勘違いで召喚して来たこの駄女神が強引すぎる 〜ふざけたチートスキルで女神をボコしながら冒険します〜

エレン

文字の大きさ
17 / 35
第一章 冒険者登録編

17話 魔力がないならマナを使えばいいじゃない

しおりを挟む
 ゴブリンとの遭遇からしばらくして、私達は、森の中で見つけた川のほとりで休憩をとっていた。
 森に入る時獲ったウサギを、アルテナの魔法で焼き、食べてみる。

「いやーまさに冒険者って感じの食事ね!」
「できれば調味料が欲しかったわね。まあ贅沢は言えないけど」

 私は不満そうに言うが、実際は満足していた。
 森という開放的な場所だからだろう。
 何の味付けもしてないウサギが、とても美味しく感じた。

「そう言えばアルテナ? 森の異変だけど、やっぱゴブリンだと思う?」
「そうなんじゃないの? だってここのゴブリン明らかにおかしいじゃないの」

 アルテナの言う通り、ここのゴブリンは素人目からしてもおかしかった。
 最初の遭遇後も、何回かゴブリンと戦ったのだが、毎回罠が仕掛けてあり、更に仲間に知らせようと逃げるゴブリンが必ずいた。
 おまけに進むにつれて、ゴブリンが剣などの武器や、鎧を装備する様になって来たのである。

「これってアレじゃない? ゴブリンソルジャーとか上位種ってやつよきっと」
「強いだけじゃなくて知恵もあるし……もしかして指揮をしているやつでもいるのかもしれないわね。だとすると……このまま進んで大丈夫かしら……」

 今までは探知魔法で先手をとれたこともあり、苦戦はしなかった。
 そもそも強くなって来ているとは言っても、アルテナの敵ではない。
 それでも、私は不安が拭えなかった。

「もっと自衛の手段が必要ね……アルテナ、一つ試してみてもいい?」
「試すって何を?」
「ちょっと魔法を使ってみようと思って」
「いや、あんた昨日ちょっと使っただけで倒れた癖に何言ってるのよ」
「それなんだけど……私の魔力を消費した場合の話でしょう? だったらマナを使えばいいんじゃないかと思って」
「マナを?」
「そう、見てて」

 私は昨日と同じく水球を作り出すイメージをする。
 ただ、魔力を体内ではなくマナを集め発動するイメージにした。
 すると、無事魔法が発動し、水球が作られた。
 私の魔力は減っていない。

「上手くいったわね。どうアルテナ?」

 アルテナは驚き戸惑っている。

「いや……そんなのありなわけ? 魔法って普通自分の魔力を使うもんでしょ?」
「誰がそんなこと決めたのよ? 魔道具だってマナを使うってマテツさん言ってたじゃない。同じよ、同じ」
「た、確かにそうね……あたし何で気付かなかったの……?」

 まあアルテナにはそう言ったが、私自身魔導銃と探知魔法がなければ気付かなかったかもしれない。
 思い込みというのは、時に恐ろしい物である。

「よし! あたしもやってみるわ! マナよ、我が呼びかけに応じ、その力を示せ!」

 アルテナが私と同じ事をしようとしている。
 私ももっと練習しないと。
 
 「ハァ、ハァ、ハァ……」

 数分後、挑戦に失敗し、息絶え絶えになったアルテナがいた。
 流石に初めては無理があった様だ。
 まあ私が言っても説得力はないのだが。

「アルテナ、あなたは魔力高いんだから、わざわざマナを使う必要ないでしょ?」
「うるさいわね、挑戦してみたいじゃなうわぁ!?」

 私の方を見たアルテナが、悲鳴を上げコケる。
 人の顔を見て驚くなんて失礼な。

「何をしてるのよあなた?」
「こっちのセリフよ! あんた何やってんの!?」
「別に大したことはしてないわよ」

 私はただ7、属性全部の魔法をお手玉風に回していただけである。
 
「やろうと思えばもっといけそうね」
「ちょっと待ちなさい! 炎と闇は使うんじゃないわよ! あたしの個性がなくなるじゃない!」」
「何を心配してるのあなた?」

 この後、一通り練習を終えてから私達は先へと進んだ。
 
 しばらくするとまたゴブリンを発見する。
 数は10匹、しかも全員剣や弓、さらには杖を持った魔法を使いそうな奴までいる。

「アルテナ、さっき言った作戦通り行くわよ」
「ふ、任せなさい。さあ行くわよゴブリン共!」

 私は茂みに隠れ、アルテナが突撃する。
 素早くゴブリン達に接近したアルテナはデスサイズを横に一閃する。

『『ギィ!?』』

 防御を無視するデスサイズの一撃で、咄嗟に武器で防ごうとしたゴブリン達は呆気なく両断される。
 まずは二匹。
 
 『『『ギィィィ!』』』
 
 怒り狂ったゴブリン達がアルテナに襲いかかる。
 私は右手で魔導銃を構えた。ただし狙いは襲いかかるゴブリンではない。
 離れた所から攻撃しようとしている弓と魔法のゴブリンだ。

 バンッ、バンッ

『『ギィ!?』』

 遠距離のゴブリン二匹が銃弾に倒れる。
 アルテナの方は心配要らない、すでにゴブリンの攻撃を上に飛んで避けていた。
 そこからデスサイズを振り上げ、ゴブリン達に攻撃を仕掛ける。

「漆黒の闇よ、我が武器に宿りて敵を討て!『闇の斬撃ダークスラッシュ!」
 
 デスサイズを闇の魔力が覆い、さらに大きくなる。
 そのまま襲ってきたゴブリン三匹を切り裂いた。

『『『ギャァァァ!?』』』

 これで七匹、後は三匹だ。
 残ったゴブリンは私に気付いた様で、二匹がこっちに、一匹がアルテナに向かう。
 どうやら一匹を犠牲にし、二匹で私を仕留めようとしている様だ。

 私はまずこちらに来た内、一匹に狙いを定め撃ち抜く。
 
『ギャァ!?』

 一匹は仕留めた。けれどもう一匹がすぐ近くまで迫っている、銃は間に合わない。
 私は空いた左手をゴブリンに向け、準備しておいた魔法を発動する。

魔法の壁マジックシールド!』

 ガキィン!

 魔法で出来た光の盾が私の前に現れ、ゴブリンの剣を弾く。
 これでいい。私が魔法でやりたかったのは、自分の身を守ることだ。
 だからアルテナには好きに突撃させ、私はアルテナの邪魔にならないよう、遠くから支援すればいい。
 身を守れる様になった今、それが一番有効な私たちの戦い方だった。

「勝負ついたわね」
『ギィ……』

 武器を失ったゴブリンは怯えて震えている。アルテナの方もすでに片がついており、どうしようもない事を悟った様だ。

「悪いけど……容赦する気はないの」

 バンッ

 銃弾が怯えるゴブリンを撃ち抜く。
 そこに、一部始終を見ていたアルテナが近づいてくる。

「エレン、あんた結構容赦ないわね」
「何を言ってるの? 全ては生き残って元の世界に帰るためよ。その為なら……」

 私はアルテナに言い放った。

「手段は選んじゃいられないわ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

姫様、国を買う〜亡国の姫は己の拳で金を稼ぐ〜

アジカンナイト
ファンタジー
魔物の襲撃で滅んだベルタ王国。 襲撃から生き延びたベルタ王国の姫カリーナが選んだ祖国再興の手段は、「なんでも屋」の開業だった! 旅の途中で出会った、ギャンブル狂いの元騎士の盗賊、人語を話すオーク、龍人族の剣士という一癖も二癖もある野郎共を従えて、亡国の姫による祖国再建の物語が始まる。 「報酬は、国一つ分くらい弾んでもらうわよ?」 カリーナは今日も依頼に奔走する。 完結まで書き切っています。 カクヨム様でも投稿しております。    

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

5人の勇者を「500人」と報告したら、魔王様が和平の準備を始めました

miko.m
ファンタジー
※最終話までプロット作成済み。 ※毎日19時に更新予定(たまに12時にも更新します)。 「勇者が500人!? 無理無理、勝てるわけないだろ! 和平だ、今すぐ娘を嫁に出せ!!」 魔王軍第一軍団長・ゴルドーは困っていた。たった5人の勇者に惨敗したなど、出世欲の塊である魔王ゼノンに言えるわけがない。保身のために彼がついた嘘。それは「勇者が500人いた」という、あまりにも適当な虚偽報告だった。 しかし、小心者の魔王様はそれを真に受けてパニックに! 「500人の勇者と全面戦争なんてしたら魔王軍が破産する!」と、威厳をかなぐり捨ててまさかの「終戦準備」を開始してしまう。 一方、真実を知った魔王家の三姉妹は、父の弱腰を逆手に取ってとんでもない作戦を企てる。 「500人は嘘? ちょうどいいわ。お父様を売って、あのハイスペックな勇者様たちを婿にしましょう!」 嘘を塗り重ねる軍団長、絶望する魔王、そして勇者を「逆スカウト」して実家脱出を目論む肉食系姫君たち。人間界のブラックな王様に使い潰される勇者たちを、魔王軍が「厚遇」で囲い込む!? 嘘から始まる、勘違いだらけの経営再建ファンタジーコメディ、開幕!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...