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「うわあ…綺麗…」
アレクシスから贈られたドレスを着た私に、キャロルが声を上げる。
「ね。綺麗よね、このドレス」
私がドレスのスカートを摘みながら自分を見下ろすと、キャロルはブンブンと首を横に振った。
「ドレスじゃなくて、あ、ドレスもだけど、クリスティナが綺麗なのよ。つまりすごく似合ってるって事」
キャロルの言葉に私の支度をしてくれた侍女のミリーが大きく頷く。
「そうです。ドレスがクリスティナお嬢様のお美しさを一段と引き立てております」
「そう。そういう事」
今日は卒業パーティー当日。
昼間に行われるパーティーの準備の為に寮は朝から大騒ぎだ。
ドレスや装飾品は各々が用意をするが、全員が寮で支度をして、婚約者や恋人のいる者は男性が女子寮へ迎えに来る事となっており、令嬢は自分の家の侍女やメイドを寮に呼び支度をし、侍女やメイドのいない家の者は学園が用意した王宮のメイドが支度を手伝っている。
私はミリーが、キャロルはバルツァー子爵家から侍女が寮へ来て支度をしてくれた。
エイデン家に届いていたアレクシスからのドレスは、Aラインのスカートの裾が濃い青、それがグラデーションして上に行くほど薄くなり、ハイネックのデザインの胸元へ向けてヘーゼルベージュ色にグラデーションしている。
胸元のオーガンジーは角度によって虹のような輝きを見せ、緑や桃、青や茶色など様々な色に見える正にヘーゼル色だ。
そしてウェストをマークするサッシュと、髪を飾るリボンは……青紫。
それにタンザナイトのブローチと、ピアス、指輪。
つまりそれは、アレクシスが、自分の色を私に贈ってくれた、という事で……
「キャロルも似合ってるわ。そのドレス」
思わずニヤケそうな頬を押さえて、私はキャロルのドレス姿を見た。
「そう?さすが王家御用達の仕立て屋さんよね。ピッタリなのに動きやすいの」
キャロルの緑の瞳に合わせた綺麗な新緑の色のドレス。薄いレースのオーバースカートが綺麗でとてもかわいらしい。
「ユージーン様がキャロルをエスコートするって聞いたわよ?」
「アレクシス殿下がクリスティナをエスコートするから、ついでじゃない?」
サラリと言うキャロル。
ついで…かなあ?
「あと、フローラ様が何か言い出すかも知れないんでしょ?ユージーン様ならアレクシス殿下とクリスティナの近くにいて当然だし、私がクリスティナの側にいるためにもちょうどいいじゃない」
キャロルはそう言ってうんうんと頷いた。
アレクシスとユージーン様が迎えに来て、四人で講堂へと向かう。
女子寮と講堂は近いので、私はアレクシスと手を繋いで歩いた。
アレクシスは濃い青の夜会服。私のスカートのグラデーションの一番濃い部分と同じ色だ。
それに胸元のオーガンジーと同じポケットチーフ、ヘーゼルベージュのクラバット、更にアンダリュサイトのクラバット留めとピアスをしている。
ピアスは私がアレクシスに貸した物だけど…要するに、今日のアレクシスは全体的に「私の色」なのだ。
……嬉しい。けど照れるわ。
「クリスティナ、コレ、ありがとう」
繋いでない方の手で自分の耳を触るアレクシス。緑色っぽく石が光った。
「ピアス、役に立った?」
「とても」
笑顔のアレクシスがとても尊い…
-----
「キャロル嬢、綺麗ですね」
ユージーン様が言う。
「ありがとうございます。このドレスすごく綺麗ですよね!」
ユージーン様の腕に手を添えて、私はにっこりと笑った。
「ドレスだけじゃないんだけどな」
苦笑いするユージーン様。
おお。社交辞令ね。ありがたい事だわ。
「ユージーン様も素敵です」
黒の夜会服に、緑のチーフ。これは私のドレスに合わせてくれたんだろう。
「今日、フローラ様どのタイミングで何をしてくるつもりなんですかね?」
「うーん、俺がフローラ嬢から受けた『相談』は、どうしたらアレクを卒業パーティーに引っ張り出せるか、だったからな。何かをしようとしてるのは間違いないんだけど…」
話しながら前を歩くクリスティナとアレクシス殿下を見ると、手を繋いだ二人が顔を見合わせて笑い合っている。
フローラが現れる前みたいに幸せそうなクリスティナに、嬉しく思うのと同時に少しの不安が湧き上がった。
「……クリスティナを泣かせるような展開にならないといいけど」
そう呟くと、ユージーン様がふっと笑う。
「アレクはもう絶対クリスティナ嬢を泣かせたりしないよ」
ユージーン様が腕に乗せた私の手の甲を、宥めるようにポンポンと叩いてくれたので、私はホッと息を吐いた。
「うわあ…綺麗…」
アレクシスから贈られたドレスを着た私に、キャロルが声を上げる。
「ね。綺麗よね、このドレス」
私がドレスのスカートを摘みながら自分を見下ろすと、キャロルはブンブンと首を横に振った。
「ドレスじゃなくて、あ、ドレスもだけど、クリスティナが綺麗なのよ。つまりすごく似合ってるって事」
キャロルの言葉に私の支度をしてくれた侍女のミリーが大きく頷く。
「そうです。ドレスがクリスティナお嬢様のお美しさを一段と引き立てております」
「そう。そういう事」
今日は卒業パーティー当日。
昼間に行われるパーティーの準備の為に寮は朝から大騒ぎだ。
ドレスや装飾品は各々が用意をするが、全員が寮で支度をして、婚約者や恋人のいる者は男性が女子寮へ迎えに来る事となっており、令嬢は自分の家の侍女やメイドを寮に呼び支度をし、侍女やメイドのいない家の者は学園が用意した王宮のメイドが支度を手伝っている。
私はミリーが、キャロルはバルツァー子爵家から侍女が寮へ来て支度をしてくれた。
エイデン家に届いていたアレクシスからのドレスは、Aラインのスカートの裾が濃い青、それがグラデーションして上に行くほど薄くなり、ハイネックのデザインの胸元へ向けてヘーゼルベージュ色にグラデーションしている。
胸元のオーガンジーは角度によって虹のような輝きを見せ、緑や桃、青や茶色など様々な色に見える正にヘーゼル色だ。
そしてウェストをマークするサッシュと、髪を飾るリボンは……青紫。
それにタンザナイトのブローチと、ピアス、指輪。
つまりそれは、アレクシスが、自分の色を私に贈ってくれた、という事で……
「キャロルも似合ってるわ。そのドレス」
思わずニヤケそうな頬を押さえて、私はキャロルのドレス姿を見た。
「そう?さすが王家御用達の仕立て屋さんよね。ピッタリなのに動きやすいの」
キャロルの緑の瞳に合わせた綺麗な新緑の色のドレス。薄いレースのオーバースカートが綺麗でとてもかわいらしい。
「ユージーン様がキャロルをエスコートするって聞いたわよ?」
「アレクシス殿下がクリスティナをエスコートするから、ついでじゃない?」
サラリと言うキャロル。
ついで…かなあ?
「あと、フローラ様が何か言い出すかも知れないんでしょ?ユージーン様ならアレクシス殿下とクリスティナの近くにいて当然だし、私がクリスティナの側にいるためにもちょうどいいじゃない」
キャロルはそう言ってうんうんと頷いた。
アレクシスとユージーン様が迎えに来て、四人で講堂へと向かう。
女子寮と講堂は近いので、私はアレクシスと手を繋いで歩いた。
アレクシスは濃い青の夜会服。私のスカートのグラデーションの一番濃い部分と同じ色だ。
それに胸元のオーガンジーと同じポケットチーフ、ヘーゼルベージュのクラバット、更にアンダリュサイトのクラバット留めとピアスをしている。
ピアスは私がアレクシスに貸した物だけど…要するに、今日のアレクシスは全体的に「私の色」なのだ。
……嬉しい。けど照れるわ。
「クリスティナ、コレ、ありがとう」
繋いでない方の手で自分の耳を触るアレクシス。緑色っぽく石が光った。
「ピアス、役に立った?」
「とても」
笑顔のアレクシスがとても尊い…
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「キャロル嬢、綺麗ですね」
ユージーン様が言う。
「ありがとうございます。このドレスすごく綺麗ですよね!」
ユージーン様の腕に手を添えて、私はにっこりと笑った。
「ドレスだけじゃないんだけどな」
苦笑いするユージーン様。
おお。社交辞令ね。ありがたい事だわ。
「ユージーン様も素敵です」
黒の夜会服に、緑のチーフ。これは私のドレスに合わせてくれたんだろう。
「今日、フローラ様どのタイミングで何をしてくるつもりなんですかね?」
「うーん、俺がフローラ嬢から受けた『相談』は、どうしたらアレクを卒業パーティーに引っ張り出せるか、だったからな。何かをしようとしてるのは間違いないんだけど…」
話しながら前を歩くクリスティナとアレクシス殿下を見ると、手を繋いだ二人が顔を見合わせて笑い合っている。
フローラが現れる前みたいに幸せそうなクリスティナに、嬉しく思うのと同時に少しの不安が湧き上がった。
「……クリスティナを泣かせるような展開にならないといいけど」
そう呟くと、ユージーン様がふっと笑う。
「アレクはもう絶対クリスティナ嬢を泣かせたりしないよ」
ユージーン様が腕に乗せた私の手の甲を、宥めるようにポンポンと叩いてくれたので、私はホッと息を吐いた。
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