが奥様の命を助けてなかったら、今頃ボコボコにしてるとこだわ。」
(なんて素直な敵意……)
危うくボコボコにされるところだった。ここでも奥様の存在に助けられた。奥様はこの子さえも手懐けているのかと、改めてその人望の厚さを思い知る。
「焔様のご命令だし、仕方なく稽古をつけてやるけどね。」
「!ありがとうございま……」
「それであたしの実力を知らしめて、彗月様の心を奪ってやるんだから……!」
「!?」
まさかの堂々たる宣戦布告をされ、紬は目を丸くした。
紬が彗月の妻であることは、紅蓮邸では周知の事実。そもそも、影族と巫女の結婚は代々決められていたことだというのに、このあやかし娘は未だに闘志の炎を燃やしているようだ。
「いやっ……困ります、それは」
「ムリでしょ」
「無理だなー」
あまりの熱意を前に少し慌てる紬に対し、二人は冷静に切り捨てている。
「お子様は相手にされないよ。」
「誰がお子様よ。このあたしの強さと可愛さで、振り向かないわけがないでしょ?」
「振り向いてないからこうなってるんじゃん」
「殴るわよ!?」
文音が握り拳をつくったところで、時紀が「まーまー」と割って入った。
「お前さん、顔で彗月さんに惚れたんだろ?顔がいい男なんざ他にもいるし、そろそろ身を引いてやんなって。」
「か、顔だけじゃないわよ。他にも強いところとか……格好いいところとか……」
「顔じゃん」
容赦なく口を挟む日暮に、文音がまた拳を向けている。つくづくこの二人は相性が悪い。
「あのねえっ、彗月様は焔様の側近よ?この里の二番手よ?そんな方のお嫁さんになれたら、玉の輿じゃない!」
「それ狙いかい」
「ほんと清々しいな君」
「とにかく、あたしと結婚するならそれぐらいの人じゃないと釣り合わないの。なのに、この女が現れたせいで……!」
文音はわなわなと拳を震わせてから、ビシッとこちらに指を突きつけた。
「あたしが行き遅れたら、アンタのせいだからね!郷守の巫女!」
「ええ……」
言いがかりにもほどがある。紬でなければ盛大にゲンナリとした顔を見せるところだ。これは、村のやんちゃな子供たちを相手にするよりも労力が要る。
「行き遅れねェように立候補してやんな、日暮」
「絶っ対イヤだね。この子かお前で選べって言われたらすぐにでもお前と式を挙げる」
「そりゃそうだ」
「アンタらどこまで失礼なの!?」
仲裁役を担ってくれていたのに、とうとうその時紀までも、文音の神経を逆撫でし始めた。このままだと稽古どころではない。
(とにかく、この場を落ち着かせないと……)
村にいた頃は、数々の子供の喧嘩を収めてきたものだ。その経験を生かすのよと自分に言い聞かせながら、紬は思い切って行動に出る。
「行き遅れるだなんて、そんな。こんなに可愛らしいんだから、すぐにいい人が見つかりますよ。」
「……え?」
ピク、と耳が動き、丸くなった目がこちらを向いた。
「もう一度言ってみて?」
「文音さんほどお可愛い方なら、殿方が放っておかないでしょう。それはもう引く手数多ですよ。」
「……」
文音はジッと紬を見てから、目を閉じて、腕を組む。
「……具体的にはどんな所が?」
よし、かかった。
紬は密かに拳を握ってから、未来に意識を集中させる。
ここで選択肢を間違えてはいけない。どこを褒めるのが嬉しいか、どう言われたら喜ぶか。“未来予知”を駆使して最善を探し、一手一手と決めていく。
「パッチリとした目、鮮やかな髪、口元に覗く八重歯、しなやかな手足。猫のお耳も可愛らしいし、挙げたらキリがありません」
「ふーん……それで?」
「その二つに結った髪型、ご自身の魅力を最大限引き出していますね。ほつれもなく綺麗に結ばれていて、手先の器用さと可愛くあるための努力が伺えます」
「へえー……わかってるじゃない。」
明らかに満更でもない様子だ。このまま畳みかける。
「容姿はさることながら、自分に自信を持っているところも素晴らしいと思います。自信が持てるということは努力をしているということですし、がんばる女の子は魅力的です。」
「ふんふん……」
「つい怒ってしまうところも、年頃の女の子らしくて可愛らしいですよね。私は自分の感情を出すのが苦手で、何を考えているか分からなくて怖いと言われてしまうので、憧れます。」
「……ふーん……憧れるのね。ふぅーん……」
文音はぎこちなく口元を動かしてから、両手を腰に当てる。そして、ツンと顔を背けて言った。
「そんなにあたしに憧れてるなら、邪険にするのも可哀想かもね?」
「!」
紬は勝利を確信した。日暮と時紀は、眉をつり上げた顔を見合わせた。
「あたしの優しさに免じて、アンタを許してやらないこともないわ。」
「文音さん……!」
──勝負あった。彼女の心をこじ開けることに成功したのだ。
安堵と達成感で晴れやかな顔をする紬と対照的に、日暮は「未来予知をこんなことに使うなよ……」とボヤいていた。その隣の時紀は、笑いを堪えるのに必死だった。
午後三時。閉じた扇子を振って稽古場に現れるのは、案内人の時紀である。
彼は紅蓮邸では常連扱いのようで、もはや使用人の案内すら付いていない。
「こんにちは、時紀さん。」
「来たね」
紬は軽く頭を下げて、日暮は腕を組みながら、彼を迎えた。
「お前さんが泣きつくもんで、来てやったよ」
「ハイハイどうも」
からかう時紀とあしらう日暮。二人のいつもの光景のようだ。
日暮が巻物を広げると、時紀はその肩に肘を置き、身をかがめて覗き込む。背丈が頭ひとつ分違う彼らだが、仕草の息がぴったりと合っている。
(聞いていた通り、本当に仲が良いのね)
噂が本当なら千年以上の付き合いだろうに、今でも頻繁に相手の所へ遊びに行くのだから、その仲は相当のものだろう。
感心しながら眺めていると、時紀が「うわァ」と眉を下げて笑った。
「今回の指導役、文音ちゃんか。こりゃ骨が折れる」
「だからお前を呼んだってわけ。俺一人じゃ手に負えない」
「お前、舐められてるからなァ」
二人が揃って手を焼くという文音。彼女がこれから、憧れの人を奪われた怒りを抱えて、自分を指導しに来るのだ。紬は寒気がしてきた体をさすった。
「!?」
その時だった。
目の前でバチッと光が弾けるように、未来が視えた。
「クナイが……!?」
クナイが自分に飛んでくる未来。この危機を感知した直後、視えた映像とまったく同じことが起こった。一本のクナイが、真っ直ぐこちらに向かってくる。
「!」
──ガキン!
すぐに鉄と鉄が激しくぶつかる音がして、クナイは地面に落とされた。
紬の前に出て急襲を防いだのは、時紀だった。
「危ねェなあ。こいつが鉄製で良かったよ」
クナイを弾いた黒扇子を揺らしてから、時紀はすっと目を細めて、咎めた。
「不意打ちの攻撃はやりすぎだろ、文音ちゃん。当たったらシャレになんねーんだから」
「ふんっ。この程度で怪我をするようじゃ、郷守の巫女なんて務まんないわよ。」
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「そうでしょ?この泥棒猫。」
「……」
本当に泥棒猫と言われた。紬は開いた口が塞がらなくなった。
その頭に生えた耳を見て、どっちが猫だと返すところだったが、飲み込んだのは英断である。文音はすっかりこちらを目の敵にして、今にも噛みついてきそうな勢いだ。
「クナイには真っ先に気がついたようだけど……時紀に守られているんじゃダメダメね。巫女の名が聞いて呆れるわ!」
「いやいや、俺が防げたのは巫女様の予知があったからだって。」
「はあ~?アンタもなっさけない!」
「訓練受けてるお前さんと一緒にしないでほしいねぇ、こちとらただの案内人兼教師だぜ」
キィキィと声を上げる文音、それをあやすように相手する時紀。
入る隙もなく呆然としていると、隣の日暮が、それはそれは大きなため息を吐いた。
「もーー疲れる。相変わらずだなほんとに……」
「げ、元気な子ですね。とても。」
「うん……猫族の文音。あそこの血筋はどうも気が強くてイヤだよ。中でもこの子は飛び抜けて喧嘩っ早い。」
日暮の失礼な紹介を聞き逃さなかった文音が、「なんですって!?」と憤慨している。
面倒くさがりで良くも悪くも思ったことを言う日暮と、激情型で気が強い文音。これでは馬も合わないわけだ。
さて、この子とどう接したものかと思って、紬はおずおずと口を開いた。
「ええと……はじめまして、紬です。今日はご指導よろしくお願いします、文音さん。」
「……」
文音は相変わらずこちらを睨みつけて、不満そうに腕を組む。
「郷守の巫女……アンタが奥様の命を助けてなかったら、今頃ボコボコにしてるとこだわ。」
(なんて素直な敵意……)
危うくボコボコにされるところだった。ここでも奥様の存在に助けられた。奥様はこの子さえも手懐けているのかと、改めてその人望の厚さを思い知る。
「焔様のご命令だし、仕方なく稽古をつけてやるけどね。」
「!ありがとうございま……」
「それであたしの実力を知らしめて、彗月様の心を奪ってやるんだから……!」
「!?」
まさかの堂々たる宣戦布告をされ、紬は目を丸くした。
紬が彗月の妻であることは、紅蓮邸では周知の事実。そもそも、影族と巫女の結婚は代々決められていたことだというのに、このあやかし娘は未だに闘志の炎を燃やしているようだ。
「いやっ……困ります、それは」
「ムリでしょ」
「無理だなー」
あまりの熱意を前に少し慌てる紬に対し、二人は冷静に切り捨てている。
「お子様は相手にされないよ。」
「誰がお子様よ。このあたしの強さと可愛さで、振り向かないわけがないでしょ?」
「振り向いてないからこうなってるんじゃん」
「殴るわよ!?」
文音が握り拳をつくったところで、時紀が「まーまー」と割って入った。
「お前さん、顔で彗月さんに惚れたんだろ?顔がいい男なんざ他にもいるし、そろそろ身を引いてやんなって。」
「か、顔だけじゃないわよ。他にも強いところとか……格好いいところとか……」
「顔じゃん」
容赦なく口を挟む日暮に、文音がまた拳を向けている。つくづくこの二人は相性が悪い。
「あのねえっ、彗月様は焔様の側近よ?この里の二番手よ?そんな方のお嫁さんになれたら、玉の輿じゃない!」
「それ狙いかい」
「ほんと清々しいな君」
「とにかく、あたしと結婚するならそれぐらいの人じゃないと釣り合わないの。なのに、この女が現れたせいで……!」
文音はわなわなと拳を震わせてから、ビシッとこちらに指を突きつけた。
「あたしが行き遅れたら、アンタのせいだからね!郷守の巫女!」
「ええ……」
言いがかりにもほどがある。紬でなければ盛大にゲンナリとした顔を見せるところだ。これは、村のやんちゃな子供たちを相手にするよりも労力が要る。
「行き遅れねェように立候補してやんな、日暮」
「絶っ対イヤだね。この子かお前で選べって言われたらすぐにでもお前と式を挙げる」
「そりゃそうだ」
「アンタらどこまで失礼なの!?」
仲裁役を担ってくれていたのに、とうとうその時紀までも、文音の神経を逆撫でし始めた。このままだと稽古どころではない。
(とにかく、この場を落ち着かせないと……)
村にいた頃は、数々の子供の喧嘩を収めてきたものだ。その経験を生かすのよと自分に言い聞かせながら、紬は思い切って行動に出る。
「行き遅れるだなんて、そんな。こんなに可愛らしいんだから、すぐにいい人が見つかりますよ。」
「……え?」
ピク、と耳が動き、丸くなった目がこちらを向いた。
「もう一度言ってみて?」
「文音さんほどお可愛い方なら、殿方が放っておかないでしょう。それはもう引く手数多ですよ。」
「……」
文音はジッと紬を見てから、目を閉じて、腕を組む。
「……具体的にはどんな所が?」
よし、かかった。
紬は密かに拳を握ってから、未来に意識を集中させる。
ここで選択肢を間違えてはいけない。どこを褒めるのが嬉しいか、どう言われたら喜ぶか。“未来予知”を駆使して最善を探し、一手一手と決めていく。
「パッチリとした目、鮮やかな髪、口元に覗く八重歯、しなやかな手足。猫のお耳も可愛らしいし、挙げたらキリがありません」
「ふーん……それで?」
「その二つに結った髪型、ご自身の魅力を最大限引き出していますね。ほつれもなく綺麗に結ばれていて、手先の器用さと可愛くあるための努力が伺えます」
「へえー……わかってるじゃない。」
明らかに満更でもない様子だ。このまま畳みかける。
「容姿はさることながら、自分に自信を持っているところも素晴らしいと思います。自信が持てるということは努力をしているということですし、がんばる女の子は魅力的です。」
「ふんふん……」
「つい怒ってしまうところも、年頃の女の子らしくて可愛らしいですよね。私は自分の感情を出すのが苦手で、何を考えているか分からなくて怖いと言われてしまうので、憧れます。」
「……ふーん……憧れるのね。ふぅーん……」
文音はぎこちなく口元を動かしてから、両手を腰に当てる。そして、ツンと顔を背けて言った。
「そんなにあたしに憧れてるなら、邪険にするのも可哀想かもね?」
「!」
紬は勝利を確信した。日暮と時紀は、眉をつり上げた顔を見合わせた。
「あたしの優しさに免じて、アンタを許してやらないこともないわ。」
「文音さん……!」
──勝負あった。彼女の心をこじ開けることに成功したのだ。
安堵と達成感で晴れやかな顔をする紬と対照的に、日暮は「未来予知をこんなことに使うなよ……」とボヤいていた。その隣の時紀は、笑いを堪えるのに必死だった。
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