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3章 逆境は真実へと至る最初の道筋である。
泣いて、泣き喚いて、泣き止んだから
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散々泣いて、喚いて、弱音も吐いた。だから、
「泣くのは、終わり………」
涙を拭いながら言う。
自分の境遇を憂いてもしょうがない。先のことを考えなければ。
最初こそ、もう死にたいと思っていた。だが、
「折角、アイトに残してもらった命だもん」
無駄にはさせない。
だが、どうすればいい?レベッカに手を差し伸べてくれる人なんてもういない。
「でも、その前に考えなくちゃいけないことがある」
何故、アイトが死んだのか、だ。
前日までは何事もなかったはずだ。
「死ぬような、予兆もなかった、よね」
思い返しても、そんな気配はなかった。そもそも、アイトならば呪いにかけられても気付いたし、発動しても無効化できたはずだ。
つまり、それができない理由があった。
呪いに気づかないほど憔悴していた?何故?
「なにか、原因が………」
記憶を更に過去へと遡ってみる。
遡って………
「………あっ」
手紙だ。
アイトが話してくれた呪いの手紙。
赤い文字で宛先が書かれており、内容も赤い文字で『救世主』と書かれていただけの、手紙。
「厄災が、降りかかるって………」
ならば、アイトが死ぬ事が厄災なのだろうか。
確かに、この上ない不幸だ。アイトも、この手紙のことを考慮して、予め周りに少ないが信用を築いてくれていたのだろう。
まぁ、それを帳消しにするレベルの不幸が降り立ったのだが。
「呪いの効果は様々………」
恋人と別れたり、お気に入りの食器が割れたり、家族が少し大袈裟に怪我したり………
そしてレベッカは、恋人が死んだ。
まるで、アイトの死が、その程度の不幸と同程度だと言わんばかりに。
「巫山戯るな………」
レベッカの身体から怒気が溢れ出す。
恋人と別れるのと、食器が割れるのと、家族が怪我するのと、アイトの死は同程度だと、手紙の送り主は言うのだ。
レベッカにとって、唯一無二の恋人の死が、だ。
レベッカの瞳がどす黒く濁っていくのがわかる。
だが、それがどうした。そんなもの、今のレベッカにとっては、何も気にするものでは無い。
「徹底的に、やらなきゃ………」
いつも優しいアイトも言っていた。
中途半端な敵に情けをかけても無駄だと。やるなら徹底的にだ。
これをやっても、意味が無いとわかっている。レベッカの心が少し晴れるかもしれないだけで、状況は何も変わらないと。
だけど、
「手紙の送り主を探し出して、絶対に殺す」
その殺意を抱いたまま、レベッカは未だ雨が降り続ける森の中に歩き出した。
「泣くのは、終わり………」
涙を拭いながら言う。
自分の境遇を憂いてもしょうがない。先のことを考えなければ。
最初こそ、もう死にたいと思っていた。だが、
「折角、アイトに残してもらった命だもん」
無駄にはさせない。
だが、どうすればいい?レベッカに手を差し伸べてくれる人なんてもういない。
「でも、その前に考えなくちゃいけないことがある」
何故、アイトが死んだのか、だ。
前日までは何事もなかったはずだ。
「死ぬような、予兆もなかった、よね」
思い返しても、そんな気配はなかった。そもそも、アイトならば呪いにかけられても気付いたし、発動しても無効化できたはずだ。
つまり、それができない理由があった。
呪いに気づかないほど憔悴していた?何故?
「なにか、原因が………」
記憶を更に過去へと遡ってみる。
遡って………
「………あっ」
手紙だ。
アイトが話してくれた呪いの手紙。
赤い文字で宛先が書かれており、内容も赤い文字で『救世主』と書かれていただけの、手紙。
「厄災が、降りかかるって………」
ならば、アイトが死ぬ事が厄災なのだろうか。
確かに、この上ない不幸だ。アイトも、この手紙のことを考慮して、予め周りに少ないが信用を築いてくれていたのだろう。
まぁ、それを帳消しにするレベルの不幸が降り立ったのだが。
「呪いの効果は様々………」
恋人と別れたり、お気に入りの食器が割れたり、家族が少し大袈裟に怪我したり………
そしてレベッカは、恋人が死んだ。
まるで、アイトの死が、その程度の不幸と同程度だと言わんばかりに。
「巫山戯るな………」
レベッカの身体から怒気が溢れ出す。
恋人と別れるのと、食器が割れるのと、家族が怪我するのと、アイトの死は同程度だと、手紙の送り主は言うのだ。
レベッカにとって、唯一無二の恋人の死が、だ。
レベッカの瞳がどす黒く濁っていくのがわかる。
だが、それがどうした。そんなもの、今のレベッカにとっては、何も気にするものでは無い。
「徹底的に、やらなきゃ………」
いつも優しいアイトも言っていた。
中途半端な敵に情けをかけても無駄だと。やるなら徹底的にだ。
これをやっても、意味が無いとわかっている。レベッカの心が少し晴れるかもしれないだけで、状況は何も変わらないと。
だけど、
「手紙の送り主を探し出して、絶対に殺す」
その殺意を抱いたまま、レベッカは未だ雨が降り続ける森の中に歩き出した。
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