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今ってそうなんだ
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「お手伝いって……まさか全部1人で倒しちゃうなんて思わなかったよ……」
ウォーターリザードマンのモンスター部屋に落ちてから数時間ってところかな?ボスとして出てきたウォーターリザードマンロードを倒して一息つくとおじさんが話しかけて来た。
「いやまぁ、こいつらと似たデザートリザードマンとは何度も戦った事があって、そいつらとそんなに強さが変わらなかったので大丈夫でした。ところで……おじさんはこんな所で何をしていたんですか?」
「何をってそりゃあ……トラップに引っかかっちゃって、仲間とはぐれてモンスター部屋で死にかけてたところだよ……」
ああそうか、初めてモンスター部屋に来たら驚いてしまうか。
「でもボスを倒したのでしばらくここは安全です。むしろダンジョンの中で1番安全な場所ですね。他の魔物も出て来ないし、何も起こりません。ちょっとゆっくりしてて大丈夫ですよ。休んだ後は消えちゃう前にあの階段を上がれば元いた場所に戻れます」
「階段?あ……なんであんな所に階段が?さっきまでは無かったのに……?」
「モンスター部屋はボスを倒すと脱出用の階段が現れるんです。それはどのモンスター部屋でも同じなんですよ」
「へ、へえぇ~……そ、そうなんだ……」
なんかおじさんの顔が引きつってるな?
「とにかく助かったよ。君の言う通りなら少し休んでも大丈夫みたいだね。っと、名乗るのが遅れたけど、私はマク、Eランク冒険者だ。君は?」
Eランク冒険者?なんだそりゃ?
「えと、俺はアント、冒険者って訳じゃないですが、しばらくダンジョンに籠ってます」
「え?ダンジョンに籠る……?冒険者じゃ無いのに?なんだか変わってるね……」
「そうなんですかね?ところで冒険者のEランクって何ですか?」
「え?冒険者ギルドが認定するランクがEランクだって事だよ?」
ギルドが認定するランク?
「冒険者ギルドってそんな事してましたっけ?ランクなんて聞いた事無い様な……」
「何言ってるんだい?あの『シンの日』から半年、冒険者ギルドが冒険者を管理し、さらに守るために定めた冒険者ランク制度だろ?それが全世界に知らされてからもう半年経つんだ、みんな知っている事だろう?」
半年と半年?
「ちなみに今って何年なんですか?」
「え?何年?エステア歴2055年だけど?」
えぇ……?2055年だって?俺がダンジョンに入ったのが2054年の3月だったから……もしかしてあれから1年も経ってるのか?
「ところで君……ずいぶんボロボロの服着てるね?ダンジョンに籠ってたって言うけど、何日ぐらい居るのさ?」
「えぇっと……たぶん1年ぐらい?ですかね?」
「1年……?そんな訳……無いよね。タブレットが世間に知れ渡ったのだって、冒険者ギルドがランク制度を告知したのと一緒に報知したからだよ?半年間飲まず食わずなんてさすがに冗談でしょ」
マクさんは笑い飛ばしてる。説明すると面倒くさそうだからそこは触れないでおこう。
「ところでタブレットって何ですか?」
俺は聞きなれない言葉について尋ねる。
「えぇ?タブレットも知らないのかい?これだよこれ」
驚いた顔のマクさんは右手を軽く上げ、何も無い空間を掴む様な動作をしたと思ったら、突然その手に薄い板の様な物が現れた。
「な、何ですかそれ……?」
「これがタブレットだよ。誰でも10万マソで手に入れられるんだよ。君本当にダンジョンから出て無かったのかい?」
マソ?
「マソって何ですか?そのタブレットってやつはマソとかいう物と交換したらもらえるんですか?」
「いやいやいや……マソだよ?それも知らないのかい……?これは驚きだよ……。マソって言うのはさ、魔物を倒した時に手に入るあの光の粒、あれが魔素だよ。君もウィンドウやステータスぐらいは見た事あるだろ?その中に今所持しているマソが表示されて無いかい?そしてマソはタブレットを通じて他の人に渡したりもらったり出来る。さらにその機能を使ってタブレットで買い物したりも出来るんだよ」
「ええ……?それじゃまるでお金じゃないですか」
「そうだよ、昔はお金と言えばゴールドって単位で金貨や銀貨でやりとりしてたもんだが、今ではこのマソが全世界共通の通貨になってるんだ」
まじか。そんなに世界は変わってるのか。
「試しに自分のステータスを見てごらんよ?その1番下の方まで行くと所持しているマソの量があって、さらにその下にタブレットの購入メニューがあるはずだよ」
俺は言われるがままにステータスを開く。どうもこの半透明な枠の事をウィンドウと呼ぶらしい。で、その1番下を見ると『52370000マソ』と表示されていて、その下に『タブレットの購入』ってボタンがあった。
「あ、確かに書いてありますね、マソは5237万って書いてあります」
「あはははは!ゼロを1つか2つ見間違ってるよ!でもまあそれでも大金を持ってるみたいだね。タブレットは10万マソだから余裕で買えるよ。タブレット購入のボタンを押してみるといい」
数見間違ったのかな?まあいいや、タブレット購入のボタンを押してみよう。
「おわ!っとと!」
ボタンを押すといきなり目の前に薄い板、タブレットが現れた。そのまま床に落ちそうになるタブレットを慌ててキャッチする。
「OKだねー、じゃあ軽くタブレットの事を説明しようか。せめてそのボロボロの服は新しくしないとね。何はともあれ、少しお腹空いていないかい?助けてもらったお礼もあるし、このタブレットを使って食べ物をご馳走するよ」
食べ物?そういや今まで何も食べて来なかったな。てかもしかして1年もの間飲まず食わずだったのか、と考えた途端、急にお腹が空いて来た。それを知らせるかの様に俺のお腹が盛大に鳴った。
「あはは、だいぶお腹が空いているみたいだね。じゃあまずは食べ物からだ」
そう言ってマクさんはタブレットを操作し始めた。
「とりあえずすぐ食べられる簡単な物にしたよ。とは言っても硬いパンよりは柔らかいパンの方がいいよね?だからハンバーガーにしてみたよ」
マクさんがそう言うと、マクさんの持つタブレットの背面が光を放ち、その光が空中のある1点に集まった。そしてその集まった光が何やら形を形成し、実体化すると下へと落下し始め、それをマクさんは左手でキャッチした。その手には袋に包まれたハンバーガーが2つ。
「どうぞ、冷めないうちに」
差し出されたハンバーガーは受け取ると温かい。匂いもとてもいい匂いだ。
「こ、これはすごい……」
そしてその瞬間、俺の1年ぶりの食欲が爆発した。
「おいおい、そんなに焦らなくても無くならないよ。これは飲み物も必要だったね」
マクさんは笑いながら今度は木製のコップに入った果実ジュースを出してくれた。喉を詰まらせかけていた俺は慌ててジュースを受け取り飲み込む。それをニコニコしつつマクさんもハンバーガーを食べていた。
「ご馳走様です!いやぁ~美味しかったぁ!便利ですね!これ!俺にもハンバーガーとか出せるんですか?」
「当たり前じゃないか。そもそもこれは僕が出した訳じゃ無いからね。ただタブレットで買った物がここに送られて来ただけだよ」
「えぇ?タブレットで買い物?」
「そういう事。このタブレットを通して世界中の人とやり取りが出来ちゃうんだ。で、ヴィシュヌでありリリィステアと名乗った神様が言うには、それをネットと呼ぶらしい。そのネットの中には世界中の商人系の特異を持った人々がお店を出しているって訳さ。せっかくだから君も今何か買ってみてはどうかな?やり方を教えてあげられるよ」
それから数時間、通称ネットショッピングについてマクさんから詳しく教わった。何でもネット内に出店している商人達から色々な物が買えるらしいが、その取り扱う事が出来る商品はその人の特異やスキルによって変わるそうだ。多くの場合は別の場所に転送するのに制約がかかってしまうのが理由らしい。そしてそれは、その物の魔素の量だったり質量の大きさによって転送する事が出来ず、取り扱え無いそうだ。つまり食べ物や服、日用品なんかは商人系特異を持つ人なら大抵の人が転送出来る。武器や防具なんかもただの鉄製の物や木製の物なら転送し安く、魔素が多く含まれており魔道具としての機能もある様な物は転送出来る人が限られているそうだ。もちろんそう言う物は極端に値が張るし、それを扱う商人は取り引き相手を選ぶそうだ。
しかし何にせよこれが大きな転機となった。マクさんに教えてもらいながら服や靴を新調し、さらに嬉しい事に鉄製の剣を購入する事が出来た。これで武器には困る事は無さそうだ。今まで1年間、飲まず食わずでも無限元気のお陰で死ぬ事は無かったが、これからはご飯も食べる事が出来る。今にして思えば、1年も経っているのに自分の体型があまり変わっていないのは栄養が足りてなかったからなのかな?って思う。まぁ筋力のステータスが1万もあれば体型は関係無く重い剣を振り回す事が出来るからな。つくづくおかしな世の中になったものだと思う。
「これでタブレットを使うのはもう大丈夫だね。でもくれぐれもマソの無駄遣いには気をつけるんだよ。ダンジョンのど真ん中でマソまで尽きてしまったら食べ物すら手に入らなくて野垂れ死ぬ事だってあるからね。逆に言うと、マソさえあれば大した荷物も持たずにダンジョンにも潜れるし、遠出の旅も問題無いって事だ」
「便利ですね~!これはすごい!教えていただいて助かりました!ありがとうございます!」
「いいっていいって!命の恩人にこんな一般常識教えるだけでお礼が出来るならお安い御用だよ!」
マクさんは良い人だなぁ。
「じゃあマクさん、そろそろ階段を上がった方がいいと思いますよ。ここは安全だけど長居しても仕方ないですし。それにまだ時間はあると思いますけど、時間が経ったらあの階段は消えてしまいますし」
「えぇ!?それはまずい!急いで階段を上がろう!」
「あ、いえ、俺はもう少しここでウォーターリザードマンを狩ってる事にします」
「え……?狩る?ここに残るって事?いやいやいや……君変わってるね……」
ウォーターリザードマンのモンスター部屋に落ちてから数時間ってところかな?ボスとして出てきたウォーターリザードマンロードを倒して一息つくとおじさんが話しかけて来た。
「いやまぁ、こいつらと似たデザートリザードマンとは何度も戦った事があって、そいつらとそんなに強さが変わらなかったので大丈夫でした。ところで……おじさんはこんな所で何をしていたんですか?」
「何をってそりゃあ……トラップに引っかかっちゃって、仲間とはぐれてモンスター部屋で死にかけてたところだよ……」
ああそうか、初めてモンスター部屋に来たら驚いてしまうか。
「でもボスを倒したのでしばらくここは安全です。むしろダンジョンの中で1番安全な場所ですね。他の魔物も出て来ないし、何も起こりません。ちょっとゆっくりしてて大丈夫ですよ。休んだ後は消えちゃう前にあの階段を上がれば元いた場所に戻れます」
「階段?あ……なんであんな所に階段が?さっきまでは無かったのに……?」
「モンスター部屋はボスを倒すと脱出用の階段が現れるんです。それはどのモンスター部屋でも同じなんですよ」
「へ、へえぇ~……そ、そうなんだ……」
なんかおじさんの顔が引きつってるな?
「とにかく助かったよ。君の言う通りなら少し休んでも大丈夫みたいだね。っと、名乗るのが遅れたけど、私はマク、Eランク冒険者だ。君は?」
Eランク冒険者?なんだそりゃ?
「えと、俺はアント、冒険者って訳じゃないですが、しばらくダンジョンに籠ってます」
「え?ダンジョンに籠る……?冒険者じゃ無いのに?なんだか変わってるね……」
「そうなんですかね?ところで冒険者のEランクって何ですか?」
「え?冒険者ギルドが認定するランクがEランクだって事だよ?」
ギルドが認定するランク?
「冒険者ギルドってそんな事してましたっけ?ランクなんて聞いた事無い様な……」
「何言ってるんだい?あの『シンの日』から半年、冒険者ギルドが冒険者を管理し、さらに守るために定めた冒険者ランク制度だろ?それが全世界に知らされてからもう半年経つんだ、みんな知っている事だろう?」
半年と半年?
「ちなみに今って何年なんですか?」
「え?何年?エステア歴2055年だけど?」
えぇ……?2055年だって?俺がダンジョンに入ったのが2054年の3月だったから……もしかしてあれから1年も経ってるのか?
「ところで君……ずいぶんボロボロの服着てるね?ダンジョンに籠ってたって言うけど、何日ぐらい居るのさ?」
「えぇっと……たぶん1年ぐらい?ですかね?」
「1年……?そんな訳……無いよね。タブレットが世間に知れ渡ったのだって、冒険者ギルドがランク制度を告知したのと一緒に報知したからだよ?半年間飲まず食わずなんてさすがに冗談でしょ」
マクさんは笑い飛ばしてる。説明すると面倒くさそうだからそこは触れないでおこう。
「ところでタブレットって何ですか?」
俺は聞きなれない言葉について尋ねる。
「えぇ?タブレットも知らないのかい?これだよこれ」
驚いた顔のマクさんは右手を軽く上げ、何も無い空間を掴む様な動作をしたと思ったら、突然その手に薄い板の様な物が現れた。
「な、何ですかそれ……?」
「これがタブレットだよ。誰でも10万マソで手に入れられるんだよ。君本当にダンジョンから出て無かったのかい?」
マソ?
「マソって何ですか?そのタブレットってやつはマソとかいう物と交換したらもらえるんですか?」
「いやいやいや……マソだよ?それも知らないのかい……?これは驚きだよ……。マソって言うのはさ、魔物を倒した時に手に入るあの光の粒、あれが魔素だよ。君もウィンドウやステータスぐらいは見た事あるだろ?その中に今所持しているマソが表示されて無いかい?そしてマソはタブレットを通じて他の人に渡したりもらったり出来る。さらにその機能を使ってタブレットで買い物したりも出来るんだよ」
「ええ……?それじゃまるでお金じゃないですか」
「そうだよ、昔はお金と言えばゴールドって単位で金貨や銀貨でやりとりしてたもんだが、今ではこのマソが全世界共通の通貨になってるんだ」
まじか。そんなに世界は変わってるのか。
「試しに自分のステータスを見てごらんよ?その1番下の方まで行くと所持しているマソの量があって、さらにその下にタブレットの購入メニューがあるはずだよ」
俺は言われるがままにステータスを開く。どうもこの半透明な枠の事をウィンドウと呼ぶらしい。で、その1番下を見ると『52370000マソ』と表示されていて、その下に『タブレットの購入』ってボタンがあった。
「あ、確かに書いてありますね、マソは5237万って書いてあります」
「あはははは!ゼロを1つか2つ見間違ってるよ!でもまあそれでも大金を持ってるみたいだね。タブレットは10万マソだから余裕で買えるよ。タブレット購入のボタンを押してみるといい」
数見間違ったのかな?まあいいや、タブレット購入のボタンを押してみよう。
「おわ!っとと!」
ボタンを押すといきなり目の前に薄い板、タブレットが現れた。そのまま床に落ちそうになるタブレットを慌ててキャッチする。
「OKだねー、じゃあ軽くタブレットの事を説明しようか。せめてそのボロボロの服は新しくしないとね。何はともあれ、少しお腹空いていないかい?助けてもらったお礼もあるし、このタブレットを使って食べ物をご馳走するよ」
食べ物?そういや今まで何も食べて来なかったな。てかもしかして1年もの間飲まず食わずだったのか、と考えた途端、急にお腹が空いて来た。それを知らせるかの様に俺のお腹が盛大に鳴った。
「あはは、だいぶお腹が空いているみたいだね。じゃあまずは食べ物からだ」
そう言ってマクさんはタブレットを操作し始めた。
「とりあえずすぐ食べられる簡単な物にしたよ。とは言っても硬いパンよりは柔らかいパンの方がいいよね?だからハンバーガーにしてみたよ」
マクさんがそう言うと、マクさんの持つタブレットの背面が光を放ち、その光が空中のある1点に集まった。そしてその集まった光が何やら形を形成し、実体化すると下へと落下し始め、それをマクさんは左手でキャッチした。その手には袋に包まれたハンバーガーが2つ。
「どうぞ、冷めないうちに」
差し出されたハンバーガーは受け取ると温かい。匂いもとてもいい匂いだ。
「こ、これはすごい……」
そしてその瞬間、俺の1年ぶりの食欲が爆発した。
「おいおい、そんなに焦らなくても無くならないよ。これは飲み物も必要だったね」
マクさんは笑いながら今度は木製のコップに入った果実ジュースを出してくれた。喉を詰まらせかけていた俺は慌ててジュースを受け取り飲み込む。それをニコニコしつつマクさんもハンバーガーを食べていた。
「ご馳走様です!いやぁ~美味しかったぁ!便利ですね!これ!俺にもハンバーガーとか出せるんですか?」
「当たり前じゃないか。そもそもこれは僕が出した訳じゃ無いからね。ただタブレットで買った物がここに送られて来ただけだよ」
「えぇ?タブレットで買い物?」
「そういう事。このタブレットを通して世界中の人とやり取りが出来ちゃうんだ。で、ヴィシュヌでありリリィステアと名乗った神様が言うには、それをネットと呼ぶらしい。そのネットの中には世界中の商人系の特異を持った人々がお店を出しているって訳さ。せっかくだから君も今何か買ってみてはどうかな?やり方を教えてあげられるよ」
それから数時間、通称ネットショッピングについてマクさんから詳しく教わった。何でもネット内に出店している商人達から色々な物が買えるらしいが、その取り扱う事が出来る商品はその人の特異やスキルによって変わるそうだ。多くの場合は別の場所に転送するのに制約がかかってしまうのが理由らしい。そしてそれは、その物の魔素の量だったり質量の大きさによって転送する事が出来ず、取り扱え無いそうだ。つまり食べ物や服、日用品なんかは商人系特異を持つ人なら大抵の人が転送出来る。武器や防具なんかもただの鉄製の物や木製の物なら転送し安く、魔素が多く含まれており魔道具としての機能もある様な物は転送出来る人が限られているそうだ。もちろんそう言う物は極端に値が張るし、それを扱う商人は取り引き相手を選ぶそうだ。
しかし何にせよこれが大きな転機となった。マクさんに教えてもらいながら服や靴を新調し、さらに嬉しい事に鉄製の剣を購入する事が出来た。これで武器には困る事は無さそうだ。今まで1年間、飲まず食わずでも無限元気のお陰で死ぬ事は無かったが、これからはご飯も食べる事が出来る。今にして思えば、1年も経っているのに自分の体型があまり変わっていないのは栄養が足りてなかったからなのかな?って思う。まぁ筋力のステータスが1万もあれば体型は関係無く重い剣を振り回す事が出来るからな。つくづくおかしな世の中になったものだと思う。
「これでタブレットを使うのはもう大丈夫だね。でもくれぐれもマソの無駄遣いには気をつけるんだよ。ダンジョンのど真ん中でマソまで尽きてしまったら食べ物すら手に入らなくて野垂れ死ぬ事だってあるからね。逆に言うと、マソさえあれば大した荷物も持たずにダンジョンにも潜れるし、遠出の旅も問題無いって事だ」
「便利ですね~!これはすごい!教えていただいて助かりました!ありがとうございます!」
「いいっていいって!命の恩人にこんな一般常識教えるだけでお礼が出来るならお安い御用だよ!」
マクさんは良い人だなぁ。
「じゃあマクさん、そろそろ階段を上がった方がいいと思いますよ。ここは安全だけど長居しても仕方ないですし。それにまだ時間はあると思いますけど、時間が経ったらあの階段は消えてしまいますし」
「えぇ!?それはまずい!急いで階段を上がろう!」
「あ、いえ、俺はもう少しここでウォーターリザードマンを狩ってる事にします」
「え……?狩る?ここに残るって事?いやいやいや……君変わってるね……」
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