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第一章 異世界に来ちゃった
男のぴっちりは頂けない
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細かく切られた野菜とミルクのコクでまろやかな温かいシチューと冷たい水はあっという間に俺の腹の中に収まる。人間腹一杯になると多少周りを見る余裕も出来るわけで。
「あの……」
俺が熱を出したせいなのか、それとも今の気候なのか、テントの中は肌寒い。震える程寒い訳じゃないけど下着一枚でいるには寒いのでは。未だに下着姿で俺から微妙に距離を開けた位置で待っている男に声をかけた。
「ごめんなさい……。寒い、ですよね。服着てください」
「いいえ。暑いくらいですのでお気になさらず」
嘘つけー!さっき小さくくしゃみしただろ!でっかい体に似合わない可愛いくしゃみ、ちゃんと聞いてたからな!
「えっと……俺が気になるから……服着てください」
「……わかりました」
少し悩む間を開けてからやっと服を着てくれた。でも紺色のぴっちりインナーと白っぽいぴっちりズボンだけ。何でそんなぴっちぴちなの?何か裸でいるよりエッチな感じなんですけど。AVの女潜入捜査官的なぴっちりむっちり具合が居たたまれないんですけど。
巨乳のお姉さんのぴっちりならありがとうございます、と拝みたいくらいだけど、巨乳のお兄さんのぴっちりは逆に目のやり場に困るわ。上も下もこう……盛り上がり具合がすごいね、って感じで……逆にやっぱり下着だけでお願いしますって言いたい。何で下着だけの時より色々強調されるんだよ。意味わかんないよ。
「あの……今更聞くのも何なんですが……ここって何処なんですか?俺、知らない内に森の中にいて」
ひとまず話も目線も逸らそう。
「ここはアークオラン聖王国領です」
やっぱり聞いたことない。あの変な人達が着てた服やら持ち物やらもRPGみたいだったし、何より一番最初に変な泉にいた時点でもう何かダメだ。これが夢じゃなかったらここは俺の知ってる世界じゃないんだ。――――あんまり信じたくないけど。というかもう現実逃避に近いけど。いや、だって映画の撮影にしては周りに撮影陣がいなかったり、明らかに部外者の俺をいつまでも放置してたりするわけないだろうし。夢にしてはあまりに感覚がリアル過ぎる。あの時の炎の熱さが夢だったとしたら現実は熱中症レベルの熱帯夜だろう。
そもそも最後の記憶は海に落ちた所までだから……あんまり考えたくないけどやっぱりあの時死んだんだと思うんだ。神様っぽいのにも会ったし。
でもあの泉でモフモフに囲まれたのんびりスローライフを希望したのに……いきなり命の危機とか神様酷すぎない?いや、あれが神様だったのかは知らないけど。
「……あなたのお名前をお聞きしても?」
そう訊いてきたぴっちりインナーのその人はローゼン・ルシアムと名乗った。アークオラン聖王国の王国第一騎士団副団長で現在25歳だという。
俺より年上ではあるけど、その若さで副団長って……きっとすごい人なんだろう。いやこの騎士団の年齢層知らないから何とも言えないけど。
「嶋鳥 朴です」
「シマトリスナオ様……」
「あ、長いので朴だけでも良いです」
何かめっちゃ呼びにくそう……というか苗字と名前合体させて1つの名前だと思われたっぽいし。
「……では、スナオ様」
「様もいらないけど……」
「いいえ。今のあなたは騎士団のお守りする客人に当たります。呼び捨てには出来かねます。そこはご理解ください」
ああ……!また眉毛ハの字になってしまった!ごめん、俺ずっとそんな困り顔させてばっかりで!
体はムキムキででっかいけど、優しげな顔つきのローゼンさんの困り顔は何故かこっちも酷く申し訳ない気持ちになってしまう。だから、様ついてて良いです!と了承するしかない。
ローゼンさんは一瞬ふ、と吐息だけで笑ったようだった。鼻で笑われた雰囲気ではなく、本当に優しげに。この人は怖くないかも……?
「スナオ様は何故あの森にいたのか覚えておられないのですか?」
「ん……はい……」
一瞬あの泉の事を言おうかと思ったけど、頭おかしい奴だと思われて王都についた途端拘束!とか嫌だしとりあえず誤魔化してみる。まぁでも泉の事を抜いたとしても何であの森にいたのか、なんてわかんないもんな。むしろなんでこの世界に来たのかさえ謎だし。
……やっぱりここは死後の世界か……?いやいや、俺が死んだとは決まってないし!もしかしたらあの後誰かに助けられて病院のベッドで観てる夢かも知れない!……夢ならあんなに炎は熱くないし枷に擦られた肌はこんなに痛まないと思うけど……それはそれ、これはこれ。というか思考がループしてるし。
「森に来る前の事は?」
「……覚えてない、です」
多分異世界の日本という所から来ました~、なんて言ったらそれこそ頭おかしいやつだよな?だったらまだ、記憶がありません、の方がマシ……だよな?
俺の答えに微妙な沈黙が下りる。嘘だってバレた……?ドキドキしながら返事を待ったけど、ローゼンさんはまた優しく笑って律儀に触ります、と言ってから頭を撫でてくれた。
「あなたを危険な目に合わせた奴らは捕まえました。何か起きても、必ず我々があなたを守ります。ここは安全ですからそろそろ休みましょう」
あ。そうだ。途中で目が覚めたとき、ものすごいイケメンが似たような事を言っていた。あれは一体誰だったんだろう。しかもあの声は炎の中から助け出してくれた人と同じ声だった気がする。この人達が本当にいい人達かまだわからないけど、助けてくれたあの人にもお礼を言わなきゃ。
「あの!俺を助けてくれた人……、あの人はここにいますか?」
「あの方はこの騎士団の団長です。スナオ様が目覚める少し前までここにおられましたが、今は明日に備え休んでおられるかと」
えっ、もしや今って真夜中?だったらローゼンさんにもすごい迷惑かけてるじゃん!
「す、すいません!ローゼンさんも休まないとですよね!俺、寝ますから!」
慌てて布団に潜るとやっぱり律儀に触ります、と一言つけてからまた頭を撫でてくれる優しい手の平が気持ち良くて何だかうっとりしてしまう。ちょっとそのぴっちり具合は頂けないんだけども。
「俺は今日不寝番ですのでお気遣いなく。ゆっくりお休みください」
何かありましたら入り口におりますので、と離れる気配と地面に置かれていた鎧を着込む音。それらが聞こえなくなる頃、熱で体力を消耗してたのかあり得ない事態が続いて脳みそが疲れていたのか。いつの間にかまた俺はぐっすり寝入ってしまっていた。
「あの……」
俺が熱を出したせいなのか、それとも今の気候なのか、テントの中は肌寒い。震える程寒い訳じゃないけど下着一枚でいるには寒いのでは。未だに下着姿で俺から微妙に距離を開けた位置で待っている男に声をかけた。
「ごめんなさい……。寒い、ですよね。服着てください」
「いいえ。暑いくらいですのでお気になさらず」
嘘つけー!さっき小さくくしゃみしただろ!でっかい体に似合わない可愛いくしゃみ、ちゃんと聞いてたからな!
「えっと……俺が気になるから……服着てください」
「……わかりました」
少し悩む間を開けてからやっと服を着てくれた。でも紺色のぴっちりインナーと白っぽいぴっちりズボンだけ。何でそんなぴっちぴちなの?何か裸でいるよりエッチな感じなんですけど。AVの女潜入捜査官的なぴっちりむっちり具合が居たたまれないんですけど。
巨乳のお姉さんのぴっちりならありがとうございます、と拝みたいくらいだけど、巨乳のお兄さんのぴっちりは逆に目のやり場に困るわ。上も下もこう……盛り上がり具合がすごいね、って感じで……逆にやっぱり下着だけでお願いしますって言いたい。何で下着だけの時より色々強調されるんだよ。意味わかんないよ。
「あの……今更聞くのも何なんですが……ここって何処なんですか?俺、知らない内に森の中にいて」
ひとまず話も目線も逸らそう。
「ここはアークオラン聖王国領です」
やっぱり聞いたことない。あの変な人達が着てた服やら持ち物やらもRPGみたいだったし、何より一番最初に変な泉にいた時点でもう何かダメだ。これが夢じゃなかったらここは俺の知ってる世界じゃないんだ。――――あんまり信じたくないけど。というかもう現実逃避に近いけど。いや、だって映画の撮影にしては周りに撮影陣がいなかったり、明らかに部外者の俺をいつまでも放置してたりするわけないだろうし。夢にしてはあまりに感覚がリアル過ぎる。あの時の炎の熱さが夢だったとしたら現実は熱中症レベルの熱帯夜だろう。
そもそも最後の記憶は海に落ちた所までだから……あんまり考えたくないけどやっぱりあの時死んだんだと思うんだ。神様っぽいのにも会ったし。
でもあの泉でモフモフに囲まれたのんびりスローライフを希望したのに……いきなり命の危機とか神様酷すぎない?いや、あれが神様だったのかは知らないけど。
「……あなたのお名前をお聞きしても?」
そう訊いてきたぴっちりインナーのその人はローゼン・ルシアムと名乗った。アークオラン聖王国の王国第一騎士団副団長で現在25歳だという。
俺より年上ではあるけど、その若さで副団長って……きっとすごい人なんだろう。いやこの騎士団の年齢層知らないから何とも言えないけど。
「嶋鳥 朴です」
「シマトリスナオ様……」
「あ、長いので朴だけでも良いです」
何かめっちゃ呼びにくそう……というか苗字と名前合体させて1つの名前だと思われたっぽいし。
「……では、スナオ様」
「様もいらないけど……」
「いいえ。今のあなたは騎士団のお守りする客人に当たります。呼び捨てには出来かねます。そこはご理解ください」
ああ……!また眉毛ハの字になってしまった!ごめん、俺ずっとそんな困り顔させてばっかりで!
体はムキムキででっかいけど、優しげな顔つきのローゼンさんの困り顔は何故かこっちも酷く申し訳ない気持ちになってしまう。だから、様ついてて良いです!と了承するしかない。
ローゼンさんは一瞬ふ、と吐息だけで笑ったようだった。鼻で笑われた雰囲気ではなく、本当に優しげに。この人は怖くないかも……?
「スナオ様は何故あの森にいたのか覚えておられないのですか?」
「ん……はい……」
一瞬あの泉の事を言おうかと思ったけど、頭おかしい奴だと思われて王都についた途端拘束!とか嫌だしとりあえず誤魔化してみる。まぁでも泉の事を抜いたとしても何であの森にいたのか、なんてわかんないもんな。むしろなんでこの世界に来たのかさえ謎だし。
……やっぱりここは死後の世界か……?いやいや、俺が死んだとは決まってないし!もしかしたらあの後誰かに助けられて病院のベッドで観てる夢かも知れない!……夢ならあんなに炎は熱くないし枷に擦られた肌はこんなに痛まないと思うけど……それはそれ、これはこれ。というか思考がループしてるし。
「森に来る前の事は?」
「……覚えてない、です」
多分異世界の日本という所から来ました~、なんて言ったらそれこそ頭おかしいやつだよな?だったらまだ、記憶がありません、の方がマシ……だよな?
俺の答えに微妙な沈黙が下りる。嘘だってバレた……?ドキドキしながら返事を待ったけど、ローゼンさんはまた優しく笑って律儀に触ります、と言ってから頭を撫でてくれた。
「あなたを危険な目に合わせた奴らは捕まえました。何か起きても、必ず我々があなたを守ります。ここは安全ですからそろそろ休みましょう」
あ。そうだ。途中で目が覚めたとき、ものすごいイケメンが似たような事を言っていた。あれは一体誰だったんだろう。しかもあの声は炎の中から助け出してくれた人と同じ声だった気がする。この人達が本当にいい人達かまだわからないけど、助けてくれたあの人にもお礼を言わなきゃ。
「あの!俺を助けてくれた人……、あの人はここにいますか?」
「あの方はこの騎士団の団長です。スナオ様が目覚める少し前までここにおられましたが、今は明日に備え休んでおられるかと」
えっ、もしや今って真夜中?だったらローゼンさんにもすごい迷惑かけてるじゃん!
「す、すいません!ローゼンさんも休まないとですよね!俺、寝ますから!」
慌てて布団に潜るとやっぱり律儀に触ります、と一言つけてからまた頭を撫でてくれる優しい手の平が気持ち良くて何だかうっとりしてしまう。ちょっとそのぴっちり具合は頂けないんだけども。
「俺は今日不寝番ですのでお気遣いなく。ゆっくりお休みください」
何かありましたら入り口におりますので、と離れる気配と地面に置かれていた鎧を着込む音。それらが聞こえなくなる頃、熱で体力を消耗してたのかあり得ない事態が続いて脳みそが疲れていたのか。いつの間にかまた俺はぐっすり寝入ってしまっていた。
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