【完結】夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで

猫都299

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【夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで・上】

14 妹(兄視点)

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 オレはその日、自分の生い立ちを思い出した。


 地面に膝をつく。
 胸に妹を抱え、運命を呪っていた。




 雪がちらつく十二月。夕方頃に仕事が終わり、現場近くのコンビニでコーヒーを買って飲もうとしていた。コンビニに行く手前に公園がある。通り抜けて近道をしようと考え、足を踏み入れる。

 前方のベンチに見た事ある奴がいる。……妹だ。

 今日はクリスマスイブというのに。独り、公園で肉まんを食べている妹の行動が不自然に思える。旦那とケンカでもしたのか?

 妹が唐突に立ち上がる。こちらとは反対の方へ行こうとしている。
 直後、彼女は盛大に転んだ。恐らく……地面が凍っていたのだろう。

 仰向けに倒れている妹の側へ駆け寄る。

「大丈夫か?」

 助け起こそうとする。頭を支えた時、手に、ぬるっとしたものが付く。
 ――血だ。

 震える。

「嘘だろ? おい!」

 必死に名を呼ぶ。応えがない。

 背中を、冷や汗が伝う。
 その時、「奴」の気配を感じた。

 近くに……いる。

 妹の上半身を抱き起した格好で、注意深く目を凝らす。
 オレたちの側には、誰もいないように見える。でも確実に「いる」と分かる。
 凄く懐かしい感覚に、目の奥がジンとする。

 姿の見えない「気配」は言う。

「久しぶりだね」

 それまでの繰り返される人生に疲れ、忘れかけていた。
 だが、声を聞いて確信する。


 ――父だ。
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