双子の王子と悪役令嬢な私。そしてヒロインは男の子。

ねーさん

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 ビビアンはライネルの居ない部屋へと入り、机の引き出しの奥から仕入れの明細を探し出した。
「これだわ」
 ライネルは、アランとロードに頼まれて外国にしかない薬草の種や苗を仕入れている。
 アラン殿下はともかく、ロードあの男がどんな薬草をライネルに頼んだのかが気になる。
「こんな奥に隠してるんだもの、きっと普通の薬草じゃないんだわ」
 ビビアンの幼なじみで恋人のライネルは、生徒会に入ってから変わってしまった。よそよそしく、ビビアンは疎まれているとさえ感じてしまう。
 生徒会に入ってから…?ううん。ロードと出会ってからよ。
 最初はアラン殿下とよく一緒に居ると思ってたけど、アラン殿下とは学園の薬草畑の世話を一緒にしてるだけみたいで。ライネルが寮で頻繁に会っていたのはロードで…

 男同士なのにライネルはロードと…あんな事…
 
 ビビアンは机の奥に白紙を押し込み、一見すると元通り、そこにあった明細が失くなっている事に気付かれないようにすると、取り出したそれを鞄に入れて立ち上がった。

「あら、ビビアンさん、帰るんですか?」
 廊下で家政婦と出会う。
「ええ。ライネルもまだ戻らないみたいだし。留守に押し掛けたなんて知られたら鬱陶しがられるかも知らないからライネルには私が来ていた事、内緒にしてくれる?」
 ビビアンはニッコリと笑って言った。

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 湖の側の保養地、レスターが王都に戻った後、入れ替わりで避暑に来ているアレンとアラン。
「あ、アレン、そう言えば学園の薬草畑でロードに会ったぞ」
 昼食を終え、それぞれ寛いでいた時、アランが言った。
「は?いつだ?」
「えーと、十日前かな」
「もっと早く言えよ」
「忘れてたんだ。ここへ来るために学園の薬草畑の世話当番をライネルに変わってもらったから負担掛けて悪いな~と思ってたら、そう言えばロードもライネルに変わってもらってたな、と思い出した」
 アランは見ていた本を閉じて言う。
「ちゃんと『パティが世話になったな』って言ったぞ」
「尊大に言ったか?ロードはどんな顔をしてた?」
 アレンも手にしていた本を閉じた。
 アランは自分の顎を上げる。
「こうして言ったぞ。ロードは真剣な顔をしてたな」
「そうか…」
「ロードにちゃんと言えたら、何故こんな事言わせたか教えてくれるんだろう?」
 ゲームの事、ヒロインの事、ロードが攻略対象者や悪役令嬢に手を出している事、兄上やフレデリック兄さんにも邪な思いを持って近付いているだろうし、パトリシアを舞踏会から連れ出した事…どう話せば良いだろうか。

「アレン殿下、アラン殿下、エリザベス様とパトリシア様がご到着されました」
 侍従のジェイがそう言って部屋に入って来る。
「あ、じゃあこの話はまたな」
 アランがソファから立ち上がる。
「ああ」
 アレンも立ち上がり、アランに続いて二人を出迎えるために部屋を出た。

 アランと並んで廊下を歩きながらアレンはアランに話し掛ける。
「アラン、言っておいたように…」
「ああ。『なるべく別行動』だろ?わかってるって。でも今までは四人でっていつも言ってたのに、最近別々が多いな。何でだ?」
 アランが不思議そうに言う。
「来春には俺たちが学園を卒業して、エリザベスと俺の婚儀の日取りなども決まってくるだろうし、パトリシアが卒業するまでの間にアランとの婚儀の話も具体的になって来るだろうから…」
 慣れておいた方が良いんだ。
 パトリシアがアランと二人で居るのを目にする事に。

「アレン殿下」
「遠くまでよく来たなエリザベス」
「いいえ。毎年ここにご招待いただくの、楽しみにしておりますから」
 にこやかに笑うエリザベスの手を取りながら、視線の端にパトリシアとアランの姿を写す。

「学園の薬草畑が気になって今年は行かないって言うのかと思ってたわ」
 膝下丈のワンピースにショートブーツのパトリシア。ああ、ブーツは茶色より白の方が夏らしくてパトリシアに似合うのにな。
 アレンは心の隅でそう思う。
「実は俺も少しそう思った」
「やっぱりね」
 笑い合うパトリシアとアラン。

「行こうか。疲れただろうから夕食まではゆっくりしていると良い」
 アレンはそう言うと、エリザベスに笑い掛けた。


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