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「もしかして、あの時殿下にお茶を注げって言ったの…」
イライザが口元を両手で覆いながら言う。
「そう。私。ついでに紅茶がたっぷり入った大きめのポットをグレイ殿下の側のワゴンに置いたのも私よ。当時八歳の身には重くて熱くて大変だったけど、イライザより先に私がポット割ったりしたら台無しだから頑張ったわ」
ミアが自分を指差しながら言った。
「それで、まんまと私が紅茶を溢したらハンカチ持って駆け付けたの?」
「そうよ。だって私その頃にはもう前世の記憶があったんだもの。ゲームの設定でグレイとイライザが婚約するきっかけとしてこの『火傷事件』があったから、どさくさにグレイ殿下の素手に触れたらラッキーだと思ったの」
「それで、まんまと触ったのね」
「そう。まんまとね」
あんな頃からミアにはゲームの知識があって、私と殿下の「出会い」をグレイ殿下の赤い糸が見えるようになるために利用されたのか…
「それで、グレイ殿下の赤い糸が見えるようになって、私…嬉しくて割と直ぐに切っちゃったのよ」
ミアが首を捻りながら言う。
「…え?直ぐ?」
「そう。一週間くらいは我慢したんだけど、どうせ切るんだから良いか~と思って」
「…まだゲーム始まってない…って言うか、ミアとグレイ殿下、知り合ってもないのに?」
火傷事件の時のミアはグレイを取り囲んだその他大勢の一人で、グレイはミアを個別認識していない。つまりその時、まだヒロインと攻略対象者は出会っていないのだ。
「そうなの。グレイとイライザは、ゲームが始まる時点で婚約してる筈なのに、婚約もしてないし、ゲームの初期ではもっと親しかった筈なのに世間話する程度の間柄だったでしょ?それって赤い糸をもう切っちゃってたせいだと思う」
「そうなんだ…」
「まあ、切っちゃったもんはしょうがないし、私と結んじゃえば進展するだろうと思って、学園入って一か月くらいしてから私とグレイ殿下の赤い糸を結んだの」
「…そう」
「まあイライザはほぼゲーム通りに私を虐めてくれて、グレイ殿下に付き纏ってくれたからそれは助かったんだけど、グレイ殿下の方はなかなかゲームのような展開にならなくて。やっぱりある程度好感度を上げてから赤い糸を切らなきゃいけなかったんだなって」
頭を掻きながらミアは言う。
「イライザも、ほぼゲーム通りだったのに、やっぱりそれはほぼだからか、私を階段から突き落としてグレイ殿下に叱責されるってイベントを起こす時期が過ぎても一向にそれを起こさなくて…」
「それで自分からぶつかって一緒に階段落ちたのね」
イライザが呆れたように言うが、ミアはそれを気にも留めずにイライザの方へ身を乗り出した。
「そうなの!でもそれからイライザの性格が変わっちゃったのよ!」
「…その時死に掛けて、元のイライザと私が融合して、イライザの記憶を持った私が生まれたの」
ミアの圧にイライザは若干引き気味に言う。
「え?そうなの?じゃあその時にゲームの事とか赤い糸の事とか…」
「うん」
イライザが頷くと、ミアは頭を抱えた。
「じゃあ私がイライザを階段から落とさなきゃ、イライザは悪役令嬢のままだったの?」
「多分」
「私、自分で自分の首締めた?」
「多分」
「うぐぅ~」
唸りながら絨毯の床へと突っ伏すミア。
「イライザが私を虐めなくなって、私焦って、エドモンド殿下とマリンアンヌの赤い糸を切ってイライザと結んだの。イライザが隣国へ行けばいいと思って」
突っ伏した姿勢のまま、顔だけイライザの方へ向けて言うミア。口元に皮肉っぽい笑みが浮かんでいた。
「マリアンヌとロイ殿下を結んだのは?」
「マリアンヌがロイ殿下を好きだったからよ。必ずしも初恋の相手と赤い糸が繋がってる訳じゃないから」
「ロイ殿下は誰と繋がってたの?」
「ロイ殿下は元々誰とも繋がってなかったの。でも王子だし、赤い糸が繋がってなくても誰かと結婚するだろうけどね。王族は色々しがらみもあるし、結婚も赤い糸で繋がった相手とするとは限らないじゃない?」
「そう…」
そうか、宝石店の店主とハンナも赤い糸が繋がらない相手と結婚してたもの。王族とか貴族の政略結婚だとあり得る…ううんむしろよくある話しなのかも。
「もしかして、あの時殿下にお茶を注げって言ったの…」
イライザが口元を両手で覆いながら言う。
「そう。私。ついでに紅茶がたっぷり入った大きめのポットをグレイ殿下の側のワゴンに置いたのも私よ。当時八歳の身には重くて熱くて大変だったけど、イライザより先に私がポット割ったりしたら台無しだから頑張ったわ」
ミアが自分を指差しながら言った。
「それで、まんまと私が紅茶を溢したらハンカチ持って駆け付けたの?」
「そうよ。だって私その頃にはもう前世の記憶があったんだもの。ゲームの設定でグレイとイライザが婚約するきっかけとしてこの『火傷事件』があったから、どさくさにグレイ殿下の素手に触れたらラッキーだと思ったの」
「それで、まんまと触ったのね」
「そう。まんまとね」
あんな頃からミアにはゲームの知識があって、私と殿下の「出会い」をグレイ殿下の赤い糸が見えるようになるために利用されたのか…
「それで、グレイ殿下の赤い糸が見えるようになって、私…嬉しくて割と直ぐに切っちゃったのよ」
ミアが首を捻りながら言う。
「…え?直ぐ?」
「そう。一週間くらいは我慢したんだけど、どうせ切るんだから良いか~と思って」
「…まだゲーム始まってない…って言うか、ミアとグレイ殿下、知り合ってもないのに?」
火傷事件の時のミアはグレイを取り囲んだその他大勢の一人で、グレイはミアを個別認識していない。つまりその時、まだヒロインと攻略対象者は出会っていないのだ。
「そうなの。グレイとイライザは、ゲームが始まる時点で婚約してる筈なのに、婚約もしてないし、ゲームの初期ではもっと親しかった筈なのに世間話する程度の間柄だったでしょ?それって赤い糸をもう切っちゃってたせいだと思う」
「そうなんだ…」
「まあ、切っちゃったもんはしょうがないし、私と結んじゃえば進展するだろうと思って、学園入って一か月くらいしてから私とグレイ殿下の赤い糸を結んだの」
「…そう」
「まあイライザはほぼゲーム通りに私を虐めてくれて、グレイ殿下に付き纏ってくれたからそれは助かったんだけど、グレイ殿下の方はなかなかゲームのような展開にならなくて。やっぱりある程度好感度を上げてから赤い糸を切らなきゃいけなかったんだなって」
頭を掻きながらミアは言う。
「イライザも、ほぼゲーム通りだったのに、やっぱりそれはほぼだからか、私を階段から突き落としてグレイ殿下に叱責されるってイベントを起こす時期が過ぎても一向にそれを起こさなくて…」
「それで自分からぶつかって一緒に階段落ちたのね」
イライザが呆れたように言うが、ミアはそれを気にも留めずにイライザの方へ身を乗り出した。
「そうなの!でもそれからイライザの性格が変わっちゃったのよ!」
「…その時死に掛けて、元のイライザと私が融合して、イライザの記憶を持った私が生まれたの」
ミアの圧にイライザは若干引き気味に言う。
「え?そうなの?じゃあその時にゲームの事とか赤い糸の事とか…」
「うん」
イライザが頷くと、ミアは頭を抱えた。
「じゃあ私がイライザを階段から落とさなきゃ、イライザは悪役令嬢のままだったの?」
「多分」
「私、自分で自分の首締めた?」
「多分」
「うぐぅ~」
唸りながら絨毯の床へと突っ伏すミア。
「イライザが私を虐めなくなって、私焦って、エドモンド殿下とマリンアンヌの赤い糸を切ってイライザと結んだの。イライザが隣国へ行けばいいと思って」
突っ伏した姿勢のまま、顔だけイライザの方へ向けて言うミア。口元に皮肉っぽい笑みが浮かんでいた。
「マリアンヌとロイ殿下を結んだのは?」
「マリアンヌがロイ殿下を好きだったからよ。必ずしも初恋の相手と赤い糸が繋がってる訳じゃないから」
「ロイ殿下は誰と繋がってたの?」
「ロイ殿下は元々誰とも繋がってなかったの。でも王子だし、赤い糸が繋がってなくても誰かと結婚するだろうけどね。王族は色々しがらみもあるし、結婚も赤い糸で繋がった相手とするとは限らないじゃない?」
「そう…」
そうか、宝石店の店主とハンナも赤い糸が繋がらない相手と結婚してたもの。王族とか貴族の政略結婚だとあり得る…ううんむしろよくある話しなのかも。
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