双子の王子と悪役令嬢な私。そしてヒロインは男の子。

ねーさん

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 「何だ…?」
 身体が熱い…
 アレンは舞台の袖で膝をついた。
 他の生徒会役員は床に倒れて荒い息をしている。
 何かの毒?薬?天井からの水と一緒に?いや、水で撹乱して薬の混じった空気を流し入れる事を気付かれにくくしたのか。
 舞台袖の幕へ動きにくい手を伸ばし、フロアを見ると、生徒たちも皆倒れて呻いていた。
 そんな中、ピンクの髪の生徒が一人だけが立っているのが目に入る。
「ロード…」
 あの髪色はロード・フェアリに間違いない。
 何故あいつだけが立っていられるんだ?

 ロードがしゃがみ込んで、一人の女生徒を抱き上げたのが見える。
 榛色の真っ直ぐな髪。
「パティ…」
 パトリシアを抱いたロードは講堂の出入り口へと歩いて行く。
「待っ…パティ…」
 上手く声が出ない。
 パティをどこに連れて行くつもりだ!?
 立ち上がろうにも足に力が入らない。
「パティ」
 ロードはパティをどうするつもりで…

 ロードが講堂の出入り口に近付くと、扉が開いた。
 外から誰かが開けているようだ。
 協力者?

 ロードが出て行くと、扉が閉まる。
「クソッ」
 アレンは自分の足を拳で叩く。
 動け!パティを追わなくては。ロードに何をされるか…
 胸ポケットからナイフを取り出す。
 これで身体に傷を付ければ…

「アレン!」
 その時、後ろからアレンを呼ぶ声がした。

-----

「ん…」
 熱い。
「さっき講堂の扉を開けてくれたのは、舞踏会の時にパトリシアちゃんに飲ませたあの薬を飲ませた見ず知らずの生徒なんだよ。屋上の貯水槽から水を天井の消火装置スプリンクラーへ流してくれたのも。それに空調で催淫剤を広げてくれたのも」
 パトリシアを抱いて歩きながらロードは楽しそうに言う。
「今頃はその生徒たちも眠っちゃってる頃だね」
「…ん…はっ…はあ…」
「ふふ。息が乱れてる。そろそろ辛くなって来た?」
 チュッと頬にキスをされる。
「ふあっ」
 思わず声が出た。
 ロードの唇が触れた頬が痺れるように熱い。パトリシアを抱き上げる手が触れる腕から、足から、ピリピリと痺れるような感覚が広がる。
「ああ、パティ…かわいい」
 …いや…パティって…呼ばないで…

 ロードは扉が開いている生徒会室へ入る。
「役員が皆講堂へ行ってから、開けておいたんだよ」
 そう言いながら、生徒会室にある長ソファへパトリシアを下ろして寝かせる。
「はっ…はあ…」
「パトリシアちゃんはなのにソファなんかでごめんね。でも俺生徒会室ここが良かったんだ」
 ソファに横たわるパトリシアの髪を撫でで、ロードは今入って来た扉の方へ歩いて行く。
 髪を撫でられてまたパトリシアはピクンと反応する。
「だってね、ここは学園の中では薬草畑の次にアランに所縁がある場所だろう?」
 アラン…?
 扉を閉めると、鍵を掛ける。ロードはネクタイ外すと、両開きの扉のハンドル同士をネクタイで縛って固定した。
「アランが学園へ戻って来れるかどうかはわかんないけど、もし戻って来れたら、でパトリシアちゃんの処女が奪われたと知ったらショックだろうなあ、と思ってさ」
 ここへ…アランが…
 ううん。ここに一番所縁があるのはアレンで…
「…や」
 パトリシアは小さく首を横に振る。
 嫌だ。アレンに、知られるのは。
 アレンがここに来る度に、私の、事を、思い出すなんて、耐えられない。

 ロードは横たわるパトリシアの前にしゃがみ込むと、にっこりと笑う。
「大丈夫。パティの身体中に言い逃れできない位、俺に愛されたしるしをたっぷりと残してあげるから、例えアランが罪に問われなくても婚約は解消されるよ」
 パトリシアの制服のベストのボタンを外すと、襟元のリボンを解く。そしてブラウスのボタンに指を掛けた。
「いや…何で…私…」
 何で、私なの?
「ん?何でパティかって?」
 ボタンを外しながら言う。
「それはね。俺がアランだったからなんだ」
「…?」
 アランだった?
「ああ、今思えば、あの時のロードも転生者だったのかなあ?乙女ゲームで攻略対象者を攻略する理由は基本『愛』だもんね。でもあの時のロードがアランを選んだ理由は気楽で安泰な立場の第三王子の側付きになりたい、だったもんな」
 え?
 攻略対象者?
 って…アレンが言ってた…
「……」
「ふふ。目がまん丸だね。パティ」
 ロードはボタンを外したブラウスに手を差し込み、パトリシアのお腹を撫で上げた。
「…ああ!」
 ゾクゾクゾクッと鳥肌が立つ様な感覚。
「制服はドレスと違ってコルセットとかがないのが良いよね」
 ブラウスの前を開く。
「や…」
 胸当てが露になってパトリシアは身を捩る。
 ロードは鎖骨の下へ唇を当てると、強く吸った。
 チリっとした痛み。
 痛みさえも、そこから熱さが身体中に広がって行く。
「あっ…」
「ふふ。キスマーク綺麗についた。たくさんつけてあげるからね」
 にこやかに笑いながら、ロードはパトリシアの唇にキスをした。


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