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「それで兄上はロード・フェアリに『運命』を感じたのですか?」
レスターの私室のソファにアレンが座っている。アレンの向かいに座ったレスターは膝の上で手を組み合わせていた。
「…確かに、ロード・フェアリを見た途端、動悸がして、目を離せない感じがあった。お前から『気をつけろ』と聞いていなければ私もそれが『恋』だと思ったかも知れないな」
「そうですか…兄上に頭がおかしいと思われる覚悟で忠告して良かったです」
「ははは。確かにアレンが『転生』とか言い出した時にはどうかしたのかと思ったぞ」
「…どうかしたと思われて第二王子の地位から落とされるなら、それでも良かったんですがね」
アレンは小声で呟く。
「何だ?」
「いえ。何でも」
ノックの音がして、レスターの侍従が部屋に入って来る。
「フレデリック様がお見えです」
「通せ」
「兄上、フレデリック兄さんに何か?」
「フレデリックにアレンのその『転生』の事を話せ」
「ええ?」
「パトリシアには話したんだろう?」
「ええ、まあ…」
「では何故アランには話さないんだ?」
レスターはニヤリと笑う。
「は?何故ここでアランが…」
「レスター、いきなり呼び出して、何だ?」
侍従の後に付いて部屋に入って来たフレデリック。
「お、アレン。来週は舞踏会なのに準備はもう終わったのか?」
「ええ。準備はほぼ終えて、今日は兄上に来客があるので帰って来ていました」
「レスターに来客なのにアレンが帰って来た?どんな来客だ?」
「その事も含めて、アレンが説明する。まあ座れ」
「んん?そう言えばアランは?居ないのか?」
「アランは学園の薬草畑が気になるからって帰って来ていませんよ。何を育ててるんだか…」
アレンが憮然とした表情で言う。
「学園にも薬草畑作ってるのか。王宮の手入れはどうしてるんだ?」
「私とアランの侍従で世話をしてる」
レスターが言うと、アレンはますます不機嫌そうな表情になる。
「兄上に迷惑を掛けて…」
「まあまあ、私は薬草に興味があるから楽しいぞ。気分転換にもなるしな」
レスターが楽し気に言うと、アレンは「第三王子は趣味に没頭できて気楽で良いよな」と誰にも聞こえない声で呟いた。
-----
「ちゃんと王太子殿下と会わせたじゃない。どうして『もう会わない』何て言うの?」
王宮からの帰りの馬車の中でマリアンはそう言ってロードの腕に縋り付く。
「先生…教師なんですから生徒に縋るなんて見苦しい真似はやめてくださいよ」
「だって…」
「あのですね、先生の男?デリンジャー先生から俺、結構嫌がらせされてるんですよね」
「え?ダニエルから?」
「先生結構人前でも露骨に俺の事好きって態度取るから。そりゃバレますよ。ちょっ、痛いから離して」
ロードの二の腕を掴むマリアンの手を、ロードはもう一方の手で剥がすように離させる。
マリアンは座席にペタリと両手をついた。
「な、何をされたの?」
「テストの印刷が薄くて読めなかったり、授業に出席してるのに欠席にされたり、挙手してないのに当てられたり、やる事は地味なんだけど、俺フェアリ伯爵家のためにも成績維持しないといけないから地味なのに傷が大きいんです。まあそれわかってて敢えてそうしてるんだろうけど」
「やめさせるわ!だから…」
「ノックス先生がデリンジャー先生に何か言って、事態が好転するとでも思ってる?むしろ火に油でしょうよ」
呆れたようにロードが言い、マリアンは首を横に振る。
「…わかったわ。レスター殿下に会えたから、私はもう用無しって事なのね?」
「そんな事は言ってない」
「いいえ、そうよ。…ロード、貴方、レスター殿下に何をするつもりなの?」
「俺は純粋に王太子殿下をお慕いしているから、お近付きなりたいだけだ」
「嘘。ロードは男でも女でも抱けるんだから、レスター殿下にも手を出そうとしてるんでしょ?」
「よく知ってるね。でも…」
レスター殿下、俺の思ってた反応とちょっと違ったんだよな。まあ興味は引けたと思うし、また王宮へ行く許可ももらったからいいんだけど。
「でも?」
マリアンは上目遣いにロードを見ながら、ロードの足の間に手を入れる。
「これは流石にはしたないよ。先生」
「今更だわ」
ロードのズボンのベルトのバックルに手を掛けると、カチャカチャと音を立ててベルトを外す。
「ロードがアラン殿下や他の生徒会役員たちにも手を出そうとしているの、私、知ってるんだから。ああもう手を出したんですっけ?」
「本当によく知ってるね。俺そんなにわかりやすいかな?でもアラン殿下にはまだ手を出したりしていないよ」
「アラン殿下には、まだ、ね」
マリアンは皮肉気に笑うと、ロードの足の付け根に顔を埋めた。
「それで兄上はロード・フェアリに『運命』を感じたのですか?」
レスターの私室のソファにアレンが座っている。アレンの向かいに座ったレスターは膝の上で手を組み合わせていた。
「…確かに、ロード・フェアリを見た途端、動悸がして、目を離せない感じがあった。お前から『気をつけろ』と聞いていなければ私もそれが『恋』だと思ったかも知れないな」
「そうですか…兄上に頭がおかしいと思われる覚悟で忠告して良かったです」
「ははは。確かにアレンが『転生』とか言い出した時にはどうかしたのかと思ったぞ」
「…どうかしたと思われて第二王子の地位から落とされるなら、それでも良かったんですがね」
アレンは小声で呟く。
「何だ?」
「いえ。何でも」
ノックの音がして、レスターの侍従が部屋に入って来る。
「フレデリック様がお見えです」
「通せ」
「兄上、フレデリック兄さんに何か?」
「フレデリックにアレンのその『転生』の事を話せ」
「ええ?」
「パトリシアには話したんだろう?」
「ええ、まあ…」
「では何故アランには話さないんだ?」
レスターはニヤリと笑う。
「は?何故ここでアランが…」
「レスター、いきなり呼び出して、何だ?」
侍従の後に付いて部屋に入って来たフレデリック。
「お、アレン。来週は舞踏会なのに準備はもう終わったのか?」
「ええ。準備はほぼ終えて、今日は兄上に来客があるので帰って来ていました」
「レスターに来客なのにアレンが帰って来た?どんな来客だ?」
「その事も含めて、アレンが説明する。まあ座れ」
「んん?そう言えばアランは?居ないのか?」
「アランは学園の薬草畑が気になるからって帰って来ていませんよ。何を育ててるんだか…」
アレンが憮然とした表情で言う。
「学園にも薬草畑作ってるのか。王宮の手入れはどうしてるんだ?」
「私とアランの侍従で世話をしてる」
レスターが言うと、アレンはますます不機嫌そうな表情になる。
「兄上に迷惑を掛けて…」
「まあまあ、私は薬草に興味があるから楽しいぞ。気分転換にもなるしな」
レスターが楽し気に言うと、アレンは「第三王子は趣味に没頭できて気楽で良いよな」と誰にも聞こえない声で呟いた。
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「ちゃんと王太子殿下と会わせたじゃない。どうして『もう会わない』何て言うの?」
王宮からの帰りの馬車の中でマリアンはそう言ってロードの腕に縋り付く。
「先生…教師なんですから生徒に縋るなんて見苦しい真似はやめてくださいよ」
「だって…」
「あのですね、先生の男?デリンジャー先生から俺、結構嫌がらせされてるんですよね」
「え?ダニエルから?」
「先生結構人前でも露骨に俺の事好きって態度取るから。そりゃバレますよ。ちょっ、痛いから離して」
ロードの二の腕を掴むマリアンの手を、ロードはもう一方の手で剥がすように離させる。
マリアンは座席にペタリと両手をついた。
「な、何をされたの?」
「テストの印刷が薄くて読めなかったり、授業に出席してるのに欠席にされたり、挙手してないのに当てられたり、やる事は地味なんだけど、俺フェアリ伯爵家のためにも成績維持しないといけないから地味なのに傷が大きいんです。まあそれわかってて敢えてそうしてるんだろうけど」
「やめさせるわ!だから…」
「ノックス先生がデリンジャー先生に何か言って、事態が好転するとでも思ってる?むしろ火に油でしょうよ」
呆れたようにロードが言い、マリアンは首を横に振る。
「…わかったわ。レスター殿下に会えたから、私はもう用無しって事なのね?」
「そんな事は言ってない」
「いいえ、そうよ。…ロード、貴方、レスター殿下に何をするつもりなの?」
「俺は純粋に王太子殿下をお慕いしているから、お近付きなりたいだけだ」
「嘘。ロードは男でも女でも抱けるんだから、レスター殿下にも手を出そうとしてるんでしょ?」
「よく知ってるね。でも…」
レスター殿下、俺の思ってた反応とちょっと違ったんだよな。まあ興味は引けたと思うし、また王宮へ行く許可ももらったからいいんだけど。
「でも?」
マリアンは上目遣いにロードを見ながら、ロードの足の間に手を入れる。
「これは流石にはしたないよ。先生」
「今更だわ」
ロードのズボンのベルトのバックルに手を掛けると、カチャカチャと音を立ててベルトを外す。
「ロードがアラン殿下や他の生徒会役員たちにも手を出そうとしているの、私、知ってるんだから。ああもう手を出したんですっけ?」
「本当によく知ってるね。俺そんなにわかりやすいかな?でもアラン殿下にはまだ手を出したりしていないよ」
「アラン殿下には、まだ、ね」
マリアンは皮肉気に笑うと、ロードの足の付け根に顔を埋めた。
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