40 / 80
39
しおりを挟む
39
ベッドのある部屋を出るとテーブルと椅子が置いてある居間兼食堂のような部屋だった。
正方形のテーブルを囲んで四脚の椅子があり、ステファンは椅子を引いてアイリスを座らせると、自分はアイリスの向かい側に座る。
「ちょっと待っててね」
ルイーザがベッドのある部屋とは反対側にある扉の方へと行く。その扉の向こうは台所のようだ。
「あの、お手伝いします」
アイリスが立ちあがろうとすると、ステファンが
「一応アイリスは客人なんだから座っておけ」
と言った。
「そうよ。ここは私の家で、ファンもアイリスちゃんもお客様なんだから、堂々と座ってて」
ルイーザが楽しそうにそう言って台所へ消えると、ステファンは小さく息を吐く。
「客、ね」
私の家って事は、駆け落ちをしたお相手の方とここに住んでるのかしら?
「ここは銀山の東国へ抜ける山道の、道が狭まって馬車が通れなくなる手前にある集落よ」
紅茶のカップをアイリスの前に置きながらルイーザが言った。
「あ…」
ウォルター殿下に「険しい山道に入る前に平地があり、そこに小さな集落がある」って説明していただいた、ここがその集落なんだ…
「私はデリスとずっとここに住んでいるの。もう六年…七年かしら?ああ、デリスと言うのは私が駆け落ちした相手よ」
ステファンの前と、自分の前にもカップを置き、椅子に座ると、ルイーザはそう言いながら、壁側に置いてあるチェストの方へ視線をやる。
チェストの上には小さな姿絵が一つ置いてあり、紺の髪の優しそうな男性がルイーザと寄り添っている絵が描かれていた。
「デリスは東国ではなく、この国の出身なのよ。子爵家の四男で、東国へ医学を学ぶために留学していたの。留学生が王へ成果を報告する機会があって、その後の晩餐会で隣の席になったの」
懐かしそうに話すルイーザ。
ステファンはテーブルに肘をついてルイーザを見ている。
コンコン。
ノックの音がすると、ステファンはすっと席を立つと寝室へと消えた。
「アイリスちゃんはそのまま座ってて」
ルイーザはそう言うと「はーい」と返事をしながら扉の方へ行く。
一応、私、攫われた、のよね?
今更ながら、呑気にお茶とか飲んでで良いんだろうか?
「よう。ルウ。馬を預かってくれよ」
玄関から男性の声が聞こえる。
アイリスの位置からは居間兼食卓から出た短い廊下の奥にある玄関扉の前に立つルイーザの背中だけが見えた。
そうか。ウォルター殿下が、東国へ抜ける険しい山道に入る前に馬車から馬や徒歩に切り替えるって言ってたっけ。そこで乗ってきた馬車や馬を預かったり、東国から山を超えて来た者に馬車や馬を貸したりしているって。
ルイーザ様はここでそういう仕事をしてるって事?
「自宅じゃなくて馬小屋の方に受付があるからそっちへ行ってよ」
「受付の野郎は愛想がなくてつまらん。じゃあルウが受付してくれよ」
「私の仕事じゃないわ」
「まあまあ、そうつれない事を言うなよ。お互い寂しい独り身じゃないか。少しくらい仲良くしてくれたっていいだろう?」
ん?独り身?
いや、それよりこの男の人ルイーザ様に迫ってるんじゃない?
どうしよう。邪魔をしに行く?
「私は寂しくないわ」
「ああ…あの男、ファンだったか?親戚とか言ってたけどやっぱりあの男とデキてるのか?」
ねちっこくて嫌な言い方。やっぱり邪魔しに行った方が良いかも。
「ファンは関係ないわ。とにかく馬なら受付へ行ってよ」
「つれない事言うなって」
「やめてよ!」
手首を掴まれたか、身を捩るルイーザが見えて、アイリスはガタンッと音を立てて椅子から立ち上がる。
と、同時にバタンッと音を立てて寝室の扉が開き、ステファンが飛び出して来た。
あれ?髪が黒い。
「ルウに触るな」
ステファンがルイーザの手を引き自分の身体の後ろへと庇う。
「いたのかよ…」
男性が低い声で苦々しく言う。
「受付なら俺が行く。ほら、馬を預かるんだろう?来い!」
「相変わらず偉そうだな!」
ステファンは男性を押して外に出ると扉を後ろ手で閉じた。
「ふう…」
ルイーザが閉じた扉を見ながら息を吐く。
「あの…ルウさん…」
アイリスがルイーザに近付くと、ルイーザは困ったように笑った。
「女の一人暮らしだとああ言う手合いが多くて困るわね」
「……」
一人暮らし?
でもさっきルイーザ様「デリスとずっとここに住んでる」って…
でもでもあの男も「独り身」って言ってた。
疑問に満ちた表情のアイリス。
それを見たルイーザは苦笑いを浮かべて言った。
「デリスは…駆け落ちして一年半後に亡くなったの」
ベッドのある部屋を出るとテーブルと椅子が置いてある居間兼食堂のような部屋だった。
正方形のテーブルを囲んで四脚の椅子があり、ステファンは椅子を引いてアイリスを座らせると、自分はアイリスの向かい側に座る。
「ちょっと待っててね」
ルイーザがベッドのある部屋とは反対側にある扉の方へと行く。その扉の向こうは台所のようだ。
「あの、お手伝いします」
アイリスが立ちあがろうとすると、ステファンが
「一応アイリスは客人なんだから座っておけ」
と言った。
「そうよ。ここは私の家で、ファンもアイリスちゃんもお客様なんだから、堂々と座ってて」
ルイーザが楽しそうにそう言って台所へ消えると、ステファンは小さく息を吐く。
「客、ね」
私の家って事は、駆け落ちをしたお相手の方とここに住んでるのかしら?
「ここは銀山の東国へ抜ける山道の、道が狭まって馬車が通れなくなる手前にある集落よ」
紅茶のカップをアイリスの前に置きながらルイーザが言った。
「あ…」
ウォルター殿下に「険しい山道に入る前に平地があり、そこに小さな集落がある」って説明していただいた、ここがその集落なんだ…
「私はデリスとずっとここに住んでいるの。もう六年…七年かしら?ああ、デリスと言うのは私が駆け落ちした相手よ」
ステファンの前と、自分の前にもカップを置き、椅子に座ると、ルイーザはそう言いながら、壁側に置いてあるチェストの方へ視線をやる。
チェストの上には小さな姿絵が一つ置いてあり、紺の髪の優しそうな男性がルイーザと寄り添っている絵が描かれていた。
「デリスは東国ではなく、この国の出身なのよ。子爵家の四男で、東国へ医学を学ぶために留学していたの。留学生が王へ成果を報告する機会があって、その後の晩餐会で隣の席になったの」
懐かしそうに話すルイーザ。
ステファンはテーブルに肘をついてルイーザを見ている。
コンコン。
ノックの音がすると、ステファンはすっと席を立つと寝室へと消えた。
「アイリスちゃんはそのまま座ってて」
ルイーザはそう言うと「はーい」と返事をしながら扉の方へ行く。
一応、私、攫われた、のよね?
今更ながら、呑気にお茶とか飲んでで良いんだろうか?
「よう。ルウ。馬を預かってくれよ」
玄関から男性の声が聞こえる。
アイリスの位置からは居間兼食卓から出た短い廊下の奥にある玄関扉の前に立つルイーザの背中だけが見えた。
そうか。ウォルター殿下が、東国へ抜ける険しい山道に入る前に馬車から馬や徒歩に切り替えるって言ってたっけ。そこで乗ってきた馬車や馬を預かったり、東国から山を超えて来た者に馬車や馬を貸したりしているって。
ルイーザ様はここでそういう仕事をしてるって事?
「自宅じゃなくて馬小屋の方に受付があるからそっちへ行ってよ」
「受付の野郎は愛想がなくてつまらん。じゃあルウが受付してくれよ」
「私の仕事じゃないわ」
「まあまあ、そうつれない事を言うなよ。お互い寂しい独り身じゃないか。少しくらい仲良くしてくれたっていいだろう?」
ん?独り身?
いや、それよりこの男の人ルイーザ様に迫ってるんじゃない?
どうしよう。邪魔をしに行く?
「私は寂しくないわ」
「ああ…あの男、ファンだったか?親戚とか言ってたけどやっぱりあの男とデキてるのか?」
ねちっこくて嫌な言い方。やっぱり邪魔しに行った方が良いかも。
「ファンは関係ないわ。とにかく馬なら受付へ行ってよ」
「つれない事言うなって」
「やめてよ!」
手首を掴まれたか、身を捩るルイーザが見えて、アイリスはガタンッと音を立てて椅子から立ち上がる。
と、同時にバタンッと音を立てて寝室の扉が開き、ステファンが飛び出して来た。
あれ?髪が黒い。
「ルウに触るな」
ステファンがルイーザの手を引き自分の身体の後ろへと庇う。
「いたのかよ…」
男性が低い声で苦々しく言う。
「受付なら俺が行く。ほら、馬を預かるんだろう?来い!」
「相変わらず偉そうだな!」
ステファンは男性を押して外に出ると扉を後ろ手で閉じた。
「ふう…」
ルイーザが閉じた扉を見ながら息を吐く。
「あの…ルウさん…」
アイリスがルイーザに近付くと、ルイーザは困ったように笑った。
「女の一人暮らしだとああ言う手合いが多くて困るわね」
「……」
一人暮らし?
でもさっきルイーザ様「デリスとずっとここに住んでる」って…
でもでもあの男も「独り身」って言ってた。
疑問に満ちた表情のアイリス。
それを見たルイーザは苦笑いを浮かべて言った。
「デリスは…駆け落ちして一年半後に亡くなったの」
6
あなたにおすすめの小説
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
空蝉
杉山 実
恋愛
落合麻結は29歳に成った。
高校生の時に愛した大学生坂上伸一が忘れれない。
突然、バイクの事故で麻結の前から姿を消した。
12年経過した今年も命日に、伊豆の堂ヶ島付近の事故現場に佇んでいた。
父は地銀の支店長で、娘がいつまでも過去を引きずっているのが心配の種だった。
美しい娘に色々な人からの誘い、紹介等が跡を絶たない程。
行き交う人が振り返る程綺麗な我が子が、30歳を前にしても中々恋愛もしなければ、結婚話に耳を傾けない。
そんな麻結を巡る恋愛を綴る物語の始まりです。
空蝉とは蝉の抜け殻の事、、、、麻結の思いは、、、、
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
「今とっても幸せですの。ごめんあそばせ♡」 捨てられ者同士、溺れちゃうほど愛し合ってますのでお構いなく!
若松だんご
恋愛
「キサマとはやっていけない。婚約破棄だ。俺が愛してるのは、このマリアルナだ!」
婚約者である王子が開いたパーティ会場で。妹、マリアルナを伴って現れた王子。てっきり結婚の日取りなどを発表するのかと思っていたリューリアは、突然の婚約破棄、妹への婚約変更に驚き戸惑う。
「姉から妹への婚約変更。外聞も悪い。お前も噂に晒されて辛かろう。修道院で余生を過ごせ」
リューリアを慰めたり、憤慨することもない父。マリアルナが王子妃になることを手放しで喜んだ母。
二人は、これまでのリューリアの人生を振り回しただけでなく、これからの未来も勝手に決めて命じる。
四つ違いの妹。母によく似たかわいらしい妹が生まれ、母は姉であ、リューリアの育児を放棄した。
そんなリューリアを不憫に思ったのか、ただの厄介払いだったのか。田舎で暮らしていた祖母の元に預けられて育った。
両親から離れたことは寂しかったけれど、祖母は大切にしてくれたし、祖母の家のお隣、幼なじみのシオンと仲良く遊んで、それなりに楽しい幼少期だったのだけど。
「第二王子と結婚せよ」
十年前、またも家族の都合に振り回され、故郷となった町を離れ、祖母ともシオンとも別れ、未来の王子妃として厳しい教育を受けることになった。
好きになれそうにない相手だったけれど、未来の夫となる王子のために、王子に代わって政務をこなしていた。王子が遊び呆けていても、「男の人はそういうものだ」と文句すら言わせてもらえなかった。
そして、20歳のこの日。またも周囲の都合によって振り回され、周囲の都合によって未来まで決定されてしまった。
冗談じゃないわ。どれだけ人を振り回したら気が済むのよ、この人たち。
腹が立つけれど、どうしたらいいのかわからずに、従う道しか選べなかったリューリア。
せめて。せめて修道女として生きるなら、故郷で生きたい。
自分を大事にしてくれた祖母もいない、思い出だけが残る町。けど、そこで幼なじみのシオンに再会する。
シオンは、結婚していたけれど、奥さんが「真実の愛を見つけた」とかで、行方をくらましていて、最近ようやく離婚が成立したのだという。
真実の愛って、そんなゴロゴロ転がってるものなのかしら。そして、誰かを不幸に、悲しませないと得られないものなのかしら。
というか。真実もニセモノも、愛に真贋なんてあるのかしら。
捨てられた者同士。傷ついたもの同士。
いっしょにいて、いっしょに楽しんで。昔を思い出して。
傷を舐めあってるんじゃない。今を楽しみ、愛を、想いを育んでいるの。だって、わたしも彼も、幼い頃から相手が好きだったってこと、思い出したんだもの。
だから。
わたしたちの見つけた「真実の愛(笑)」、邪魔をしないでくださいな♡
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。10~15話前後の短編五編+番外編のお話です。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。 ※R7.10/13お気に入り登録700を超えておりました(泣)多大なる感謝を込めて一話お届けいたします。 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.10/30に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。 ※R7.12/8お気に入り登録800超えです!ありがとうございます(泣)一話書いてみましたので、ぜひ!
ひみつの姫君 ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!~
らな
恋愛
男爵令嬢のリアはアルノー王国の貴族の子女が通う王立学院の1年生だ。
高位貴族しか入れない生徒会に、なぜかくじ引きで役員になることになってしまい、慌てふためいた。今年の生徒会にはアルノーの第2王子クリスだけではなく、大国リンドブルムの第2王子ジークフェルドまで在籍しているのだ。
冷徹な公爵令息のルーファスと、リアと同じくくじ引きで選ばれた優しい子爵令息のヘンドリックの5人の生徒会メンバーで繰り広げる学園ラブコメ開演!
リアには本人の知らない大きな秘密があります。
リアを取り巻く男性陣のやり取りや友情も楽しんでいただけたら嬉しいです。
雨に濡れた桜 ~能面課長と最後の恋を~
國樹田 樹
恋愛
心に傷を抱えた大人達の、最後の恋。
桜の季節。二十七歳のお局OL、白沢茜(しろさわあかね)はいつも面倒な仕事を回してくる「能面課長」本庄に頭を悩ませていた。
休憩時間のベルが鳴ると決まって呼び止められ、雑用を言いつけられるのである。
そして誰も居なくなった食堂で、離れた席に座る本庄と食事する事になるのだ。
けれどある日、その本庄課長と苦手な地下倉庫で二人きりになり、能面と呼ばれるほど表情の無い彼の意外な一面を知ることに。次の日にはまさかの食事に誘われて―――?
無表情な顔の裏に隠されていた優しさと激情に、茜は癒やされ絆され、翻弄されていく。
※他投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる