家族に疎まれて、醜穢令嬢として名を馳せましたが、信用出来る執事がいるので大丈夫です

花野拓海

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3章 逆境は真実へと至る最初の道筋である。

鳥肉って鳥に似てないのになんで鳥って言うんだろう

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 風の速さでルーズ領に戻ってきたレベッカは、休息を摂るために一時的に森の中の洞窟に身を隠し、睡眠を取った。
 この時点でアイトの死亡から一日が経過したのだが、今は気にしない。

 目的を達成するために、ゆっくりと休んだレベッカは、ルーズ領への潜入を試みる。

「でも、警備が強化されてる可能性もあるんだよね………」

 警戒のため、見た目を魔法で誤魔化し、透明化の魔法を使う。
 容姿を変え、見た目も変えたレベッカの姿に気付くものは少数だろう。
 時刻は夜。となると不審者の侵入が増える時間でもある。故に警備はより厳重になるであろう。

 そうして街の入口まで歩を進めたレベッカだったのだが、

「なんだか、拍子抜け」

 あっさりと入ることができた。
 透明化の魔法を見破られることも無く、難なく再びルーズ領に入ることに成功したレベッカは人目のつかない路地裏で透明化の魔法を解除した。
 もしかしたら、レベッカを探すために他の兵士は外に出ているのかもしれない。

「でも、罠かもしれない………」

 ヴァインヒルトやルルアリアは、レベッカを騙すことが、貶めることが大好きだ。だから今回もレベッカを騙すための作を練っている可能性は十二分に有り得るが、

「ここで気にしても仕方がない、かな」

 レベッカは進むことを選んだ。
 そこから慎重に進み、無事に屋敷の近くに到達。
 慣れ親しんだ屋敷が目に入っても、レベッカの感情は動く、事務的に透明化したレベッカは屋敷の窓からの侵入を試みたのだが、

「ダメ。鍵がかかってる」

 存外、きちんと戸締りがされていた屋敷にレベッカは驚嘆する。
 レベッカ対策なのかは知らないが、これ以上犠牲者を出さないという強い意思を感じる。

「まあ、関係ないけどね」

 そう言うと、レベッカは短距離転移魔法で無理やり屋敷に侵入する。
 アイトならば容易に扱えていた転移魔法も、レベッカは少し集中しなければ満足に発動することもできない。
 でも、まさかヴァインヒルトもレベッカが転移魔法まで習得しているのは予想外なのだろう。

「外部からの魔法干渉への抵抗が弱すぎる」

 壊して入れば、その瞬間にバレる。そのことを考えていたのだろうが、今のレベッカからしてみれば格好の的だ。

「えっと、アイトの部屋は………」

 まるで自分はここにいて当然とでも言うかのように堂々と屋敷内部を歩くレベッカ。
 透明化の魔法のこともあり、誰にもバレることがないことはわかっていてが、途中で違和感を感じた。

「なんで………?」

 何故か、誰ともすれ違わないのだ。

「もう全員休んでる?」

 それは無い。元とはいえ、レベッカもこの家の住民。レベッカが侵入した時間は午後の11時頃。全員ではないとはいえ、まだ使用人は働いている時間のはずだ。

「人数を、減らした?」

 なぜ?決まっている。屋敷の労働力を夜に侵入してきた敵に減らされないため。そして、

「自分たちの攻撃の巻き添えで死なないようにするため」

 つまり、ヴァインヒルト達は全力でレベッカを殺しに来るだろう。

「覚悟、決めないとね」

 来るならば迎え撃つ。ルルアリアとトリスタンは来ないだろう。来るとすればヴァインヒルト一人。

 ヴァインヒルト自身はそこまで強くはない。だが、厄介なのだ。

「でも、今はそんなことを気にしても仕方がないかな………」

 そうしてアイトの部屋の前に辿り着いたレベッカは、入る前に罠がないか確認する。

「………やっぱり。警報と爆破の術式がある」

 触れた瞬間に、触れた対象を爆破しつつ、大音量の警報によって何者かの侵入を知らせるつもりだったのだろう。

 無理矢理突破してもそれは同じ。

「想像以上に用心深いね………」

 だが、やはり詰めが甘い。

「転移魔法で………」

 ひっそりと中へと侵入したレベッカは、アイトの部屋の真ん中に出現した。

「部屋には、何もなかったのかな………?」

 そうして部屋を見渡すと、机の上に手紙が置いているのを見つけた。

「あった」

 そうして、レベッカはなんの警戒もなく、その場から動き手紙を取ろうとした。
 そうして、レベッカが一歩目を踏み出した瞬間

ビィィィィィィ!

「!!??」

 驚愕に肩を揺らしたレベッカが聞いたのは、大音量の警告音だった。
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