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1、一章
1、2水飲み場前
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放課後の人の少ない廊下を歩く、俺の手は火傷をしたため保健室で治療してもらった帰りだ。隣には付き添ってくれた篠原がいる。
「ごめんな、付き合わせちゃって」
「いいよー。それよりも怪我は大丈夫?」
「大丈夫だ。元々火傷してたし、特に変わらないって」
「元から?」
「ああ。昔大火傷しちゃって跡が残ってんだ」
「そっかー。でも、火傷したことには変わらないから、大事にねー」
「ああ。ありがとう。ここまででいいよ」
「家まで送ろうか? なんか、すごい苦しそうだったし」
「平気だって。それより、体験入部の続きしてきな。俺の代わりにさ」
「うーん。そう言うなら。連絡先交換しとこうか?」
「そうだな。もしかしたら、俺を入部させてもらうために頼るかも」
俺はそう思いながらも、入部したいとは思えなかった。一歩間違えたら大火事だ。篠原にまで迷惑をかけてしまったから。
でも篠原の連絡先があれば、料理の話で仲良くできるかもしれないと淡い期待があった。一緒に料理するのは無理だろうが。
「いいよー」
篠原の連絡先を登録して、篠原と別れた。彼が廊下を早足で歩くのを見送って、俺は窓辺に立つ。
外から吹く風が肌寒かった。先ほどかなりの汗をかいたのだろう。太陽があるのに、光の届く場所にいるのに寒い。
早く帰ろうと廊下を進んで水飲み場を通り過ぎようとした時、足元で動くものがあった。見てみればそれは手だった、青白く何か模様のようにギザギザとしているように見えた。
そいつは開けっぱなしの部屋からはい出てきたような形で倒れている。
手をたどって見てみると、長い白髪の人が倒れていた。ゾッとしたけど、そいつが学校指定のジャージ、しかも俺たち一年生の色のジャージだったため安心した。
「大丈夫か?」
そいつは顔を上げずに手だけを上げた。
「水もらえない? 廊下を水浸しにしてもいいからさ」
「俺が怒られるっての! あー。でもコップとかないな」
「持って連れてってくれえ」
「仕方ねえな」
そいつの肩を持って持ち上げると、その顔があらわになる。綺麗な顔立ちにキッパリとした目鼻。瞳の色は黒い。美形っぽい人だ。だけど頬の端っこにまた、ギザギザとした模様がある。
そいつの手が俺の手に触れた。冷たい。生き物とは思えない温度、俺の熱が奪われるほどの冷たい肌。そして、その手にあるギザギザの異質な感触は魚を思わせた。
抱えるためにそいつの手を持ち直すとその手から何かが落ちる。青白い丸いひし形。俺は見た、そいつの手は1箇所赤くなっている、鱗が剥がれたみたいに。
「ごめんな、付き合わせちゃって」
「いいよー。それよりも怪我は大丈夫?」
「大丈夫だ。元々火傷してたし、特に変わらないって」
「元から?」
「ああ。昔大火傷しちゃって跡が残ってんだ」
「そっかー。でも、火傷したことには変わらないから、大事にねー」
「ああ。ありがとう。ここまででいいよ」
「家まで送ろうか? なんか、すごい苦しそうだったし」
「平気だって。それより、体験入部の続きしてきな。俺の代わりにさ」
「うーん。そう言うなら。連絡先交換しとこうか?」
「そうだな。もしかしたら、俺を入部させてもらうために頼るかも」
俺はそう思いながらも、入部したいとは思えなかった。一歩間違えたら大火事だ。篠原にまで迷惑をかけてしまったから。
でも篠原の連絡先があれば、料理の話で仲良くできるかもしれないと淡い期待があった。一緒に料理するのは無理だろうが。
「いいよー」
篠原の連絡先を登録して、篠原と別れた。彼が廊下を早足で歩くのを見送って、俺は窓辺に立つ。
外から吹く風が肌寒かった。先ほどかなりの汗をかいたのだろう。太陽があるのに、光の届く場所にいるのに寒い。
早く帰ろうと廊下を進んで水飲み場を通り過ぎようとした時、足元で動くものがあった。見てみればそれは手だった、青白く何か模様のようにギザギザとしているように見えた。
そいつは開けっぱなしの部屋からはい出てきたような形で倒れている。
手をたどって見てみると、長い白髪の人が倒れていた。ゾッとしたけど、そいつが学校指定のジャージ、しかも俺たち一年生の色のジャージだったため安心した。
「大丈夫か?」
そいつは顔を上げずに手だけを上げた。
「水もらえない? 廊下を水浸しにしてもいいからさ」
「俺が怒られるっての! あー。でもコップとかないな」
「持って連れてってくれえ」
「仕方ねえな」
そいつの肩を持って持ち上げると、その顔があらわになる。綺麗な顔立ちにキッパリとした目鼻。瞳の色は黒い。美形っぽい人だ。だけど頬の端っこにまた、ギザギザとした模様がある。
そいつの手が俺の手に触れた。冷たい。生き物とは思えない温度、俺の熱が奪われるほどの冷たい肌。そして、その手にあるギザギザの異質な感触は魚を思わせた。
抱えるためにそいつの手を持ち直すとその手から何かが落ちる。青白い丸いひし形。俺は見た、そいつの手は1箇所赤くなっている、鱗が剥がれたみたいに。
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