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第一章 異世界に来ちゃった
強烈な第二王子
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「結界を張る時点でわかっていた、と?」
「むしろ遮音された状態なら気になって様子を見に出てくるだろうと思っていました」
わぁ。パーピュア俺の行動見抜いててすごーい!
確かにいつもなら聞こえる音が何もなくて、みんなもいなくて不安になったから出たんだよな。
でももし俺が気になるけど出てこなかったらどうなってたんだろう。
同じく疑問に思ったらしいディカイアスがそう問いかけている。
「…スナオが出てこなければ、呼びに行かせるつもりでした。結界を張った魔術師なら出入りは可能。あの日スナオについていた影では結界は抜けられないでしょうし」
なんと!あの日も護衛の影さんついてたんだ!やっぱり全く気配ないからわからん!
「実際、出てしまったスナオを追おうとして結界に阻まれた」
「…だからスナオは一人であの場へ来たのね」
護衛はついていたはずなのに、と驚いたらしい。
「あとは何が何でもスナオに治癒術を使わせるつもりだった。それで魔力切れを起こすだろうけど、あなた方がいたので。誰か一人は無傷とはいかなくとも生きてるだろうと予測してあれを用意してました」
「あれって?」
首を傾げるとパーピュアは何故か僅かに頬を染める。んん?何故赤くなる…?
「…媚薬と、その…」
もご、っと言いにくそうにしているパーピュアに変わってティエが
「媚薬と弛緩効果のあるローションね。ワタシが媚薬飲んで、スナオの可愛いお尻にローションを使ったの。痛みがあったら可哀想だものね」
「ああ、だから痛くなかったのか!っていうか可愛いお尻とか言うな!!」
このセクハラ男ー!!
ん?でも何でティエが媚薬飲むんだ?何か腐女子の友達に見せられた薄い本では受けの方が飲んではぁはぁなってたんだけど。
「…何でティエが媚薬を?」
「バカね。あの状態のスナオに欲情できるわけないでしょう!でも出来るだけ早く精液は注がないといけない。だから無理矢理高めたのよ!」
おお!なるほど~!それはそれは…お手数をおかけして申し訳ない。
媚薬効果がいつ切れたのかわからないけど、俺が死にかけてなかったら媚薬なくても野獣だったもんな…。
「…スナオ。謝って済むとは思ってないが…本当に申し訳ない」
「え?」
俺が首を傾げると、パーピュアも、え?と首を傾げる。
いや…だって。
「謝らなくていいよ。確かに起きて目の前にティエがいた時はめっちゃびっくりしたけどさ」
意識ない間にヤられてた、とかこれがあのクソ眼鏡とか全く知らない人ならトラウマになると思うけど…ティエだったし。何ならそのあと自分からねだったし。
「…俺の尻一つで誰も死ななかったら安いもんじゃね?」
いや、確かに俺の尻も大事だったけど、人の命には変えられないもんな。
そう言ったら、当のパーピュアから
「僕が言えた事ではないと思うが…お前はもっと自分を大事にしろ!!!」
って怒られた。何でだ。
「えっ、だって…命と尻、どっちが大事…?」
「命だな!だからと言って簡単に受け入れるな!僕はお前を利用したんだぞ!!?」
「えぇ…?そんなのみんなを助ける為だろ…?パーピュアは軍医だし、命を助けるのに手段選ぶ必要ある…?」
「バカ!このお人好し!!大バカ!!!」
「えぇぇぇ…?俺が怒られるの…?」
「…っ、無事で良かった…っ!」
ぎゅ、っと抱きついてきたパーピュアの体が震えてる。
パーピュアだってお人好しなんじゃないの?だって利用しただけならきっと俺の無事をこんなに喜んだりしないと思うんだ。
「うんうん、良かったねぇ。昨日はスナオが死んだら僕のせいだ、って泣きべそかいてたもんねぇ」
その瞬間、びくぅ!とパーピュアの肩が跳ねた。
あ、これあれだ。声は覚えてなかったけどレイアゼシカだ。絶対そうだ。
「で、殿下…っ」
「ん?いいのいいの、続けて?スナオ相手なら怒ったりしないよ。子猫ちゃん達がにゃんにゃん戯れてるみたいで目の保養だもんね。ねぇ、ディア」
「急に部屋に現れるな。いつも予告をしろと言っている」
「やだなぁ、流石に私室には予告なしに行ったりしないよ。それとも何?執務室でもイケナイ事やりたいの?」
「今まさに暗殺者と殺り合ってる最中だったらどうする。私はお前まで守らないからな」
「わぉ、ひどーい!オレ王族なのに!」
「なら王族らしく大人しくしておけ」
「十分大人しくしてたでしょー!」
わぁ…やっぱり強烈なキャラだよな…。
ダラダラと冷や汗をかいて動けなくなってるパーピュアの背後にいるレイアゼシカを胡乱な目で観察する。
白に近い金髪に金の瞳。優しげな顔立ちだけど一癖も二癖もありそうな眼差し。背はすらりと高くて、パーピュアと並んだら美男カップルの出来上がりだ。そのパーピュアは俺にしがみついたまま固まってしまってるけど。
自分の婚約者にここまで怯えるって…まさかこの人パーピュアを虐待とかしてないだろうな!
パーピュアはこの世界に来て初めての友達なんだからな!苛めたら許さん!…友達というか師匠というか兄貴というか…とにかく許さん!
「…それで?殿下は何故ここに?」
はぁ、とため息をついたティエが聞けば、
「スナオが起きたって聞いてね。…この度は本当にーーーー申し訳なかった」
深々と頭を下げるレイアゼシカにギョッとしたのは俺だけじゃないはず。
「むしろ遮音された状態なら気になって様子を見に出てくるだろうと思っていました」
わぁ。パーピュア俺の行動見抜いててすごーい!
確かにいつもなら聞こえる音が何もなくて、みんなもいなくて不安になったから出たんだよな。
でももし俺が気になるけど出てこなかったらどうなってたんだろう。
同じく疑問に思ったらしいディカイアスがそう問いかけている。
「…スナオが出てこなければ、呼びに行かせるつもりでした。結界を張った魔術師なら出入りは可能。あの日スナオについていた影では結界は抜けられないでしょうし」
なんと!あの日も護衛の影さんついてたんだ!やっぱり全く気配ないからわからん!
「実際、出てしまったスナオを追おうとして結界に阻まれた」
「…だからスナオは一人であの場へ来たのね」
護衛はついていたはずなのに、と驚いたらしい。
「あとは何が何でもスナオに治癒術を使わせるつもりだった。それで魔力切れを起こすだろうけど、あなた方がいたので。誰か一人は無傷とはいかなくとも生きてるだろうと予測してあれを用意してました」
「あれって?」
首を傾げるとパーピュアは何故か僅かに頬を染める。んん?何故赤くなる…?
「…媚薬と、その…」
もご、っと言いにくそうにしているパーピュアに変わってティエが
「媚薬と弛緩効果のあるローションね。ワタシが媚薬飲んで、スナオの可愛いお尻にローションを使ったの。痛みがあったら可哀想だものね」
「ああ、だから痛くなかったのか!っていうか可愛いお尻とか言うな!!」
このセクハラ男ー!!
ん?でも何でティエが媚薬飲むんだ?何か腐女子の友達に見せられた薄い本では受けの方が飲んではぁはぁなってたんだけど。
「…何でティエが媚薬を?」
「バカね。あの状態のスナオに欲情できるわけないでしょう!でも出来るだけ早く精液は注がないといけない。だから無理矢理高めたのよ!」
おお!なるほど~!それはそれは…お手数をおかけして申し訳ない。
媚薬効果がいつ切れたのかわからないけど、俺が死にかけてなかったら媚薬なくても野獣だったもんな…。
「…スナオ。謝って済むとは思ってないが…本当に申し訳ない」
「え?」
俺が首を傾げると、パーピュアも、え?と首を傾げる。
いや…だって。
「謝らなくていいよ。確かに起きて目の前にティエがいた時はめっちゃびっくりしたけどさ」
意識ない間にヤられてた、とかこれがあのクソ眼鏡とか全く知らない人ならトラウマになると思うけど…ティエだったし。何ならそのあと自分からねだったし。
「…俺の尻一つで誰も死ななかったら安いもんじゃね?」
いや、確かに俺の尻も大事だったけど、人の命には変えられないもんな。
そう言ったら、当のパーピュアから
「僕が言えた事ではないと思うが…お前はもっと自分を大事にしろ!!!」
って怒られた。何でだ。
「えっ、だって…命と尻、どっちが大事…?」
「命だな!だからと言って簡単に受け入れるな!僕はお前を利用したんだぞ!!?」
「えぇ…?そんなのみんなを助ける為だろ…?パーピュアは軍医だし、命を助けるのに手段選ぶ必要ある…?」
「バカ!このお人好し!!大バカ!!!」
「えぇぇぇ…?俺が怒られるの…?」
「…っ、無事で良かった…っ!」
ぎゅ、っと抱きついてきたパーピュアの体が震えてる。
パーピュアだってお人好しなんじゃないの?だって利用しただけならきっと俺の無事をこんなに喜んだりしないと思うんだ。
「うんうん、良かったねぇ。昨日はスナオが死んだら僕のせいだ、って泣きべそかいてたもんねぇ」
その瞬間、びくぅ!とパーピュアの肩が跳ねた。
あ、これあれだ。声は覚えてなかったけどレイアゼシカだ。絶対そうだ。
「で、殿下…っ」
「ん?いいのいいの、続けて?スナオ相手なら怒ったりしないよ。子猫ちゃん達がにゃんにゃん戯れてるみたいで目の保養だもんね。ねぇ、ディア」
「急に部屋に現れるな。いつも予告をしろと言っている」
「やだなぁ、流石に私室には予告なしに行ったりしないよ。それとも何?執務室でもイケナイ事やりたいの?」
「今まさに暗殺者と殺り合ってる最中だったらどうする。私はお前まで守らないからな」
「わぉ、ひどーい!オレ王族なのに!」
「なら王族らしく大人しくしておけ」
「十分大人しくしてたでしょー!」
わぁ…やっぱり強烈なキャラだよな…。
ダラダラと冷や汗をかいて動けなくなってるパーピュアの背後にいるレイアゼシカを胡乱な目で観察する。
白に近い金髪に金の瞳。優しげな顔立ちだけど一癖も二癖もありそうな眼差し。背はすらりと高くて、パーピュアと並んだら美男カップルの出来上がりだ。そのパーピュアは俺にしがみついたまま固まってしまってるけど。
自分の婚約者にここまで怯えるって…まさかこの人パーピュアを虐待とかしてないだろうな!
パーピュアはこの世界に来て初めての友達なんだからな!苛めたら許さん!…友達というか師匠というか兄貴というか…とにかく許さん!
「…それで?殿下は何故ここに?」
はぁ、とため息をついたティエが聞けば、
「スナオが起きたって聞いてね。…この度は本当にーーーー申し訳なかった」
深々と頭を下げるレイアゼシカにギョッとしたのは俺だけじゃないはず。
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