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「ミシェルは?ミシェルもアリス様を憎んだり苛めたりするようには見えないけど…何で?」
レイラの問いに、ミシェルは顎に手を当てて「んー」と考える。
「あのね、私…実は、サイラス殿下がアリス様を好きになる事を期待してたの」
ミシェルが言う。
「え?」
「サイラス殿下がアリス様を好きになって、イアンの言うようにゲームが展開して行けば、私、殿下から婚約破棄されるんでしょう?」
「…そうなるわね」
「だから」
「つまり、ミシェルはサイラス殿下と婚約したくなかった?」
ミシェルは薄く笑顔を浮かべた。
「…サイラス殿下を嫌いな訳じゃないんだけどね。王子から婚約破棄されるような令嬢を娶ろうなんて貴族令息なかなかいないでしょう?そうなればモーリス家を出なくて済むかな…って」
「……」
「…私、イアンが好きなの」
ミシェルは真っ直ぐにレイラを見ながら言った。
「ミシェル様…?」
ミシェルの後ろでイアンが驚愕の表情を浮かべている。
知らなかったんだ。イアン。
「もちろん、結ばれたいなんて思ってないわ。ただモーリス家から出て行きたくないの。ましてやサイラス殿下が王太子になられたら…もうイアンと話す事すら叶わなくなるでしょう?」
ミシェルは眉を寄せて言う。
確かに、王太子妃、後々は王妃となれば、例え里帰りしたとしても兄の執事と親しく話す事など出来なくなるだろう。
「ああ、イアンは何も気にしなくて良いのよ。イアンがメイドのウィルマとお付き合いしてるのも知ってるしね」
ミシェルは笑いながらイアンへ振り向く。
「…ミシェル様、私は」
「つまりね、私がサイラス殿下に恋心を抱いていない事と、サイラス殿下が転生者で強制力が働いていない事の両方が合わさって、私はアリス様を憎らしく思わないんじゃないかな、と思うの」
ミシェルはまたレイラの方へ向くと、イアンの言葉を遮るように言った。
「それでね、サイラス殿下が転生者と分かったのはね」
ミシェルが明るい声で言ったので、レイラはミシェルがイアンの事にはもう触れるなと言っているのだと理解する。
「そうね、どうしてなの?」
ミシェルの後ろで、イアンは無表情でじっとミシェルを見ている。
イアンとお付き合いしているウィルマと言うメイドは、イアンがアリスを好きになっていないから悪役令嬢化はしないのかも知れないけど、仕えている家の令嬢が自分を好きだなんて…これからイアンはどうするんだろう?
「モニカ様には他人事みたいに言ったけど、ハミルトン先生がアリス様を連れて来てサイラス殿下と会った時、私もその場にいたのよね」
「そうなの?」
「うん。だからあれからサイラス殿下からのご連絡がなくなったと言ったのも嘘なの」
ミシェルは肩を竦めて言う。
「ただ、期待してたのよね。アリス様に会ったサイラス殿下が恋に落ちるのを。そうしたら特に変わりない感じだったから、思わず『サイラス殿下もしかして前世の記憶があるんですか?』って言っちゃって…」
「直球ね」
「そうしたら殿下、驚いて『何故知ってるんだ!?』って言ったのよ」
-----
「カイル殿下…」
うるうるした青い瞳で、アリスがカイルを見つめている。
…思わず口付けてしまうなど、どうしたんだ俺は。
カイルは王族として、衝動に駆られた行動はしないよう自制して生きて来た。
実際、婚約者のレイラとも手を繋いだり、たまに抱きしめたりしても口付けをした事はない。
それだけ、俺がアリスを好きだと言う事なのか?
かわいいアリス。
アリスを見ていると、細かい事は考えなくても良いような気がして来る。
青い瞳。
…レイラの瞳に似ている。
いや、アリスの瞳にレイラが似ているのか?
レイラの青い瞳を思い出すと、カイルの胸がザワリと波立った。
「殿下?」
アリスが小首を傾げてカイルを見ている。
…かわいい。アリス。
カイルはアリスの手を取って、甲に口付けを落とす。
「好きだ。アリス」
「カイル殿下…嬉しい…」
潤んだ青い瞳に、カイルの思考は押し流され、アリスで頭がいっぱいになった。
「ミシェルは?ミシェルもアリス様を憎んだり苛めたりするようには見えないけど…何で?」
レイラの問いに、ミシェルは顎に手を当てて「んー」と考える。
「あのね、私…実は、サイラス殿下がアリス様を好きになる事を期待してたの」
ミシェルが言う。
「え?」
「サイラス殿下がアリス様を好きになって、イアンの言うようにゲームが展開して行けば、私、殿下から婚約破棄されるんでしょう?」
「…そうなるわね」
「だから」
「つまり、ミシェルはサイラス殿下と婚約したくなかった?」
ミシェルは薄く笑顔を浮かべた。
「…サイラス殿下を嫌いな訳じゃないんだけどね。王子から婚約破棄されるような令嬢を娶ろうなんて貴族令息なかなかいないでしょう?そうなればモーリス家を出なくて済むかな…って」
「……」
「…私、イアンが好きなの」
ミシェルは真っ直ぐにレイラを見ながら言った。
「ミシェル様…?」
ミシェルの後ろでイアンが驚愕の表情を浮かべている。
知らなかったんだ。イアン。
「もちろん、結ばれたいなんて思ってないわ。ただモーリス家から出て行きたくないの。ましてやサイラス殿下が王太子になられたら…もうイアンと話す事すら叶わなくなるでしょう?」
ミシェルは眉を寄せて言う。
確かに、王太子妃、後々は王妃となれば、例え里帰りしたとしても兄の執事と親しく話す事など出来なくなるだろう。
「ああ、イアンは何も気にしなくて良いのよ。イアンがメイドのウィルマとお付き合いしてるのも知ってるしね」
ミシェルは笑いながらイアンへ振り向く。
「…ミシェル様、私は」
「つまりね、私がサイラス殿下に恋心を抱いていない事と、サイラス殿下が転生者で強制力が働いていない事の両方が合わさって、私はアリス様を憎らしく思わないんじゃないかな、と思うの」
ミシェルはまたレイラの方へ向くと、イアンの言葉を遮るように言った。
「それでね、サイラス殿下が転生者と分かったのはね」
ミシェルが明るい声で言ったので、レイラはミシェルがイアンの事にはもう触れるなと言っているのだと理解する。
「そうね、どうしてなの?」
ミシェルの後ろで、イアンは無表情でじっとミシェルを見ている。
イアンとお付き合いしているウィルマと言うメイドは、イアンがアリスを好きになっていないから悪役令嬢化はしないのかも知れないけど、仕えている家の令嬢が自分を好きだなんて…これからイアンはどうするんだろう?
「モニカ様には他人事みたいに言ったけど、ハミルトン先生がアリス様を連れて来てサイラス殿下と会った時、私もその場にいたのよね」
「そうなの?」
「うん。だからあれからサイラス殿下からのご連絡がなくなったと言ったのも嘘なの」
ミシェルは肩を竦めて言う。
「ただ、期待してたのよね。アリス様に会ったサイラス殿下が恋に落ちるのを。そうしたら特に変わりない感じだったから、思わず『サイラス殿下もしかして前世の記憶があるんですか?』って言っちゃって…」
「直球ね」
「そうしたら殿下、驚いて『何故知ってるんだ!?』って言ったのよ」
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「カイル殿下…」
うるうるした青い瞳で、アリスがカイルを見つめている。
…思わず口付けてしまうなど、どうしたんだ俺は。
カイルは王族として、衝動に駆られた行動はしないよう自制して生きて来た。
実際、婚約者のレイラとも手を繋いだり、たまに抱きしめたりしても口付けをした事はない。
それだけ、俺がアリスを好きだと言う事なのか?
かわいいアリス。
アリスを見ていると、細かい事は考えなくても良いような気がして来る。
青い瞳。
…レイラの瞳に似ている。
いや、アリスの瞳にレイラが似ているのか?
レイラの青い瞳を思い出すと、カイルの胸がザワリと波立った。
「殿下?」
アリスが小首を傾げてカイルを見ている。
…かわいい。アリス。
カイルはアリスの手を取って、甲に口付けを落とす。
「好きだ。アリス」
「カイル殿下…嬉しい…」
潤んだ青い瞳に、カイルの思考は押し流され、アリスで頭がいっぱいになった。
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