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「リンジーが倒れたと聞いたが?」
パーティー会場で、ケントはヒューイを軽く睨みながら言う。
「ああ…熱が高い。今は俺の部屋で寝かせている。パーティーが終わったら家へ送って行く」
ヒューイは真剣な表情で言った。
「…ヒューイは何故リンジーを婚約者に選んだんだ?」
「は?」
「ヒューイはリンジーを恋愛的に好きな訳ではないんだろう?リンジーは嫌がっているのに…婚約を解消してやれないのか?」
「……」
押し黙るヒューイに、ケントはため息を吐く。
「…リンジーの『条件』を満たす男が現れれば、婚約解消するんだよな?」
「ケント?」
ヒューイは訝し気にケントを見た。
「俺がその『条件』を満たすと言ったら?」
-----
ふっと目を覚ますと、黒くてふさふさの毛の塊が目に飛び込んで来た。
「…?」
何で私のベッドに黒猫がいるの…?
ぼんやりしながら「黒猫」をじっと見る。
猫…の向こうに見える壁…あの柄見た事ないな…
あれ?そもそもここ私の部屋じゃない?
私…ヒューイの誕生パーティーで、バルコニーでユーニスと話してて、そうしたらヒューイが来て…
「!」
だとしたら、ここ、グラフトン家!?
ここ…ゲストルームかな?ああ、おじ様とおば様に迷惑を掛けちゃったわ。
リンジーが起き上がると、掛けていた毛布が捲れて…
「?」
猫かと思っていた黒い塊…ヒューイがリンジーの隣に横たわっていた。
「!?」
ヒューイ!?何で!?
「きゃあ!」
ドシンッ。
思わず飛び退いたリンジーは、ベッドから転げ落ちた。
「…リンジー?何してるんだ?」
リンジーに背を向けて横たわっているヒューイが寝返りをうつよう体の向きを変えながら床で尻餅をついたリンジーを見る。
「なっ何してるんだはこっちの台詞よ」
「俺のベッドに俺が寝て、何が悪い?」
ベッドの上で横向きになり、頬杖をついたヒューイが真顔で言った。
「俺のベッド…って、ここヒューイの部屋?」
リンジーは視線を下に向けて自分の姿を見る。
結ってあった髪は解かれ、お化粧も落としてあるようだ。それに化粧着に着替えさせてある。
「~~~!!」
リンジーは慌ててベッドの上の毛布を掴んで取ると、自分の身体に巻き付けた。
「今更」
ヒューイは頬杖をついたまま薄く笑う。
「…今何時なの?」
毛布から顔だけ出したリンジーが言うと
「さあ?夜中なのは確かだな」
とヒューイは言った。
確かに、辺りは暗い。サイドテーブルに置かれたランプの灯りでぼんやりと部屋全体が照らされていた。
「夜中…」
「ああ、パーティーの後送ろうと思ってたんだが、熱も高いし、よく眠っていたしな。オルディス家にはリンジーが熱を出したから泊まらせると知らせてあるから心配するな。一週間前から熱が上がったり下がったりしていたらしいな?」
「泊まらせるって、何もヒューイの部屋でなくても…」
改めて考えてみたら、ヒューイの寝室って、かなり子供の頃にしか入った事ないわ。
…このベッドで、あの時侍女と?
そして、ザインとも…?
「リンジーは俺の婚約者だから問題ない」
「問題あるわ」
これじゃあ周りに、私とヒューイがもう一線を超えてると思われちゃうじゃない。
「向こうのソファへ行くわ」
毛布ごと立ち上がったリンジーに、ヒューイは手を伸ばしてリンジーの身体に腕を回すと、ぐいっと引いた。
「ひゃっ!」
ボスンッと、弾むようにリンジーはベッドに倒れ込む。
リンジーの頭を挟むように両手をついたヒューイは、リンジーの顔を覗き込む。
近い!それにこの体勢…
「婚約者の部屋に泊まったなら、もう既成事実はあるような物だろう?今更ソファで寝ても一緒だ」
「…それは」
そうかも知れないけど。
「それとも、リンジーの『条件』を満たす男に操を立てているつもりか?」
「え?」
「…いや。とにかくリンジーは病人なんだから、大人しくベッドに寝てろ」
ヒューイはそう言うと、リンジーの頭の横についた手を片方引いて、またリンジーの横で頬杖をついた。
ヒューイの手がリンジーの額に触れ、リンジーはビクッと身体を震わせる。
「大分下がっているが、まだ熱いな」
ね、熱ね。熱。
跳ねる心臓を押さえながら、リンジーはヒューイに視線を向けた。
ヒューイは少し口角を上げる。
「何もしやしない。寝ろ」
…この状況で何もされないって言うのも…されたい訳じゃ絶対にないけど、複雑だわ。
でもヒューイが私に何かする訳ないわよね。さっきだって向こう向いてたし、今現在後継ぎを作る必要はないんだし。
「リンジーが倒れたと聞いたが?」
パーティー会場で、ケントはヒューイを軽く睨みながら言う。
「ああ…熱が高い。今は俺の部屋で寝かせている。パーティーが終わったら家へ送って行く」
ヒューイは真剣な表情で言った。
「…ヒューイは何故リンジーを婚約者に選んだんだ?」
「は?」
「ヒューイはリンジーを恋愛的に好きな訳ではないんだろう?リンジーは嫌がっているのに…婚約を解消してやれないのか?」
「……」
押し黙るヒューイに、ケントはため息を吐く。
「…リンジーの『条件』を満たす男が現れれば、婚約解消するんだよな?」
「ケント?」
ヒューイは訝し気にケントを見た。
「俺がその『条件』を満たすと言ったら?」
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ふっと目を覚ますと、黒くてふさふさの毛の塊が目に飛び込んで来た。
「…?」
何で私のベッドに黒猫がいるの…?
ぼんやりしながら「黒猫」をじっと見る。
猫…の向こうに見える壁…あの柄見た事ないな…
あれ?そもそもここ私の部屋じゃない?
私…ヒューイの誕生パーティーで、バルコニーでユーニスと話してて、そうしたらヒューイが来て…
「!」
だとしたら、ここ、グラフトン家!?
ここ…ゲストルームかな?ああ、おじ様とおば様に迷惑を掛けちゃったわ。
リンジーが起き上がると、掛けていた毛布が捲れて…
「?」
猫かと思っていた黒い塊…ヒューイがリンジーの隣に横たわっていた。
「!?」
ヒューイ!?何で!?
「きゃあ!」
ドシンッ。
思わず飛び退いたリンジーは、ベッドから転げ落ちた。
「…リンジー?何してるんだ?」
リンジーに背を向けて横たわっているヒューイが寝返りをうつよう体の向きを変えながら床で尻餅をついたリンジーを見る。
「なっ何してるんだはこっちの台詞よ」
「俺のベッドに俺が寝て、何が悪い?」
ベッドの上で横向きになり、頬杖をついたヒューイが真顔で言った。
「俺のベッド…って、ここヒューイの部屋?」
リンジーは視線を下に向けて自分の姿を見る。
結ってあった髪は解かれ、お化粧も落としてあるようだ。それに化粧着に着替えさせてある。
「~~~!!」
リンジーは慌ててベッドの上の毛布を掴んで取ると、自分の身体に巻き付けた。
「今更」
ヒューイは頬杖をついたまま薄く笑う。
「…今何時なの?」
毛布から顔だけ出したリンジーが言うと
「さあ?夜中なのは確かだな」
とヒューイは言った。
確かに、辺りは暗い。サイドテーブルに置かれたランプの灯りでぼんやりと部屋全体が照らされていた。
「夜中…」
「ああ、パーティーの後送ろうと思ってたんだが、熱も高いし、よく眠っていたしな。オルディス家にはリンジーが熱を出したから泊まらせると知らせてあるから心配するな。一週間前から熱が上がったり下がったりしていたらしいな?」
「泊まらせるって、何もヒューイの部屋でなくても…」
改めて考えてみたら、ヒューイの寝室って、かなり子供の頃にしか入った事ないわ。
…このベッドで、あの時侍女と?
そして、ザインとも…?
「リンジーは俺の婚約者だから問題ない」
「問題あるわ」
これじゃあ周りに、私とヒューイがもう一線を超えてると思われちゃうじゃない。
「向こうのソファへ行くわ」
毛布ごと立ち上がったリンジーに、ヒューイは手を伸ばしてリンジーの身体に腕を回すと、ぐいっと引いた。
「ひゃっ!」
ボスンッと、弾むようにリンジーはベッドに倒れ込む。
リンジーの頭を挟むように両手をついたヒューイは、リンジーの顔を覗き込む。
近い!それにこの体勢…
「婚約者の部屋に泊まったなら、もう既成事実はあるような物だろう?今更ソファで寝ても一緒だ」
「…それは」
そうかも知れないけど。
「それとも、リンジーの『条件』を満たす男に操を立てているつもりか?」
「え?」
「…いや。とにかくリンジーは病人なんだから、大人しくベッドに寝てろ」
ヒューイはそう言うと、リンジーの頭の横についた手を片方引いて、またリンジーの横で頬杖をついた。
ヒューイの手がリンジーの額に触れ、リンジーはビクッと身体を震わせる。
「大分下がっているが、まだ熱いな」
ね、熱ね。熱。
跳ねる心臓を押さえながら、リンジーはヒューイに視線を向けた。
ヒューイは少し口角を上げる。
「何もしやしない。寝ろ」
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