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【14】魔王
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八肢の銀馬が、荒れ地の空を駆けている。
「この空の色は好きなんだよね」
短い金髪を風になびかせながら、アレックスが馬上で呟く。
――ガイアデイラ。
《魔族領》《異郷》《世界の外縁》《最果て》――様々な名で呼ばれている。
魔族と呼ばれる者たちが、神に嫌われ追いやられた地だ。
陽光が届かないこの地は、常に曇天の空で、くすんだ蒼色は深く澄んでいる。独特の空気が、美しい色彩を生んでいるのだ。
「ヒューの瞳の色と同じだ」
愛しげに異郷の空を見つめ、アレックスは碧眼を細めた。
騎馬シルヴァーンは、ぶるるっ、と短く鼻を鳴らした。
「とはいえ、こうも瘴気が酷いと、ヒューの体に障る」
声のトーンが一段低くなる。
シルヴァーンから降り、アレックスは濃霧の中に降り立った。
魔瘴立ち込める地には、それを取り込み生きる動植物しか存在しない。
これはこれで、独自の生態系が出来ている。人間には毒であっても、ここでしか生きられない生物もいる。
その最たるものが、《魔王》だ。
大地の鳴動を感じ、アレックスの足許に地割れが走った。後ろに跳躍して躱す。大地の裂け目から、毒霧のように濃い瘴気が噴き出した。
《白耀の聖鎧》を身に着けた勇者に、瘴気のダメージは一切通らない。炎も、冷気も、電撃も、肌を撫でる風のようにすべて優しい。
足の下から鼓膜を破るような咆哮が響く。
(地面の下か。大型……超大型かな)
まるで、巨大な魚が荒れ地の底で暴れ回っている。
地面が激しく揺れる中、アレックスは平然と立ち、《破邪の聖剣》を抜くと、軽々と硬い地面に突き立てた。
「〈光よ、満ちろ〉」
とん、と剣の柄を弾くと、剣を伝って稲妻のような魔力が注ぎ込まれる。同時に地面が激しく揺れ、地中で何かがのたうち回る。
「どういう魔物なのか、一応見とこうかな?」
アレックスは剣を抜き、傷一つ走ることのない輝く刀身を振り上げた。
やすやすと振り下ろすと――大地が裂けた。
中型船ほどの巨大な魔獣も、一刀両断にされていた。
「へえ、意外」
アレックスは腰をかがめ、大地ごと切り裂かれた魔獣を見下ろした。
「魚じゃなくて、蛇だったんだ」
退化した羽が幾つも無数に生えた巨大蛇だ。避けた腹から、小型の蛇が数匹、必死に這い出していた。
「子供は逃がしてあげようかな。母さんみたいに、あまり大きくなるなよ。殺さないといけなくなるから」
《魔王》が死に、濃い瘴気の満ちるこの地では、魔獣が活性化し、暴走しつつある。
彼らが人間の領域に近づけば、アレックスは動かざるを得ない。
「ごめんね。僕は、《勇者》だ」
彼らにとっては《魔王》こそが必要で、《勇者》は災厄なのだ。
(――《魔王》だけが、この最果ての地から永遠に噴き出る魔瘴を、その身に引き受けることが出来る。そしてそれこそが、神が押しつけた理不尽な《罰》さ)
かつて、エルドヴァルドが仲間たちに言った言葉が蘇る。
(旧い神の子らである彼らは、その神が新たな神々に負けたとき、根絶やしにこそされなかったが、世界の果てで永遠に囚われることとなった。今の《魔王》は、神のお気に入りである人間を滅ぼし、この世界を魔の瘴気で満たそうとしている)
(だから、《勇者》が現れた)
(《勇者》とは、神の《断罪執行者》だ)
(《魔王》が人間に行き過ぎた侵略をすれば、必ず現れる)
(それが――君だよ、アレックス・ディア)
ふーん、とだけアレックスは返した。
ああ、だから僕は強いのか、と妙に納得はした。
幼い頃から、力が強かった。体も丈夫で、習ってもいない剣で、大人にも負けたことがなかった。
だからいずれ、すごい戦士になると、誰もが思っていた。
今の魔王は悪い奴だと、故郷の大人たちが言っていた。人間を攻め、滅ぼそうとしているらしい。各地で魔族が戦を起こし、大勢の人が死に、国が傾き、滅びている。
アレックスが生まれたのは、北の諸国連合の果ての小さな寒村だ。細々と狩りや漁で生活していたが、兄弟姉妹も多く、兄姉らは一定の年齢になると出稼ぎに行った。
――強いからお前は傭兵がいいだろう、この世の中ではいくらでも求められる。
幼い頃から父親にそう言われていたので、なんとなくそうしようと思っていて、十四歳になって村を出た。世界は《勇者》を求めていて、大勢の若者が自らこそ《勇者》にならんと、旅に出た。
――どうせなら、勇者になってこい。
周囲にそう担ぎ上げられ、アレックスは剣一つを持ち旅立った。
行く先々で、魔獣や野盗に困っている人々がいたので、仕事には困らなかった。旅は楽しかった。
そんな中――ヒューに出会った。一目惚れだった。
優しくて、しっかり者で、可愛くて。
どうしたら彼の関心が惹けるかと、色々尋ねてみた。
彼は孤児で、貧民街で自分より下の子供たちの面倒を看ている。たぶん幼い頃に、飢えと寒さで兄弟を亡くしている、と言っていた。辛いことばかりで、あまり記憶が無いらしい。
彼は、誰かに世界を変えてほしそうだった。
飢えることや凍えること、誰かを失うことを、恐れているようだった。
気丈なのに、辛い想いをもうしたくないと、心の中では叫んでいる。そんな子だった。
そして――《勇者》という存在を信じていた。
僕がこの世界を変えたら、この子は僕を好きになるだろうか?
本当に、ただそれだけだった。
――初めての恋が、たった一つの恋が、世界を救った。
そしてもう――恋じゃなくて、永遠の愛だ。
「……早くヒューに会いたいけど、《勇者》をサボったら、きっと怒られちゃうしな」
ふう、とアレックスはため息をついた。もう何日も一人で暴れる魔獣を退治させられている。
しかし、さっき休息を取ったとき、夢の中にヒューが出て来た。
焚き火をしながら彼との旅を思い出していたら、本当にヒューが立っていて。
夢とは残酷で、優しいと思った。
(ヒューは僕から逃げちゃったけど、夢の中でなら会えるんだね)
そう言うと、ヒューは少し困ったような、悲しそうな顔をした。アレックスは慌てた。
(もっと傍においでよ)
でも、ヒューは躊躇ったように、来てくれなかった。
(……どうしたの?)
アレックスのほうから近づくと、ヒューは逃げずに、捕らわれてくれた。夢の中でも触れられて、嬉しくてたまらなかった。
柔らかい黒髪。くすんだ灰蒼の瞳。白い肌。長い睫毛。小さな唇。すべてが懐かしくて、愛しくて、離したくない。夢の中でぐらい、強引に奪ってもいいんじゃないかと思った。
(また逃げる? もう二人で、どっかに行っちゃおうか)
(……世界は、どうすんの?)
(ヒューがいる世界なら、僕にとっては大事だよ)
(俺がいなくなったら?)
ヒューは辛そうな顔をした。
辛いなら、そんな嫌なこと聞かないでほしい。
それになんだか、ヒューの中からもう一つの気配がした。
そして無意識にだろうが、ヒューは自由なほうの腕で、無意識に胸から腹のあたりを庇うように隠していた。
ヒューの中に何かいる。そしてそれはヒューを守っていて、ヒューもそれを守っている。
それはあまり――面白くなかった。
(さあ。どうしようか)
意地悪な気持ちが湧いて、アレックスは曖昧に返事をした。するとヒューは静かにアレックスを見つめた。
(お前、アレックスなのか?)
(ヒューがそう思うならそうだし、そう思わないのなら、アレックスじゃなくてもいい)
(じゃあ、アレクのままでいてくれよ)
なんでそんなに、切なそうな顔をするんだろう。
ヒューが僕を《勇者》にしたのに。
彼をそっと抱き締めると、ヒューは身を竦ませて、自分の腹を抱いた。そこに潜んでいるやつを引きずり出してやろうかと思ったが、悪しきものではない。もうヒューに無くてはならない存在だ。それだけに苦々しい。
(……もうヒューだけいれば、僕は何でもいいんだ)
薄い体も、細い肩も、痩せた腕も、荒れた指も――すべてに触れた。ヒューはそれを許してくれたが、少しも嬉しそうではなかった。贈った指輪も外していて、僕の夢の中でくらい付けて出て来てくれてもいいのにと、それは不満だった。
(アレク)
ヒューの声が優しく、どこか寂しさを帯びながら、その指がぎこちなく、アレックスの背中に触れた。
(いまだけ、ここにいてもいいか?)
アレックスの胸がざわつく。
どうして、今だけとか言うのかな。
(夢でも――会えて嬉しかった。ほら、もう行けよ。《勇者》なんだから……)
目覚めたとき、アレックスは泣いていた。まさか自分のいない場所でヒューが死んだのかと一瞬総毛だったが、そんなことはエルドヴァルドが許さないだろう。ある程度彼の意向に沿ってやっているのも、その知識と魔力を信頼しているからだ。彼はヒューを助けようとずっと動いているようだし、魔毒に関してアレックスは今どうすることも出来ない。こうして最果ての地で、これ以上瘴気が世界に広がらないように戦うだけだ。
だから、《賢者》を信じて、一人魔獣を屠っている。
それがもし、ヒューを救えない結果に終わったなら。
「……世界なんてもう、どうでもいいや」
そう言えば、きっとまたヒューは困った顔をするだろう。
「この空の色は好きなんだよね」
短い金髪を風になびかせながら、アレックスが馬上で呟く。
――ガイアデイラ。
《魔族領》《異郷》《世界の外縁》《最果て》――様々な名で呼ばれている。
魔族と呼ばれる者たちが、神に嫌われ追いやられた地だ。
陽光が届かないこの地は、常に曇天の空で、くすんだ蒼色は深く澄んでいる。独特の空気が、美しい色彩を生んでいるのだ。
「ヒューの瞳の色と同じだ」
愛しげに異郷の空を見つめ、アレックスは碧眼を細めた。
騎馬シルヴァーンは、ぶるるっ、と短く鼻を鳴らした。
「とはいえ、こうも瘴気が酷いと、ヒューの体に障る」
声のトーンが一段低くなる。
シルヴァーンから降り、アレックスは濃霧の中に降り立った。
魔瘴立ち込める地には、それを取り込み生きる動植物しか存在しない。
これはこれで、独自の生態系が出来ている。人間には毒であっても、ここでしか生きられない生物もいる。
その最たるものが、《魔王》だ。
大地の鳴動を感じ、アレックスの足許に地割れが走った。後ろに跳躍して躱す。大地の裂け目から、毒霧のように濃い瘴気が噴き出した。
《白耀の聖鎧》を身に着けた勇者に、瘴気のダメージは一切通らない。炎も、冷気も、電撃も、肌を撫でる風のようにすべて優しい。
足の下から鼓膜を破るような咆哮が響く。
(地面の下か。大型……超大型かな)
まるで、巨大な魚が荒れ地の底で暴れ回っている。
地面が激しく揺れる中、アレックスは平然と立ち、《破邪の聖剣》を抜くと、軽々と硬い地面に突き立てた。
「〈光よ、満ちろ〉」
とん、と剣の柄を弾くと、剣を伝って稲妻のような魔力が注ぎ込まれる。同時に地面が激しく揺れ、地中で何かがのたうち回る。
「どういう魔物なのか、一応見とこうかな?」
アレックスは剣を抜き、傷一つ走ることのない輝く刀身を振り上げた。
やすやすと振り下ろすと――大地が裂けた。
中型船ほどの巨大な魔獣も、一刀両断にされていた。
「へえ、意外」
アレックスは腰をかがめ、大地ごと切り裂かれた魔獣を見下ろした。
「魚じゃなくて、蛇だったんだ」
退化した羽が幾つも無数に生えた巨大蛇だ。避けた腹から、小型の蛇が数匹、必死に這い出していた。
「子供は逃がしてあげようかな。母さんみたいに、あまり大きくなるなよ。殺さないといけなくなるから」
《魔王》が死に、濃い瘴気の満ちるこの地では、魔獣が活性化し、暴走しつつある。
彼らが人間の領域に近づけば、アレックスは動かざるを得ない。
「ごめんね。僕は、《勇者》だ」
彼らにとっては《魔王》こそが必要で、《勇者》は災厄なのだ。
(――《魔王》だけが、この最果ての地から永遠に噴き出る魔瘴を、その身に引き受けることが出来る。そしてそれこそが、神が押しつけた理不尽な《罰》さ)
かつて、エルドヴァルドが仲間たちに言った言葉が蘇る。
(旧い神の子らである彼らは、その神が新たな神々に負けたとき、根絶やしにこそされなかったが、世界の果てで永遠に囚われることとなった。今の《魔王》は、神のお気に入りである人間を滅ぼし、この世界を魔の瘴気で満たそうとしている)
(だから、《勇者》が現れた)
(《勇者》とは、神の《断罪執行者》だ)
(《魔王》が人間に行き過ぎた侵略をすれば、必ず現れる)
(それが――君だよ、アレックス・ディア)
ふーん、とだけアレックスは返した。
ああ、だから僕は強いのか、と妙に納得はした。
幼い頃から、力が強かった。体も丈夫で、習ってもいない剣で、大人にも負けたことがなかった。
だからいずれ、すごい戦士になると、誰もが思っていた。
今の魔王は悪い奴だと、故郷の大人たちが言っていた。人間を攻め、滅ぼそうとしているらしい。各地で魔族が戦を起こし、大勢の人が死に、国が傾き、滅びている。
アレックスが生まれたのは、北の諸国連合の果ての小さな寒村だ。細々と狩りや漁で生活していたが、兄弟姉妹も多く、兄姉らは一定の年齢になると出稼ぎに行った。
――強いからお前は傭兵がいいだろう、この世の中ではいくらでも求められる。
幼い頃から父親にそう言われていたので、なんとなくそうしようと思っていて、十四歳になって村を出た。世界は《勇者》を求めていて、大勢の若者が自らこそ《勇者》にならんと、旅に出た。
――どうせなら、勇者になってこい。
周囲にそう担ぎ上げられ、アレックスは剣一つを持ち旅立った。
行く先々で、魔獣や野盗に困っている人々がいたので、仕事には困らなかった。旅は楽しかった。
そんな中――ヒューに出会った。一目惚れだった。
優しくて、しっかり者で、可愛くて。
どうしたら彼の関心が惹けるかと、色々尋ねてみた。
彼は孤児で、貧民街で自分より下の子供たちの面倒を看ている。たぶん幼い頃に、飢えと寒さで兄弟を亡くしている、と言っていた。辛いことばかりで、あまり記憶が無いらしい。
彼は、誰かに世界を変えてほしそうだった。
飢えることや凍えること、誰かを失うことを、恐れているようだった。
気丈なのに、辛い想いをもうしたくないと、心の中では叫んでいる。そんな子だった。
そして――《勇者》という存在を信じていた。
僕がこの世界を変えたら、この子は僕を好きになるだろうか?
本当に、ただそれだけだった。
――初めての恋が、たった一つの恋が、世界を救った。
そしてもう――恋じゃなくて、永遠の愛だ。
「……早くヒューに会いたいけど、《勇者》をサボったら、きっと怒られちゃうしな」
ふう、とアレックスはため息をついた。もう何日も一人で暴れる魔獣を退治させられている。
しかし、さっき休息を取ったとき、夢の中にヒューが出て来た。
焚き火をしながら彼との旅を思い出していたら、本当にヒューが立っていて。
夢とは残酷で、優しいと思った。
(ヒューは僕から逃げちゃったけど、夢の中でなら会えるんだね)
そう言うと、ヒューは少し困ったような、悲しそうな顔をした。アレックスは慌てた。
(もっと傍においでよ)
でも、ヒューは躊躇ったように、来てくれなかった。
(……どうしたの?)
アレックスのほうから近づくと、ヒューは逃げずに、捕らわれてくれた。夢の中でも触れられて、嬉しくてたまらなかった。
柔らかい黒髪。くすんだ灰蒼の瞳。白い肌。長い睫毛。小さな唇。すべてが懐かしくて、愛しくて、離したくない。夢の中でぐらい、強引に奪ってもいいんじゃないかと思った。
(また逃げる? もう二人で、どっかに行っちゃおうか)
(……世界は、どうすんの?)
(ヒューがいる世界なら、僕にとっては大事だよ)
(俺がいなくなったら?)
ヒューは辛そうな顔をした。
辛いなら、そんな嫌なこと聞かないでほしい。
それになんだか、ヒューの中からもう一つの気配がした。
そして無意識にだろうが、ヒューは自由なほうの腕で、無意識に胸から腹のあたりを庇うように隠していた。
ヒューの中に何かいる。そしてそれはヒューを守っていて、ヒューもそれを守っている。
それはあまり――面白くなかった。
(さあ。どうしようか)
意地悪な気持ちが湧いて、アレックスは曖昧に返事をした。するとヒューは静かにアレックスを見つめた。
(お前、アレックスなのか?)
(ヒューがそう思うならそうだし、そう思わないのなら、アレックスじゃなくてもいい)
(じゃあ、アレクのままでいてくれよ)
なんでそんなに、切なそうな顔をするんだろう。
ヒューが僕を《勇者》にしたのに。
彼をそっと抱き締めると、ヒューは身を竦ませて、自分の腹を抱いた。そこに潜んでいるやつを引きずり出してやろうかと思ったが、悪しきものではない。もうヒューに無くてはならない存在だ。それだけに苦々しい。
(……もうヒューだけいれば、僕は何でもいいんだ)
薄い体も、細い肩も、痩せた腕も、荒れた指も――すべてに触れた。ヒューはそれを許してくれたが、少しも嬉しそうではなかった。贈った指輪も外していて、僕の夢の中でくらい付けて出て来てくれてもいいのにと、それは不満だった。
(アレク)
ヒューの声が優しく、どこか寂しさを帯びながら、その指がぎこちなく、アレックスの背中に触れた。
(いまだけ、ここにいてもいいか?)
アレックスの胸がざわつく。
どうして、今だけとか言うのかな。
(夢でも――会えて嬉しかった。ほら、もう行けよ。《勇者》なんだから……)
目覚めたとき、アレックスは泣いていた。まさか自分のいない場所でヒューが死んだのかと一瞬総毛だったが、そんなことはエルドヴァルドが許さないだろう。ある程度彼の意向に沿ってやっているのも、その知識と魔力を信頼しているからだ。彼はヒューを助けようとずっと動いているようだし、魔毒に関してアレックスは今どうすることも出来ない。こうして最果ての地で、これ以上瘴気が世界に広がらないように戦うだけだ。
だから、《賢者》を信じて、一人魔獣を屠っている。
それがもし、ヒューを救えない結果に終わったなら。
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そう言えば、きっとまたヒューは困った顔をするだろう。
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