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決議
「なんか良く分かんねぇけど良かったな」
「なんか良く分かんねぇってなんだよ。全体的に良かっただろ?モト爺さんも良くなったんだし」
トーラさんは少しモト爺さん家の人と話があったみたいでオレとゼニ2人で先に家を出た。モト爺さんには結局8回もキュアをかけてやっと毒が消えた。そりゃあ具合も悪いよな。
「てかよ、ずいぶん上手いことモト爺さんを説得出来たな?お前小僧のくせによ。」
小僧ってなんだ。大して歳変わらんだろ。
「まぁ……死ぬ事についてはオレの方が先輩だから?かな?」
「なんだよお前!死んだ事があんのかよ!面白ぇな!!!」
いてて!ほらまたバシバシするこいつ!
「痛てぇよ!バシバシすんな!死んだ事あるって言ってんだろ!転生したんだよ転生!」
あ、しまった。なんかゼニのペースにはめられてつい言っちまった。
「転生?お前が?」
「んまぁ……そうだよ。つい一昨日な」
なんかこいつになら話してもいいかなって思った。頭悪そうだし。
「それ、本気で言ってるのか?」
「え?そ、そうだけど……まだ誰にも言ってなかったけどな。やっぱこの世界では変なのか?」
「いや……変ってか、な……」
珍しくゼニが腕組みをして考えてる風のポーズを取る。
「でも普通では無いわな。オレも昔話でしか聞いた事ねぇし、本当に転生してる人間を知らねぇ。そもそもスキル持ちなんて人間だって初めて見たぞ」
「そ、そうなのか……。てかそんなあやふやな話、なんで速攻信じるんだよ?」
「あぁ?なんとなくだよ。だってお前ウソついてねぇだろ?」
「いやついて無いけど……。と言うよりその前段の話なんじゃないの?」
「何訳わかんねぇ事言ってんだよ。とにかくだ、その転生って話、あんまりしゃべんねぇ方がいいぞ」
「そうなんか?」
「そりゃそうだろ。昔話に出てくる転生者っつったら大体すごい魔法やスキル持ってるやつしか出てこないからな。転生者だってだけ聞いたらお前もそうなんじゃないかって思うのが普通だろ?そんなんいい事ばっかりな訳ねぇよ」
「まぁ確かに……」
急にまともなこと言うなこいつ。
「お前のその物を直しちまうスキルも転生したから持ってんのか?そういうもんなの?」
「あー、話せばちょっと長いけど、ここ来る前にそんな話になってもらったもんだよ。前の世界で1回死んで、スキルもらって、そんで一昨日この世界に転生してきたってわけ」
「なんかすげぇな……。じゃあ本当に死んだ事あんのかよ。お前も毒で死んだって事?」
「毒……では無いけど、たぶん病気だな。死んだ時の事はハッキリとは覚えてない。でもオレは長い事入院してたからな」
「ニュウイン?」
「そう、入院。この世界ではそう言わないのか?病院に居たって事だよ」
「ビョウイン?なんだそれ?」
あれ?この世界には病院なんて無いのか?もしかしたら病気や怪我なんかはなんでも治せる魔法があるのか?
「毒やなんかもそうだけど、大怪我したり重い病気にかかったりした時に治してくれる場所だよ。この世界にはそういうの無いのか?」
「あー、治療院って事か?司祭や神官が治療してくれたり療養する所?」
「ああーそれそれ、たぶんそれと同じだ」
なるほど、やっぱり魔法で解決するんだ。
「んで、オレはその病院って所に10年ぐらい居たんだよ。で、結局オレの病気は良くならなくて死んだって訳だ。だからモト爺さんの気持ちが分かるんだよ。自分はみんなに迷惑しか掛けて無いんじゃないかって」
「で、どうだったんだよ?」
「わかんね。どうなんだろうな?でもうっすらと覚えているのは、死ぬ時にオレの両親や兄ちゃん、友達はすごく悲しそうな顔をして泣いてた。オレはそれまで、オレが死んだらきっとみんな楽になるんじゃないかって思ってた。実際そうな部分もあると思う。でもあの最後のみんなの顔を見ていたら、もしかしたら大変な思いをしたとしても、それでもオレが生きている事を望んでくれてるんじゃないかって思ったんだよ。今となっては確かめようが無いけどね」
そうだ。徐々に記憶が鮮明になって来た。そうだった。オレは大切な人と別れてこの世界に転生して来たんだ。
「なるほどなぁ、そういう事か。じゃあせっかくだから楽しく行こうぜ!」
またバシバシされた。でも確かにそうだな。なんかこいつのせいで湿っぽくはならないな。
「とりあえずバシバシすんな。ほれ、お前は弁当取りに戻るんだろ?」
「おぉ!そうだったぜ!そんじゃお前は今日もがんばれよ!転生者さま!」
お前……あんまり人に話すなって言ったくせにデケェ声で叫ぶんじゃないよ。
「お待たせトウゴくん。あれ?ゼニくんはもう行っちゃったの?」
「えぇ、騒ぐだけ騒いでサッサと行っちゃいましたよ。ささ、オレたちも次のお宅に向かいましょう」
「ん?ああ、そうだね」
その後午前中に3件周りお昼休憩、午後からは5件周って全ての人の治療が終わった。さすがに疲れたけどなんだか頭の中はモヤモヤしっ放しだった。原因はモト爺さんと話した辺りにあるんだろうな。家族の事、死ぬ時の事が鮮明になるにつれて寂しさなのか、後悔なのか、何とも言い知れぬ気持ちになった。少なくとも明るい感情では無かったけど、やらなければならない事に追われ気が紛れたのと、ちょいちょいゼニの顔が頭をよぎると何だか気が楽になるのと腹立たしいので暗い気持ちが消えていった。
オレは転生したんだ。もうあの世界には戻れない。それならこの先は?
「お疲れ様だったね、トウゴくん」
歩きながらぼーっと考えていると不意にトーラさんに話しかけられた。
「疲れただろ?顔に出てるよ。家に帰って少し休もう。晩ご飯までにはまだ時間があるからね」
疲れた顔してたのかな?まぁ実際疲れてはいるし。
「じゃあお言葉に甘えてそうします。確かにちょっと疲れたかもです」
「じゃあ少し横になっているといいよ。ボクもお父さんと少し話があるからね」
オレは昨日泊めてもらった部屋に戻りベッドにダイブする。少しだけ目を閉じたつもりだったけど次の瞬間には部屋は暗くなっていて日が落ちている事に気が付いた。
「いつの間に寝てたんだ……」
独り言を呟きながら起き上がる。どれぐらい寝たんだろ?まさか夜中って事は無いよな?まだ晩ご飯食べてないんだぞ。
寝落ちする時の事はあんまり覚えて無いけどちゃんと靴は脱いでた様だ。靴を履き部屋を出る。するとリビングの方から話し声が聞こえる。良かった、夜中まで寝てたって訳じゃなかったみたいだ。
「じゃあいつになったら事態が良くなるのさ?このまま何もしなければどんどん負傷者が増えて戦える人が減っていく一方だよ?早いに越したことはないよ!」
トーラさんの声だ。なんだかざわざわの声も数人分聞こえる。誰か来てるのかな?
「そうは言うがトーラ、戦ったところで確実に勝てる訳じゃないだろう?逆に負傷者を増やす事になるかも知れない」
「でもこのまま何もしなくてもコドクグモはまた襲って来るんだよ?それなら同じじゃないか!」
「そうだが……いっその事この村を捨てるという選択肢もあるんじゃないか……?」
「そんな……」
「何もこの村じゃないと生きていけないなんて事は無いだろ?王都にだって仕事はあるさ」
「確かに」
トーラさんのお父さんが口を開く。
「確かに言う通りだろう。しかしこの村の人間全員が王都に行って果たして全員が仕事にも、住むところにも、人との繋がりにも困る事は無いだろうか?」
「それは……今それを言っても……」
「それも確かにそうだ。やってみないと分からない。しかしそれはコドクグモと戦うと言う選択をする事も変わらないんじゃないか?負けるかも知れない。でも負けないかも知れない。そのために話し合うのだろう?」
オレは何となく入り辛くてリビング手前で隠れて聞いていた。トーラさんのお父さん、つまりこの村の長の言葉にみんな黙る。
「やはりこれは村の代表なんて一部の人間で決める事では無い。明日の正午、集まれる人はみんな広場に集合しよう。そこで改めてどうするか決めようじゃないか」
そこに何人いたかは分からないが、みな言葉少なに同意を示し帰って行った。明日か、この村の人達はどう決断するんだろう?
「起きてたのか、トウゴくん」
トーラさんのお父さんに声を掛けられた。
「あ……はい。なんか大事そうな話をしていたもので……」
「客人に気を使わせてしまって申し訳ないな、さあ晩ご飯にしよう」
トーラさんのお父さんは厳格な村長の顔から優しいお父さんの顔に戻った。明日はオレも広場に行く事にしよう。きっとオレにとっても大事な話になる様な気がする。ついでにゼニも連れてくか。
「なんか良く分かんねぇってなんだよ。全体的に良かっただろ?モト爺さんも良くなったんだし」
トーラさんは少しモト爺さん家の人と話があったみたいでオレとゼニ2人で先に家を出た。モト爺さんには結局8回もキュアをかけてやっと毒が消えた。そりゃあ具合も悪いよな。
「てかよ、ずいぶん上手いことモト爺さんを説得出来たな?お前小僧のくせによ。」
小僧ってなんだ。大して歳変わらんだろ。
「まぁ……死ぬ事についてはオレの方が先輩だから?かな?」
「なんだよお前!死んだ事があんのかよ!面白ぇな!!!」
いてて!ほらまたバシバシするこいつ!
「痛てぇよ!バシバシすんな!死んだ事あるって言ってんだろ!転生したんだよ転生!」
あ、しまった。なんかゼニのペースにはめられてつい言っちまった。
「転生?お前が?」
「んまぁ……そうだよ。つい一昨日な」
なんかこいつになら話してもいいかなって思った。頭悪そうだし。
「それ、本気で言ってるのか?」
「え?そ、そうだけど……まだ誰にも言ってなかったけどな。やっぱこの世界では変なのか?」
「いや……変ってか、な……」
珍しくゼニが腕組みをして考えてる風のポーズを取る。
「でも普通では無いわな。オレも昔話でしか聞いた事ねぇし、本当に転生してる人間を知らねぇ。そもそもスキル持ちなんて人間だって初めて見たぞ」
「そ、そうなのか……。てかそんなあやふやな話、なんで速攻信じるんだよ?」
「あぁ?なんとなくだよ。だってお前ウソついてねぇだろ?」
「いやついて無いけど……。と言うよりその前段の話なんじゃないの?」
「何訳わかんねぇ事言ってんだよ。とにかくだ、その転生って話、あんまりしゃべんねぇ方がいいぞ」
「そうなんか?」
「そりゃそうだろ。昔話に出てくる転生者っつったら大体すごい魔法やスキル持ってるやつしか出てこないからな。転生者だってだけ聞いたらお前もそうなんじゃないかって思うのが普通だろ?そんなんいい事ばっかりな訳ねぇよ」
「まぁ確かに……」
急にまともなこと言うなこいつ。
「お前のその物を直しちまうスキルも転生したから持ってんのか?そういうもんなの?」
「あー、話せばちょっと長いけど、ここ来る前にそんな話になってもらったもんだよ。前の世界で1回死んで、スキルもらって、そんで一昨日この世界に転生してきたってわけ」
「なんかすげぇな……。じゃあ本当に死んだ事あんのかよ。お前も毒で死んだって事?」
「毒……では無いけど、たぶん病気だな。死んだ時の事はハッキリとは覚えてない。でもオレは長い事入院してたからな」
「ニュウイン?」
「そう、入院。この世界ではそう言わないのか?病院に居たって事だよ」
「ビョウイン?なんだそれ?」
あれ?この世界には病院なんて無いのか?もしかしたら病気や怪我なんかはなんでも治せる魔法があるのか?
「毒やなんかもそうだけど、大怪我したり重い病気にかかったりした時に治してくれる場所だよ。この世界にはそういうの無いのか?」
「あー、治療院って事か?司祭や神官が治療してくれたり療養する所?」
「ああーそれそれ、たぶんそれと同じだ」
なるほど、やっぱり魔法で解決するんだ。
「んで、オレはその病院って所に10年ぐらい居たんだよ。で、結局オレの病気は良くならなくて死んだって訳だ。だからモト爺さんの気持ちが分かるんだよ。自分はみんなに迷惑しか掛けて無いんじゃないかって」
「で、どうだったんだよ?」
「わかんね。どうなんだろうな?でもうっすらと覚えているのは、死ぬ時にオレの両親や兄ちゃん、友達はすごく悲しそうな顔をして泣いてた。オレはそれまで、オレが死んだらきっとみんな楽になるんじゃないかって思ってた。実際そうな部分もあると思う。でもあの最後のみんなの顔を見ていたら、もしかしたら大変な思いをしたとしても、それでもオレが生きている事を望んでくれてるんじゃないかって思ったんだよ。今となっては確かめようが無いけどね」
そうだ。徐々に記憶が鮮明になって来た。そうだった。オレは大切な人と別れてこの世界に転生して来たんだ。
「なるほどなぁ、そういう事か。じゃあせっかくだから楽しく行こうぜ!」
またバシバシされた。でも確かにそうだな。なんかこいつのせいで湿っぽくはならないな。
「とりあえずバシバシすんな。ほれ、お前は弁当取りに戻るんだろ?」
「おぉ!そうだったぜ!そんじゃお前は今日もがんばれよ!転生者さま!」
お前……あんまり人に話すなって言ったくせにデケェ声で叫ぶんじゃないよ。
「お待たせトウゴくん。あれ?ゼニくんはもう行っちゃったの?」
「えぇ、騒ぐだけ騒いでサッサと行っちゃいましたよ。ささ、オレたちも次のお宅に向かいましょう」
「ん?ああ、そうだね」
その後午前中に3件周りお昼休憩、午後からは5件周って全ての人の治療が終わった。さすがに疲れたけどなんだか頭の中はモヤモヤしっ放しだった。原因はモト爺さんと話した辺りにあるんだろうな。家族の事、死ぬ時の事が鮮明になるにつれて寂しさなのか、後悔なのか、何とも言い知れぬ気持ちになった。少なくとも明るい感情では無かったけど、やらなければならない事に追われ気が紛れたのと、ちょいちょいゼニの顔が頭をよぎると何だか気が楽になるのと腹立たしいので暗い気持ちが消えていった。
オレは転生したんだ。もうあの世界には戻れない。それならこの先は?
「お疲れ様だったね、トウゴくん」
歩きながらぼーっと考えていると不意にトーラさんに話しかけられた。
「疲れただろ?顔に出てるよ。家に帰って少し休もう。晩ご飯までにはまだ時間があるからね」
疲れた顔してたのかな?まぁ実際疲れてはいるし。
「じゃあお言葉に甘えてそうします。確かにちょっと疲れたかもです」
「じゃあ少し横になっているといいよ。ボクもお父さんと少し話があるからね」
オレは昨日泊めてもらった部屋に戻りベッドにダイブする。少しだけ目を閉じたつもりだったけど次の瞬間には部屋は暗くなっていて日が落ちている事に気が付いた。
「いつの間に寝てたんだ……」
独り言を呟きながら起き上がる。どれぐらい寝たんだろ?まさか夜中って事は無いよな?まだ晩ご飯食べてないんだぞ。
寝落ちする時の事はあんまり覚えて無いけどちゃんと靴は脱いでた様だ。靴を履き部屋を出る。するとリビングの方から話し声が聞こえる。良かった、夜中まで寝てたって訳じゃなかったみたいだ。
「じゃあいつになったら事態が良くなるのさ?このまま何もしなければどんどん負傷者が増えて戦える人が減っていく一方だよ?早いに越したことはないよ!」
トーラさんの声だ。なんだかざわざわの声も数人分聞こえる。誰か来てるのかな?
「そうは言うがトーラ、戦ったところで確実に勝てる訳じゃないだろう?逆に負傷者を増やす事になるかも知れない」
「でもこのまま何もしなくてもコドクグモはまた襲って来るんだよ?それなら同じじゃないか!」
「そうだが……いっその事この村を捨てるという選択肢もあるんじゃないか……?」
「そんな……」
「何もこの村じゃないと生きていけないなんて事は無いだろ?王都にだって仕事はあるさ」
「確かに」
トーラさんのお父さんが口を開く。
「確かに言う通りだろう。しかしこの村の人間全員が王都に行って果たして全員が仕事にも、住むところにも、人との繋がりにも困る事は無いだろうか?」
「それは……今それを言っても……」
「それも確かにそうだ。やってみないと分からない。しかしそれはコドクグモと戦うと言う選択をする事も変わらないんじゃないか?負けるかも知れない。でも負けないかも知れない。そのために話し合うのだろう?」
オレは何となく入り辛くてリビング手前で隠れて聞いていた。トーラさんのお父さん、つまりこの村の長の言葉にみんな黙る。
「やはりこれは村の代表なんて一部の人間で決める事では無い。明日の正午、集まれる人はみんな広場に集合しよう。そこで改めてどうするか決めようじゃないか」
そこに何人いたかは分からないが、みな言葉少なに同意を示し帰って行った。明日か、この村の人達はどう決断するんだろう?
「起きてたのか、トウゴくん」
トーラさんのお父さんに声を掛けられた。
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