至急、君との交際を望む

小田マキ

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 ミュラーリヤ第三弓騎兵隊隊長であるクラリス・ヴィアッカは、十一年間に及ぶ軍隊生活の中で一番の正念場にあった。
 極北の国サリュートは、ミュラーリヤ連合加盟国の中でも一、二を争う神秘と謎に包まれた国である。連合支部こそ置かれているが、サリュート国内在留の他民族は連合関係者の僅か百人足らずしかいなかった。連合加盟に際しても、サリュートの文化、伝承を他国に持ち出すことを固く禁ずるという取り決め……加盟当時のそれぞれの代表の名から取ったリーサレク・ハロルド条約が結ばれたために、世界中の民俗学者達の探求心を刺激してやまないのだ。
 それでも、近年になると文化的鎖国はやや軟化しつつある。かつてはあり得なかった異種間婚姻も認められ、サリュート在留の連合職員だったソルケット人を父に持つシャトリン始め、連合軍内にも混血児……ムライドの姿を認めるようになった。
 それでも、連合関係者以外の他国民がサリュートに入国するには、今もって厳しい審査がされていると聞くが……。
「おまっ……私事って何だ、私事って! 今更国内常駐厳守の騎兵隊員規定を知らんとは言わせないぞっ! 綺麗事並べといて、結局はお前の一存で評議会決定も無視かっ? 出国前審査もすっ飛ばすのかっ、今からじゃ感染症予防対策も間に合わないだろうが!」
 シャトリンのとんでも発言に、綺麗さっぱり酔いが吹っ飛んだらしいアーチャーは猛反発する。医者目線の懸念を述べることも忘れない。
「私はサリュートのムライドとして、当然の権利を行使しているだけだ。リーサレク・ハロルド条約は、何をおいても優先される……アーチャー大尉、ここから先の話は貴男方には聞かせられない。スーリ准尉を連れて部屋から出て行ってもらおうか、彼はもう限界だ」
「スーリ君っ?」
「おい、お前どうしたっ?」
 彼の最後の言葉でようやく狼人の部下の異変に気付いたクラリスとアーチャーは、驚きの声を上げる。
 寝台の脇に蹲ったスーリは、常にピンと立った耳を力なく垂らし、犬のように浅い息を繰り返している。俯いているために表情はよく分からないが、切れ上がった口元にだらりと垂れた長い舌からは、嚥下出来ない唾液がポタポタと滴っていた。単純に酩酊して体調を崩したのではないように見える。
「おい、犬ッコロ! スーリっ、しっかりしろ!」
 すぐさま寝台から飛び降りたアーチャーがその肩を抱き起こすが、全身の骨が溶けたようにぐにゃりと彼に寄り掛かる姿は、やはり尋常ではなかった。背中から支えるアーチャーの右肩に仰向けに頭を預けたスーリは、大きな口の端に泡を溜めている。
「……っ、大佐?」
 咄嗟に駆け寄ろうとした自らの腕を掴んで止められ、クラリスはシャトリンに非難を込めた視線を注いだ。
「中てられただけだ、部屋から連れ出せば元に戻る」
 だから狼人は、と彼は呟くように続ける。スーリの尋常ではない状態が、まるで自らによって引き起こされたような口振りのシャトリンに、クラリスは困惑しかなかった。謹慎を解除すると言ったり、サリュートに一緒に来いと言ったり……彼の目的が全く読めない。
「ここじゃどうにも出来ない、医務室に運ぶっ……!」
 二人が睨み合っている間に、アーチャーは脇の下に腕を入れてスーリを何とか立ち上がらせた。
「私も一緒にっ……」
「君は残れ、少尉。話は終わっていない」
 覚束ない足取りで自分の脇をすり抜け、外に出ていく彼らの後を追おうとしたが、シャトリンはいまだ掴んだままクラリスの腕に力を籠めてくる。
「私に話はありません。今はスーリ准尉の容態の方が大事です……それに、話なら医務室でも」
 そんな彼を、挑むように見返して言ったクラリスだったが……。
「准尉はただ、上位種であるサリュートの血に中っただけだ。距離を取れば症状が消えるが、私の場合はそうはいかない……話を聞いてくれ、少尉。頼む」
 今まで漣一つ立たないと思われていた暗灰色の双眸とその声音に、僅かに縋るような色を見た気がした。
「クラリスっ、こっちは手いっぱいだ。悪いが、そっちは自分で何とかしてくれ!」
 拘束された彼女に向かって、廊下からアーチャーは医師としての職務を優先することを詫びてくる。そして、片割れを引き摺るような不揃いの足音が遠ざかっていき、程なくしてそれも聞こえなくなると、シャトリンはようやくクラリスの腕を解放した。
「ソルケット人の手順を踏むつもりだったが、ひと月も待っていられなくなった。悪戯に振り回してしまって、本当に申し訳ないと思っている」
 そして、半端に開いた扉を閉めると、自らを振り返ったシャトリンは、世にも珍しい殊勝な謝罪に続き、とんでもない要求を突きつけてくる。
「クラリス・ヴィアッカ少尉、私と性行為をしてほしい」
「ふぁっ? ……ひゃあ!」
 あまりに直接的な物言いにクラリスは素っ頓狂な悲鳴を上げ、反射的に後退る。動揺のあまり床に転がった酒瓶を踏みつけてしまった彼女は、すぐ後ろの寝台に倒れ込んだ。
「話が早くて助かるが、今ここでとは言っていない。まずはサリュートに向かわねば……」
「違いますっ、誤解です!」
 ある種まな板の上の魚なクラリスを前にして拡大解釈するシャトリンに、慌てて上体を起こして頭を横に振る。
「……まずいいですか? どうして私なのです?」
「私は五日前、君に交際を申し込んだはずだが?」
「直後に告発されましたし、てっきり聞き間違いかと思いましたよ」
 囚人護送任務の聴聞会後、足早に退出する彼はクラリスを一顧だにしなかったのだ。その姿に、クラリスはあの無味乾燥な告白が聞き間違いだったのだと結論付けた。元々金銭目的でなくとも、ヴィアッカ商会絡みの何か他の理由があるに違いない。そうとしか考えられなくて、当然だった。
 それゆえに、まさか「色恋など一切興味ございません」と言わんばかりの涼しげな顔で肉体関係を求められるとは、思いも寄らなかったのだ。
「感情とは決して発露させるものではなく、制御するものだ。だから、私は仕事に私事は持ち込まない」
「はっきりきっぱり持ち込んでるじゃないですか! 評議会が決定した処罰をひっくり返すなんて、かなりな職権乱用ですよっ? それに、隊長の私が隊を残して国を空けるなんてっ……」
「民族特権の行使だと言ったはずだ。サリュートの文化、伝承は最優先事項……君と違って、私は自分の権利を行使することに躊躇わない。それに今の第三弓騎兵隊の任務工程も承知している、大きな任務が入っていないからこそ君の長期謹慎も承認されたのだろう。王都の巡回程度の通常業務なら、准尉以下の隊員で事足りる」
「でも、でもっ……私はまだ大佐と交際することに、承諾さえしていません!」
「抜き差しならない事情により、省略させてもらった。だから、先に謝罪をしただろう」
「駄目っ、そこは省略しちゃ絶対駄目なところです!」
 テンポよく返ってくる答弁は、聴聞会と違って全くの理解不能だった。言葉は通じるのに、話が通じない。ここまで認識が食い違うと、彼が南国エジンサハラに生息する人間そっくりで人語も操るが、意思疎通は出来ないという甚だ厄介な高機能社会不適応生物、オオヒトモドキではないかと思えてくる。
 彼に限ったことではなく、サリュート人とは皆こうなのだろうか?
 世間一般の常識から乖離した言葉を繰り返すシャトリンに、クラリスは頭がおかしくなりそうだった。最早冷静とか、理性的とかいう次元の話ではない。彼が掲げる論理はとても無機質だ……物理的な攻撃になら幾らでも迎え撃てるが、こんな得体の知れない追い詰められ方の対処法など知らない。
 怖い。
 無意識に我が身をかき抱き、小さく身震いをする姿には、さすがに思うところがあったのだろう。彼女の足元の空き瓶やつまみ類を脇に押しやり、そこに膝をついたシャトリンは、最早土気色になった彼女の顔を見上げる。威圧感を抑えようとしての行動だと思うが、感情を完全に制御していると言うだけあって、こんな時でも暗灰色の双眸は揺るがない。
「ヴィアッカ少尉、何としてでも承諾してもらえなければ困るのだ。私は性交渉を行う対象として、君以外の選択肢は考えられない」
 ぐずる幼子に言い聞かせるように、一言一句区切って伝えられた台詞は、彼以外が発したなら随分と情熱的に聞こえただろうに。勿体ない、とクラリスはあくまで他人事のような感想を抱く。
 もちろん現実逃避だ。何か他所事を考えていなければ、今にも鼻先が触れ合いそうな距離感に叫び出しそうになるのだ。目の前の人物には及ばないものの、自分も十分表情筋が死滅しているので、黙ってさえいれば神妙に聞いている風に映るだろう。端から見れば、お互いに性行為だなんだと際どい応酬をしているようには到底見えないはずだ。
「少尉、集中してもらえまいか」
 己の鉄面皮に高をくくっていた彼女だったが、シャトリンには自分が上の空なことくらいお見通しだったらしい。彼も年季の入った無表情、舐めていた。どうせなら、クラリスがどうして動揺しているかまで汲み取ってほしい。
「ヴィアッカ少尉」
 再びのシャトリンの声に無色透明な圧力復活の気配を察知し、クラリスは意を決して口を開く。
「……っ、……お友達からでは駄目ですか?」
 どうにか絞り出した声は、無様に上擦っていた。
 二十六にもなって生っちょろいことを、という批判は聞かない。こちらは生まれてこの方ずっと死人顔で鳴らしてきたのだ。淡い初恋しか知らない自分に、個人的な付き合いが今まで一切なかった相手と性行為なんて難易度が高過ぎる。
「何度同じことを言わせるのだ、少尉。それでは間に合わない」
「ひっ……!」
 表情も口調も凪いでいるのに、クラリスは彼から途方もない圧迫感を感じて喉が鳴る。
「……なっ、何が一体間に合わないんですっ?」
「リーサレク・ハロルド条約に絡む秘匿事項だ、同族ではない君には明かせない」
 怯みながらも何とか尋ねると、右眉を軽く上げてシャトリンは頭を横に振る。彼が表立って見せる唯一の感情表現は、どうも怒りではなく戸惑いを表しているように感じる。自分が正しければ、シャトリンの論理武装の綻びはそこにあるような気がした。
「理由は言えないのに承諾しろなんて、あまりにも不誠実です。まずはそんなに急ぐ理由を教えてください。どうしても言えないと言うなら、父に全てをぶちまけます……大佐が仰った通り、使える力は全部使ってとことん追求しますよ」
 先程シャトリンがしたように、クラリスは一言一句区切るようにゆっくりと舌に乗せる。
 自分よりも強い者を倒す時は徹底的に弱点を狙え。それは卑怯でもなんでもない、弱者が取り得るただ一つの戦略だ……騎兵隊に入隊してからクラリスが初めて師事した、第三弓騎兵隊前隊長の言葉だ。父とも懇意にしていた彼は、綺麗事だけではないこの世界で生き抜くあらゆる戦術を自分に授けてくれた。
「……私は君に、余計な知恵をつけてしまったようだな」
 何かを逡巡するように、クラリスの暗い双眸を見返しながらどこか遠くを見ていたシャトリンが、まるで溜息を吐くように力ない言葉を吐き出した。
 勝った!
 それが自分にとって良いことなのか悪いことなのかはまだ分からないが、それでも押されっ放しの現状からは抜け出すことが出来たようだ。クラリスは心の中で安堵の吐息を吐く。
「少し長い話になる、隣に座ってもいいだろうか?」
「あっ……、済みません。どうぞ、どうぞ」
 まだ薄汚れた床に片膝をついたままだった彼に、寝台のど真ん中に腰掛けていたクラリスは、慌てて横にずれる。
「有難う。少尉……君は年齢にしては落ち着きのある人だと思っていたが、顔に出ないだけだったのだな」
「……お恥ずかしい限りですが、それで大佐に幻滅されたなら願ったり叶ったりです」
「いや、その程度の些事で私の気持ちは揺るがない」
 シャトリンが何とも珍しい毒気の抜けた声を出すので、クラリスもうっかり本音を零してしまうが、彼に気にした様子はない。どうしたって挫けないようだ。何故ここまで自分のような墓場臭い女が見込まれたのか、ただただ謎である。
「クラリス・ヴィアッカ少尉……今から話すことは、くれぐれも他言無用で頼む。一言でも他者に漏らせば、全てのサリュート人を敵に回すと考えてほしい」
「肝に銘じます」
 居住まいを正し、常に二割増しの厳めしい表情で言ってきた彼に、クラリスも緩みかけた心を引き締め、重々しく頷く。シャトリンはそんなクラリスに横顔を向け、正面を見据えたままおもむろに口を開いた。
「サリュート人には、成長期とは別に覚醒期というものがある。覚醒期になると、太古の昔にサリュート人が持ち得ていた特性が目覚めるのだ……覚醒期を迎えると、激しい破壊衝動と肉欲に駆られる。全ての衝動を番い相手に受け止めてもらえなければ、狂気に駆られて命を落とす。それがリーサレク・ハロルド条約で秘匿されたサリュート文化の全貌だ」
 淡々とした低音が端的に告げたのは、何とも過酷なサリュート人の実態だった。
「純粋なサリュート……サリュートリアンであれば覚醒期の時期は事前にはっきり分かるが、少尉も承知している通り私はムライドだ。君に交際を申し込んだ三日後に覚醒期を迎えてしまった。今は中和剤で抑えているが、それも長くは持たない。先程スーリ准尉が変調を来したのは、狼人の本能で私の中に眠る狂気に気付いたからだ。サリュート人と狼人族は遥か昔に分化したが、根っこは同じ種族だからな」
 だから君の返事も、謹慎明けも待てなかった。申し訳ない……そう続けた後に黙りこくってしまったシャトリンは、気のせいかいつも以上に蒼褪めて見えた。
 そして、今の今までオオヒトモドキみたいだ、理解不能だと思っていた彼が自分と同じ「人間」に思えた。血の狂気に抵抗するために、シャトリンは敢えて感情を押し殺して冷静であろうと努めているのかもしれない。自分も大概単純だと思うが、クラリスは彼への同情を禁じえなかった。
「……だがしかし」
 痛い沈黙を破って、彼女の口から発されたのは了承の意ではない。
「だがしかし、ですよ。どうして事情を心得たサリュート人の女性では駄目なのですか? わざわざ条約を破ってまで、私をお相手に選ぶのは……大佐の言い方を借りれば、非論理的だと言わざるを得ません」
 同情したからと言って、彼が抱えるジレンマと矛盾は簡単に無視出来るものではない。
「サリュートリアンは、決してムライドを番いには選ばない。我々民族は太古の血を忌避すると同時に、神聖なものとして捉えている。ソルケット人の父を選んだ母のようなサリュート人は、決して多くはないのだ」
「なら、貴方と同じムライドの女性ならどうですか? 竜騎兵隊にも何人かいますよね」
 頭を振るシャトリンに、クラリスはそう重ねて尋ねたのだが……。
「同族なら誰でも良い訳ではない。無理なのだ、私が……私が、少尉でなくては出来ない。少尉には入隊当初から注目していたのだ。単なる身体の関係だけではなくて、人としても尊敬出来る……そんな女性は君以外に見つけられなかった」
 立て板に水だった今までの答弁がまるで嘘のように、思いの外拗らせた想いにたどたどしく耳を衝かれた。彼の感情を探ろうと、その横顔をつぶさに見つめていたクラリスは、暗灰色の双眸に一瞬だけ灯った仄青い炎にも、全身の産毛がぞわぞわと逆立つのを感じた。

 これは一体どうしたことでしょう?
 ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ、グッときてしまいましたよ。
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