双子の王子と悪役令嬢な私。そしてヒロインは男の子。

ねーさん

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「避暑地へロード・フェアリを招待する?」
 アレンは驚いてレスターを見る。
 王宮の執務室で、執務机からソファに向かって歩きながらレスターは笑う。
「ああ。面白そうじゃないか?」
「面白そう?」
「ロード・フェアリに会うと、私は心臓が高鳴り、気分が高揚する。ゲームのせいだとアレンは言うが、だとしたら尚更、一度はこの現象に従ってみたい」
 アレンの正面のソファに座る。
「従うとは」
「男同士なら落胤騒動にもなるまい?」
「兄上!?」
「何事も経験だろ?私には男色の趣味はないからそんな機会は訪れないかと思っていたが、ゲームのせいでロードになら反応しそうだし」
 ケロリとして言うレスター。
「なっ…」
「問題は男同士だから浮気ではないとミッチェルが納得してくれるかどうかだが」
「相手が同性だからそれは浮気ではないと考える人間は居ないかと。その行為に気持ちが伴うなら尚更…ミッチェル嬢は、納得しないと思いますが」
 アレンは慎重に言葉を選ぶ。

 ゲームでのミッチェルは、レスターがロードに籠絡されたと知ると、ロードの義父フェアリ伯爵と関係を持った。ロードの義父の弱味を握り、味方にし、ロードとの養子縁組を解消させ、レスターの側に居られなくするために。
 しかしその計画はフェアリ伯爵夫妻の仲は壊したが、レスターとロードの仲を壊すことはできず、レスターから婚約破棄の代わりに「傀儡の王妃」となるよう言い渡され、レスターに愛される事のないまま結婚生活を送る事になる。
 ロードはレスターの側近となり、生涯恋人としてレスターと過ごすのだ。

 兄上にはここまでは話していないが…話しておいた方が良いのか?
 しかし話せば実際のミッチェル嬢への見方が変わってしまいそうで…
「まあ、行為を行うかどうかは流れに任せるとして、王都からロードを引き離したいだろう?アレン」
 レスターが口角を上げてアレンを見る。
「…はい」
「来週はエリザベス嬢とパトリシアが王城に通って来るからな」
 ミッチェルは王太子妃教育として一か月、エリザベスとパトリシアには王太子妃教育より期間は短いが王子妃としての教育を受ける期間が設けられていて、来週から二週間がそれに当たる。
 休暇中に上位貴族の令嬢に会うにはそれなりの理由が必要だが、王城に通うのがわかっていれば行き帰りにコンタクトを取るのも容易なのだ。
 本当はもっと徹底的にパトリシアの側からロードを引き剥がしたい。でもロードを追い落とすには証拠が…

「少なくとも一週間、ロード・フェアリがフレデリックとの接点を欲していればもう一週間は王都から引き離せると思うぞ」
「…兄上」
「私の心遣いを有難いと思うなら、ロードとの事はミッチェルには黙っていろ」
 レスターは唇に指を当て、悪戯っぽく笑う。
 ゲームでの兄上はもっと堅物でもっと真面目だった。だからこそ、ロードにのめり込む様に夢中になったんだ。ゲームの兄上に例え同じように俺が忠告したとしても信じなかっただろうし、こんな風に自分の「恋心」を客観視しある意味楽しむ様な事もなかっただろう。
「言いません。と言うか、とても言えませんよ」
 アレンが呆れたように言うと、レスターは「そうだな」と笑った。

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 やはりレスターは一筋縄では行かないな。
 ロードは充てがわれた客室のベッドに横たわって考える。
「どうすればその気になってくれるんだろ?」
 レスターが「王太子が組み敷かれる訳にはいかない」と言ったから、俺の趣向とは違うけど、ヤられる方になっても良いかとも思って誘ってみたりもしたけど…キスはさせてくれてもそれ以上にまでは発展しないんだよな。
 上手くはぐらかされてる感じ。
 アランとはまた違う難しさだな。
「アランはなあ~薬学と薬草畑に夢中で、俺が迫ってもいまいちピンと来てないし」

 寮のアランの部屋へ行った時、
「アラン殿下、大人になったら薬にも耐性着けないといけないんじゃないですか?」
 そう言って媚薬を飲ませてみた。
 やはり王族はどんな薬にもある程度の耐性はあるようで、普通の人がそれを飲んだ時の様にはならなかったが、少し苦し気に眉を寄せるアランのそそり立った屹立を口に含んで吐精させた。
 俺としてはそこから…って思うじゃん。
 なのに、アランは少し頬を高揚させて
「これは、確かにこう言う薬を飲まさせても勃たないくらいまでもっと慣れないといけないな」
 と言ったんだ。
 さすがにその後少し気まずくて、アランも恥ずかしいと少し思ってたみたいだけど、最近はあらゆる媚薬を集めて来て試す様になって…まっっったく色っぽい雰囲気にはならなくなったんだよなあ…


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