ある女の子ーあなたの周りにもいるー【完結】

ナクナルマエニ

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地獄②

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約3年が経ちました。変わらず行われる行為に少女はもう限界でした。

階層が多いビルにいくと上階の手すりから身を乗り出し、地面を見つめて死ねるだろうかと考え、階段を下りているとここから転げ落ちたら死ねるだろうかと考え、歩道を歩いているとこのタイミングで車道に出れば死ねるだろうかと考え、バスに乗っていると事故になれば死ねるだろうかと考える。
さらには、きっかけなく記憶が頭の中で上映され、脳みそがが掻き回されてぐちゃぐちゃなったようになって、それを押さえたいがために壁に頭を打ち付け、身体を殴り付けることを繰り返す。

誰にも気づかれない頭の中でぐるぐると回る死考回路。誰にも気づかれない部位への自傷行為。
いつ崩れるかもわからない心を持ちながら、彼女は変わらず笑顔で過ごしていました。


その頃、日常に変化がありました。高校に上がり、半年経った頃、引っ越すことになったのです。家族全員と部屋が別れることになり、少女は心から喜びました。もう、大丈夫なんだと。もう、苦しむことはないと。もう、心配ないんだと。もう、隠れて兄の携帯から画像や動画を削除する日々は来ないんだと。もう、寒さに震えることは無いんだと。もう、死のうと思わなくて良いんだと。

本当に、笑って、生きていけるんだと思ったのです。

その少女の考えは浅はかだったのです。兄と少女の部屋は隣。ドアに鍵なんてついていません。今度こそ、近くに母親も妹もいない。もう、分かるでしょう?
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