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「え?リザもロイド殿下も『恋する生徒会』プレイしてないの?」
アレクサンドラが言うと、リザとロイドが頷く。
「そうなの。ローズさんは何度もプレイしててロイドが推しだったらしいけど、私もロイドもストーリーやイベントを知らなかったからちょっと困ったわ」
リザの口からローズの名前が出たので、アレクサンドラはチラッとマークを窺い見る。
マークは特にローズの名前を気にする様子もなく話を聞いているようだった。
「ゲームでは『アレクサンドラ』は全ルート共通の悪役令嬢で、ヒロインがどのルートを選んでも断罪されて婚約破棄されるの」
「どのルートでも?」
アレクサンドラの言葉にリザが目を見開いて言う。
「そうなの。それぞれのルートで一緒に断罪される悪役令嬢が違うだけで…例えばマークのルートだと、マークの婚約者のドロシーと一緒にアレクサンドラが断罪されるのよ」
自分の名前が出て来て、マークが少し驚いた様子でアレクサンドラを見る。
「卒業パーティーの場面で婚約破棄を言い渡されるのはドロシーだけなんだけど、断罪される様な令嬢が王子の婚約者でいられる訳ないじゃない?だからアレクサンドラもパーティーの翌日婚約破棄されるの」
「それはそうよね」
リザが複雑な表情で頷く。
「ロイド殿下のルートだと、アレクサンドラ一人が断罪されて、婚約破棄されて、国外追放になるのよ」
「婚約破棄や国外追放になった後のアレクサンドラの事はゲームに出てくるの?」
「…ぼんやりとしか描かれてないの。まあ…あまり幸せそうじゃなかったと思うけど」
アレクサンドラが苦笑いしながら言うと、リザも「そうよね」と頷いた。
「私は前世では難病で学校へも通えなくて、友達もいないまま15歳で亡くなったの。リザとロイド殿下は?」
「俺には前世の記憶がほとんどない」
ロイドがそう言うと、アレクサンドラは眼を瞬かせた。
「そうなの?」
「ああ。覚えてるのは、転生前のリザの事だけだ」
「え?リザとロイド殿下は転生前から…?」
「ちっ違うの!前世でロイドの自転車が私に衝突して、私が死んじゃったから責任を感じてたって事なの!」
リザが慌てて言いながら、隣のロイドの腕を叩く。
「もう!誤解させる言い方しないでよ」
「嘘は言ってないぞ」
ロイドがしれっと言うとリザが赤くなった。
「仲良しなのね…」
良かった。と、聞こえないように小さく呟くと、ほっと息を吐いた。
「あら。殿下それは気にする処ではないわ」
ロイドがアレクサンドラとリザが入れ替わって生まれた事を申し訳なさそうに言うので、アレクサンドラは胸を張って言った。
「私はワイダラー家に生まれて良かったと思ってるもの」
アレクサンドラはマークの方を向くと、マークにリザの方を見るよう促す。
「ねえ、マーク。リザはお姉様に似てると思わない?」
「リズ様に?…そう言われたら、そうだな」
「私だけ顔立ちが派手で家族と違うの。でも私は『アリはお祖母様似よ』って言ってくれるお母様も『アリは眼がパッチリしててかわいいわ』って言ってくれるお姉様も…お父様もお兄様も、皆んなが大好きなのよ」
「…そうか」
アレクサンドラの言葉にロイドが安心したように言う。
「私だって。お姉様みたいに綺麗じゃなくて地味だけど、お姉様と仲良いし大好きよ。甥っ子もかわいいしね」
リザがニコニコして言った。
-----
「じゃあマークが強制力から解放されたきっかけは自分に疑問を持ったから?」
リザがそう聞くと、マークは頷いた。
「…そうだな。俺は何のためにあんな事をしたんだろう?俺はそんな人間だったか?と思ったのがきっかけだったな」
「そう…」
「後は嫉妬だ」
「嫉妬?」
きょとんとしてマークを見るリザとロイド。
「ウリエルに嫉妬した時、俺はローズにもロイド殿下にも嫉妬心が全く湧かなかったと気付いた」
「ウリエル?」
「…私の幼馴染」
アレクサンドラが頬を赤くしながら言う。
「好きな女が他の男を好きだと言うのに、全く嫉妬しないというのは正常ではないだろう?」
「そうだな。だとすると、ニューマン先生に気付かせるのは難しいか…」
ロイドが顎に手を当てて考える。
「ゴヴァン…ニューマン先生は今も?」
アレクサンドラがそう聞くと、リザとロイドが頷く。
「今も収監されてるわ。ローズが国外追放になったと聞いても、いつかまた会えると思ってるみたい。私に対する敵意はなくなったみたいだけど」
リザが言う。
「ニューマン先生の恋人だった侍女は?」
マークが言うと、ロイドがかぶりを振った。
「彼女にも会わせてみたけど変化はなかった。彼女は今は修道院に入っている」
「では、ニューマン先生はその侍女を本当に好きで付き合っていた訳ではないのかもな。それとも考える事を放棄しているのか」
「放棄の方が近いかもな。今の状態では新しい出会いはないし…今度はその侍女とローズの違いをじっくり考えてみるよう促すか。先は長そうだが…」
ロイドはため息混じりにそう言った。
「え?リザもロイド殿下も『恋する生徒会』プレイしてないの?」
アレクサンドラが言うと、リザとロイドが頷く。
「そうなの。ローズさんは何度もプレイしててロイドが推しだったらしいけど、私もロイドもストーリーやイベントを知らなかったからちょっと困ったわ」
リザの口からローズの名前が出たので、アレクサンドラはチラッとマークを窺い見る。
マークは特にローズの名前を気にする様子もなく話を聞いているようだった。
「ゲームでは『アレクサンドラ』は全ルート共通の悪役令嬢で、ヒロインがどのルートを選んでも断罪されて婚約破棄されるの」
「どのルートでも?」
アレクサンドラの言葉にリザが目を見開いて言う。
「そうなの。それぞれのルートで一緒に断罪される悪役令嬢が違うだけで…例えばマークのルートだと、マークの婚約者のドロシーと一緒にアレクサンドラが断罪されるのよ」
自分の名前が出て来て、マークが少し驚いた様子でアレクサンドラを見る。
「卒業パーティーの場面で婚約破棄を言い渡されるのはドロシーだけなんだけど、断罪される様な令嬢が王子の婚約者でいられる訳ないじゃない?だからアレクサンドラもパーティーの翌日婚約破棄されるの」
「それはそうよね」
リザが複雑な表情で頷く。
「ロイド殿下のルートだと、アレクサンドラ一人が断罪されて、婚約破棄されて、国外追放になるのよ」
「婚約破棄や国外追放になった後のアレクサンドラの事はゲームに出てくるの?」
「…ぼんやりとしか描かれてないの。まあ…あまり幸せそうじゃなかったと思うけど」
アレクサンドラが苦笑いしながら言うと、リザも「そうよね」と頷いた。
「私は前世では難病で学校へも通えなくて、友達もいないまま15歳で亡くなったの。リザとロイド殿下は?」
「俺には前世の記憶がほとんどない」
ロイドがそう言うと、アレクサンドラは眼を瞬かせた。
「そうなの?」
「ああ。覚えてるのは、転生前のリザの事だけだ」
「え?リザとロイド殿下は転生前から…?」
「ちっ違うの!前世でロイドの自転車が私に衝突して、私が死んじゃったから責任を感じてたって事なの!」
リザが慌てて言いながら、隣のロイドの腕を叩く。
「もう!誤解させる言い方しないでよ」
「嘘は言ってないぞ」
ロイドがしれっと言うとリザが赤くなった。
「仲良しなのね…」
良かった。と、聞こえないように小さく呟くと、ほっと息を吐いた。
「あら。殿下それは気にする処ではないわ」
ロイドがアレクサンドラとリザが入れ替わって生まれた事を申し訳なさそうに言うので、アレクサンドラは胸を張って言った。
「私はワイダラー家に生まれて良かったと思ってるもの」
アレクサンドラはマークの方を向くと、マークにリザの方を見るよう促す。
「ねえ、マーク。リザはお姉様に似てると思わない?」
「リズ様に?…そう言われたら、そうだな」
「私だけ顔立ちが派手で家族と違うの。でも私は『アリはお祖母様似よ』って言ってくれるお母様も『アリは眼がパッチリしててかわいいわ』って言ってくれるお姉様も…お父様もお兄様も、皆んなが大好きなのよ」
「…そうか」
アレクサンドラの言葉にロイドが安心したように言う。
「私だって。お姉様みたいに綺麗じゃなくて地味だけど、お姉様と仲良いし大好きよ。甥っ子もかわいいしね」
リザがニコニコして言った。
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「じゃあマークが強制力から解放されたきっかけは自分に疑問を持ったから?」
リザがそう聞くと、マークは頷いた。
「…そうだな。俺は何のためにあんな事をしたんだろう?俺はそんな人間だったか?と思ったのがきっかけだったな」
「そう…」
「後は嫉妬だ」
「嫉妬?」
きょとんとしてマークを見るリザとロイド。
「ウリエルに嫉妬した時、俺はローズにもロイド殿下にも嫉妬心が全く湧かなかったと気付いた」
「ウリエル?」
「…私の幼馴染」
アレクサンドラが頬を赤くしながら言う。
「好きな女が他の男を好きだと言うのに、全く嫉妬しないというのは正常ではないだろう?」
「そうだな。だとすると、ニューマン先生に気付かせるのは難しいか…」
ロイドが顎に手を当てて考える。
「ゴヴァン…ニューマン先生は今も?」
アレクサンドラがそう聞くと、リザとロイドが頷く。
「今も収監されてるわ。ローズが国外追放になったと聞いても、いつかまた会えると思ってるみたい。私に対する敵意はなくなったみたいだけど」
リザが言う。
「ニューマン先生の恋人だった侍女は?」
マークが言うと、ロイドがかぶりを振った。
「彼女にも会わせてみたけど変化はなかった。彼女は今は修道院に入っている」
「では、ニューマン先生はその侍女を本当に好きで付き合っていた訳ではないのかもな。それとも考える事を放棄しているのか」
「放棄の方が近いかもな。今の状態では新しい出会いはないし…今度はその侍女とローズの違いをじっくり考えてみるよう促すか。先は長そうだが…」
ロイドはため息混じりにそう言った。
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